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スキルちゃん爆進⭐︎おばさん、気づけば異世界で最強夫婦してました (旧:ノンタイトルおばさん〜勇者でも聖女でもなく〜)  作者: 天三津空らげ
12章 マイホームとスマホ事業

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41 新居!!

 朝が来て、改めて家の外観を見る。イタリア風な小洒落た豪邸だわ……。


 一階から外壁の色がブルーグレー、ベージュ、白とミケ子色になっているだけでなく、馬車を停めるインナーガレージの隣にキトキトコンビ用の部屋と温泉がある。

 一階のリビングにはキトキトコンビが出入り出来る、テラスに続く大きなガラス引き戸。各階のベランダもキトキトと出入りが出来るよう広く大きい。他の子達のように一緒に家の中にいられない分、寂しくないようにと。

 アシャールさんのこういう気遣いが深いところ、好きだなぁと思うのよ。


 わたしと奈々美さんの強い要望で、家の中は土足厳禁だ。玄関前に小さな足洗いがあり、ミケ子とムウはそこで足を洗って、足拭きのある専用出入り口を使う。

 そんな内向きとは別に、ちょっとした客に対応する土足用のカフェスペースのような場所も作ってあった。お外で作業して、ちょっと休憩するにも良い場所よね。


 土地に制限がないので、どのスペースも広くゆったりと作ってある。


 床材は木材だが、スキルちゃんの技術で、薄くタラセタを吹き付けて浸透させ、木目を損なわないように定着させているので、蹄や猫爪で傷つくことはない。木材が見える所は全てそうなっていた。

 各壁や扉、柱なんかは、ミケ子が爪研ぎ可能な高さまでタラセタを被せて上手く装飾してあるし、ちゃんと専用の爪研ぎも用意してある。


 家具類は白塗装で統一してあった。取手などでタラセタを使用してる場合も、一旦白で塗装したら、軽く塗装を落とすところを作って、金をちらりと見せるなどの凝りようだった。


 壁色は一階は緑系で統一。二階はわたしの好みで白とピンク系。三階は青系だ。


 わたしの荷物など多くはない。大抵空間収納に入れっぱなしだしね!

 というわけで、自室より先に三階を見に行く。階段は木製の二段手すりが付いていて、段の高さも幅も、わたしが登り降りしやすいようになっている。


 わたしは、いの一番にバスルームを見に行った。ミケ子もふんふん匂いを嗅ぎながら付いてくる。その後ろにムウも。ピホはスマホ持って、撮影しまくってるよ。


 トルコ宮殿風のタイル張りスタイルにテンションが上がって、近くにいるフェアリーレイスさんたちとタッチし合う。物理攻撃の効かない魔物らしいが、攻撃ではないのでいけるのだろう。わたしも写真撮っておこっと。


香子(かおりこ)さん! すごいですよ、どこもホテルみたいに豪華!!」


 興奮した奈々美さんが、お部屋から出てきた。


「無料で豊富に使える建材がキンキラリンだから、もう全体的に豪華にしなきゃ合わなくなっちゃったのよね。でもテンション上がっちゃう。お風呂可愛かったわ」

「トレーニングルームも理想的でした……! わたしも二階、見学して良いですか?」

「もちろん! あ、お風呂は今アシャールさんに試して貰ってるから、午後から見てね。マリーシェラさんは?」

「了解しました。今はリリーティア妃やセシリア妃の質問攻めに忙しそうです。ピホさんがネコノメ公式アカウントにドンドン更新していってるみたいで」


 それね! ピホはどんどん読み書きも覚えて、自然な文章で投稿もトークもできるようになってしまったの。



 お家には屋上もあった。

 キトキト馬車を急遽停めたり、キトキトコンビが遊んだり、空からのお客様をお迎えするためね。ちょうど今のように。


「くるるぅ」

「イラちゃん! 早速ミルクを貰いにきたのね」


 アシャールさんそっくりのネコノメ警備員ドラゴン、イラヒヌールことイラちゃんは、なんと星の金(タラセタ)でバケツを造って咥えてきた。


 わたしについて屋上まで来たミケ子とムウは、少し警戒してる。初対面だからね。初めて会った時、ミケ子はペットスリングの中で寝てたし。一切警戒しなかったキトキトコンビがちょっと心配になったちゃ。


 この屋上だと、雪が降った時に雪下ろしが大変じゃないかと思って、アシャールさんに聞いたけど、ここはそこまでの積雪量はないらしい。

 仮に積もっても、フェアリーレイス達が除雪してくれるそう。


「ミケ子、ムウ、この子はイラヒヌールさん。ネコノメを守護してくれるドラゴンさんよ。ムウちゃんのお乳が気に入って、わけて欲しくて来たの」


 イラちゃんが頭を下げて、そっとミケ子とムウの額に鼻をつける。

 ミケ子はふんふん匂いを嗅いで、鼻先に顔を擦り付けると、それで納得したのか落ち着いた様子でわたしの傍に来て寝っ転がった。


「ムきゅう?」

「きゅうう」


 ムウはバケツに跨がると、じゃわわと乳を入れていく。

 バケツにたっぷりと乳を得られて、イラちゃんはムウの額に自分の額を擦りつけて、感謝と御礼の挨拶をすると、タラ山に戻っていった。


 あのノクレイドラゴンも、まずこのくらいの交流から始めていれば、素材にならなかったものを……。





 そのころ、二階のバスルームでは、アシャールさんが生まれて初めてのお風呂に浸かっていた。


 ――なるほど、香子(かおりこ)はこういうのが好きなのですね……悪くありません。


 タイル張りの浴槽はアシャールが充分に体を伸ばせるほど広く、そのヘリには手すり兼良い感じに頭と首を支える所や、前後に移動できるスリムな台など備えつけてある。今もそこに、水分補給の飲み物と、スマホを本のサイズにした完全防水の『パッド』が置いてある。


 アシャールがグラスに入れた飲み物を口にした瞬間、バスルームの扉がガラリと開いた。


 ピホだ。


 ピホはお風呂に浸かるアシャールを撮影して、他にも数枚、バスルームの写真を撮影していく。そして去っていった。

 当然ネコノメ公式ライトモに投稿するためである。


 数分後、マリーシェラは悲鳴をあげた。


「ひぃぃぃぃぃぃ!!」





 丁度屋上から降りて来たわたしは、その悲鳴を聞いて彼女の部屋をノックする……前に、ミケ子が部屋の引戸を開いてしまった。鍵かかってなかったがやわ。


「どうしたのマリーシェラさん、虫でも出た?」

「ライトモに叔父様が……叔父様が……」


 わたしはマリーシェラさんの手元のスマホを覗き込んで、一旦目を瞑って天を仰いでから、パッドを取り出した。


「それは……」

「スマホの画面が大きい版です。家の中で使うならこの大きさも良いと思って」


 ライトモを開き、ネコノメ公式アカウントを見に行く。


「おぉ……アシャールさん、ピンクがめちゃ似合う!」


 二階のバスルームは、わたしの好みでピンクだ。三階の青いトルコ宮殿風タイルを、そのまま極淡いピンクから柔らかいピンクにしてあるものだ。


「あの……そうなんですけど、そうじゃなくて……」

「あっ! そうね。大丈夫。お湯はにごり湯で下は完全に見えないし、しっかり浸かってるから、鎖骨のちょっと下までしか見えてないからセーフよ! むしろ顔が良すぎてアウトね! 見せてないのにいやらしい」


 どの角度からみても、安定のいやらしさですよこれは。


 お姉様のリリーティア妃もその娘さんのマリーシェラさんやセシリア妃達も絶世の美女だけど、美女というのは美男に比べて母数が多い。アシャールさんのように男の色気も備えて、美女と並んで美女を霞ませるタイプの外見はとても珍しいと思う。


「それです! 叔父様に対する理解が深すぎて助かります。……でも、叔父様がこんな気持ち良さそうにしているなんて、お風呂楽しみです」

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