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ラヴ・ソルジャー ~悪魔に恋しちゃダメですか?~  作者: 紫龍院 飛鳥


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第二十一話


【魔王城 魔王軍幹部会】



「申し上げます、諜報部による極秘調査の結果…悪魔騎士ムエルタは信じ難いことに重戦士ルドルフと男女交際をしていた事実が判明しました」


衝撃の事実が発覚しざわつく幹部衆


「なんとまあ…」

「よりにもよって人間、勇者の仲間なんぞと…」

「嘆かわしい…」

「魔王軍の恥晒しめ…」


「…時期などは未明、ですが人間界においてそれらしい人物の目撃情報を多数確認…しかも、これだけではありません、こちらをご覧ください」


と、水晶板に映し出されたのは『ホワイトジャスティスガール』に扮したムエルタの姿


「これは…いつぞやの」

「ええ、先のクリストゼファー神生誕祭において突如として現れたホワイトジャスティスガールと名乗ったこの人物、調査の結果この人物の正体はムエルタが変装した姿だったとのことです!」

「なっ…」

「もしそれが真実だとすれば、明らかな反逆行為だ!」

「そうだそうだ!弁解の余地もない!」

「即刻死刑にせよ!」


口を揃えてムエルタの死刑に賛同する幹部衆


「分かりました、では…全会一致ということで、悪魔騎士ムエルタは反逆者して厳正なる処分を下すこととします」



・・・・・



その日、かつての直属の上司であるイフリートから死刑が確定したことが伝えられる。


「…そうでしたか」

「…フン、エラく冷静じゃないか…腹でも括ったか?」

「そうではありません、ずっと…覚悟していたものですから」

「…フン、馬鹿な女め…俺はお前のことを買っていたんだが、見当違いだったみたいだな…心底失望した」

「…返す言葉も、ございません」

「まぁ、いい…とにかく、これはもう決定事項だ…これ以上覆ることもない」

「はい…」

「刑の執行は明後日の早朝、もう会うこともないだろう…せいぜい神にでも祈ってろ」


そう言い残して立ち去るイフリート


(二日後、か…ルド)


名を口にした途端、目から一筋の涙がポトンと落ちる



(きっと、アイツのことだから…自分のことを責めるんだろうなぁ)


ムエルタの脳裏にルドルフとのこれまでの思い出が走馬灯のように駆け巡る


照れて恥ずかしそうに笑うルドルフ、自分の手料理を食べて感動の涙を流すルドルフ、自分に向けて真剣で真っ直ぐな目を向けるルドルフ…どれもムエルタにとっては宝物のようにキラキラと輝いたものだった。


(死ぬのは別に怖くない…そんなものは魔王軍の幹部を任されたあの瞬間から思わなくなった、はずだった…けど、ルドに会えなくなることの方が、よっぽどツラい…)


気持ちがこらえきれなくなったムエルタ、膝を抱え込んで大粒の涙を流す


(ルド、せめて…お前だけでも生きていてくれたら、私は報われる…だからどうか、私が死んでも復讐しようだなんて思わないで…どうか、私の分まで)


「…生きて、ルド」


涙で頬を濡らしながら、そっとそう一言呟くムエルタだった。



・・・・・



【勇者パーティーの宿】



夜明け前、まだみんなが寝静まっている頃…ルドルフは一人机に向かっていた。


”みんなへ、まずは今まで黙っていて本当にごめん…どんなに謝ったところでみんなは決して俺のことを許してはくれないだろう…けど、それでいい…だって俺は、それだけのことをみんなにしてきたんだから。

俺のことは一生許さなくていい、けど…みんなを裏切ってきた責任はとるつもりだ。

俺はこれから、魔王城に単身乗り込んで魔王軍に囚われの身になっているであろうルタさんを助けにいってくる…きっと死ぬかもしれない、けどこれも敵の女幹部を愛してしまった愚かな男のケジメとして、俺は行く…もしそれで死んだとしても後悔はない。

もし、一つだけ後悔が残るのだとしたら…大親友のラミレス、君を自分の怒りのままに傷つけて喧嘩別れみたいになってしまったことだ…書面上ではあるけど、この場を借りて謝らせてほしい…すまなかった。

そしてみんなへ…図々しいお願いだとはもちろん分かっています、けどどうかお願いです…決して、後を追って来ないでください…これは俺なりのケジメ、みんなにはもし俺が死んだら後のことを託します…

最後に、俺はみんなと仲間になれて良かったできることなら…これからも仲間として過ごしたかったけどもうそれは許されない…でも、みんなには感謝しかない…今までありがとう、さようなら。”


それは、今まで苦楽を共にしてきた愛する仲間達との別れの手紙だった。


書き終えたルドルフは、装備を整えまだみんな起きてこない内にこっそりとリビングに書いた手紙を書き置きとしてそこへ置き、朝日と共にたった一人で魔族領へと向かった。



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