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聖職者ういさん~ 超初心者編  作者: ばっちょ
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ういさんの物語 35話 お買い物

ういさん達は、拠点としているキャンプ地に戻った。

「お帰り。」

ミノさんは、キャンプ地にすでに戻っていた。


前回、巨大な緑の塔の屋上でシルヴァパピリアという樹木の化け物と、蝶々に

散々な目に会い、撤退したういさん達であった。


「おー、ミノさん、戻っていたか。さてさて、混乱対策は必須だな。」

シェリーさんは、キリッとした顔で宣言した。

「睡眠対策もだよ。」

ういさんも同意した。状態異常対策は必須であった。


「前回の戦闘で、我々の弱点が露呈した。そこでだ!お買い物に行こう!

いくぞ、ういさん。」

「どこへ?首都かい?」

「南国パラダイスに、お気に入りの商人がいる。そこに行く。ワープポータル!」

「もう行くのか。」

「さぁ、みんな乗れ。行くぞ。」


半ば強引に、ういさんたちは、ワープポータルで南国パラダイスへ向かった。


南国パラダイスは、南国情緒あふれる街だが、一角に、武器屋の建物があった。

斧が二本交差し、竜の紋章が掘られた門構えの豪奢な作りの建物だ。

入口に、「まだあげ初めし」と書かれている。

「どんな意味なんだ?」ういさんは疑問に思いつつ、中へ入った。


「いらっしゃい。おや、シェリーさん、お久しぶりです。良い品物が手に入りましたよ。」

中にいたのは、ポテポテした感じの知的な女性の商人さんだ。

「こんにちは、強欲さん。」

どうやら、二人は顔見知りのようだ。


シェリーさんが解説した。

「ここは、この世界のレアアイテムを買い集めて、高値で売りさばいている

強欲さんのお店だ。」

「すごい名前の方ですね。」

「なかなか市場にでまわらない物も、ここでなら見つかる。

そういうレア品を専門に扱う店だ。首都に行くよりも手っ取り早い。」

「何が必要になりました?」

ポテポテした感じの商人さんは、とてもニコニコして声をかけてきた。


「混乱対策、睡眠対策のアイテム、あと強制テレポートされるのを防ぎたい。」

「なるほど、なるほど。少々お待ちを・・・。」

そう言うと、女商人さんは奥へ入って行った。


しばらくして、箱いっぱいに、アイテム類やカードを詰め込んで持ってきた。

「このあたりがよろしいかと思います。」

「見せてもらおう。」

シェリーさんはアイテムをひとつひとつ確認していった。


ういさんは、店内を眺めていた。

「黄金色に輝くゴキブリの盾・・・なんだ、この気色悪い盾は・・・。」

「あぁ、それは先日、船便で届いたものなんですけどね。なんでも

例の企業の研究所から流れて来たものだとか、最高級のレアアイテムです。」

「うへぇ、気色悪い・・・。」


「他にも神器と呼ばれているアイテムや、レア品がたくさんあります。

是非見て行って下さい。お値段は破格ですけどね。」

そんなもの、誰が買うんだよ。ういさんはそう思っていた。すると・・。


「天使さま、わたしの声がきこえますか?」

「超初心者のシェリーです。かよわいです。」

「わたしに莫大な銭をお与えください!

「うるうる。」


「なにやってんの?」

ういさんが、呆れてみていたところ・・・

天井から、膨大な量の銭が降って来た。

「なんじゃこりゃああああ!」

「ふふふふふ。これが銭の力だ。」

シェリーさんは、腰に手を当て、誇らしげに語っていた。

「強欲さん、これで足りるかね?」


「集計してから、お返事致しますね。」

「あいよ。」


ういさんは、呆然と事態を見ていた。

「なにこれ、もしかして、シェリーさんの守護天使の力?」

「そうだよ。シェリーのだよ。」

「ずるくない?ういさんも、この天使様にしたい。」

「あんた、ぬり壁の天使でしょ?ぬり壁しときなさい。」

「格差社会を感じる・・・。」



「そういえば・・・。」

ふと、気になった事をういさんはたずねた。

「このお店、ものすごいレアアイテムが多いけど、警備とかは大丈夫なの?」


集計しながら、強欲さんは答えた。

「盗まれやしないかってことですね?大丈夫ですよ。

二重三重に防衛しています。まず、展示しているはレプリカ、模造品です。

見た目は同じでも、性能が本物とは違います。

ふたつめですが、店全体を魔法で録画しています。

誰が、いつ、何をしているのか、すべて把握しています。

最後に、屈強な警備ギルドと契約しています。

通報すると、すぐに瞬間移動で警備の方がやってきます。」


「下手な事は出来ないってわけか。警備の方々は、強いの?」

「お強いと聞いてますよ~世界屈指の実力だとかなんとか宣伝してましたね。」

「なるほどねぇ。」


そろそろ強欲さんの集計が終わったようだった。

「まいど!お支払いは、だいたい足りてますね。差し引いた残り・・・

1000万銭、お釣りをお渡ししますよ。」

「あいよ。」


「お釣りが1000万銭?はぁ、何を買ったのだ?」

ういさんは訊ねた。

「いつも、ニコニコ現金払い。基本だね。」

シェリーさんは平然としていたる

ミノさんと、コビさんは、いつもの光景を見ているような様子で、反応がない。


「それで、何を買ったんだい?」

「男どもの新たな衣装だ。

きこり風を、より強調できるような緑一色に統一された

イグドラシルの葉をイメージした装飾の施されたマント、

そして、緑色の羽付き帽子だ。

さらに、斧を背中に背負える肩掛け装備だ。かっこいいぞ。」

「あれ、混乱対策と、睡眠対策は?」

「そんなものは、とっくに買ったよ。カートに突っ込んである。」

「早いな。」

「時間は有限なのさ。さ、いくぞ、ものども。」


「まいどありー、あ、そうそう、シェリーさん。情報屋さんから聞いたんですけどね。」

「なんだい、強欲さん。」

「みなさんが討伐に向かっていると伺っている西の地ですが、

国の調査団も西の地へ調査に向かっているそうです。」

「おやおや、遭遇しそうだね。私達の戦闘に巻き込まれないといいけどね。」



ういさん達は、店を出た。

すると、街の中心地の方角で、天使が舞い降りて来るのが見えた。

「お、また、超初心者誕生だね!行ってみようか。」

一行は、天使が舞い降りて来た方向へ走り出した。


「あの広場のあたりだ。」

見ると、シェリーさんそっくりな姿をしたピンク髪の女の子がいた。

衣装も似ている。両脇に白い羽の付いたピンクの丸帽子をかぶっている。

違いは、ピンクのバッグを背負っている事と、浮遊したお菓子を浮かせていない事。


「おや、シェリーそっくり。姉妹だね。」

「こんにちは、どちらさま?」


「わたしたち、超初心者のきこりギルド。

きこりは一時的なものなのであとで変更するけど、超初心者の方とお見受けするわ。

うちのギルドに入ってみない?」

「あ、初心者のギルドって、噂に聞いてたけど、本当にあったんだ。

 ここに来れば情報が聞けると聞いて・・・、是非、入らせてください。」

「おおー、やった!勧誘成功!」

シェリーさんは大喜びだ。

「ねーねー、名前は、名前は?」

「ティッカです。」

「ティッカさんね、よろしく。ギルドマスターのシェリーです。

こちらが、ぬり壁のういさん、あと、緑の衣装の男二人は、ミノさんとコビさん。」

「ぬり・・・ういさんです。よろしくね。」「ういっす。よろしくっす。」「よろしく。」

「みなさんよろしくです。」


「噂なんてあったの?」

ういさんは、ピンク髪の女の子にたずねた。


「天使を召喚する初心者さんのギルドがあるって、噂話で聞いて、

南国の地に、その秘密があると聞いてやってきたのです。」

「なるほどねー。でも、私達のギルドって、先日、結成したばかりだから、

他にも、天使を呼び出すギルドがあるのかな?」


「それな。たぶん、それワイが昔所属していたギルドやな。」

ミノさんが話し始めた。

「ワイは、昔、とあるギルドに所属していてな。

みんなそれぞれ天使を召喚できる連中やった。

だがな、天変地異とか、色々あってな、今は散り散り。

ギルドマスターも引退してしまったんや。」

「そんなことがあったのか。」

「昔の話や・・。」


「ところでさ、ティッカさん。ちなみに、何の天使を召喚できるの?」

「・・・。」

「言いたくないの?まぁいいけど、耳打ちで教えてくれたらうれしいな。」

「・・・ぼそぼそ。」

「OK!!! それはいいたくないね。うん、わかったよ。」

二人だけで、納得している。一体何の天使だったのか・・・。



「ではではー、諸君!改めて、緑の塔を攻略してみようか。」

「ういっすー。」「ういー。」「了解。」「緑の塔?」

「ティッカさんには、あとで説明するね。」


「では、キャンプ地へ向かうぞー。出発~。」

5人に増えた、きこりのギルドは、ワープポータルを通り、拠点のキャンプ地へ向かって行った。


36話へ続く。

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