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聖職者ういさん~ 超初心者編  作者: ばっちょ
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ういさんの物語 22話 神への祈り

クルセイダーギルド主催、神への祈り。

ういさん達が所属するプロンテラ教会とは、組織の異なる団体だが、1年に1度、

多くの人々があつまり、神へ救済を嘆願する集会である。

ただ、文句を言う事も多く、文句垂れ祭りとして認識されている事もある。


クルセイダーギルドの長が、登場した。

「よくぞ集まった。諸君、これより年に一度の儀式、神への祈りを行う。

全員、両手を合わせよ。」

参加者全員が両手を合わせた。

「では、クルセイダーがこれより讃美歌を讃頌する。」


クルセイダー全員が歌いだした。讃頌が終わるといよいよだ。

「では、神への祈り をはじめる。クルセイダー諸氏はじめよ。」

すると、クルセイダーは全員片膝をつき、ベンダストを片手に祈りを捧げて行った。

続けて、皆、同じように祈りを捧げた。


「私が、この世界で、もっともえらい人になれますように。」

ういさんも祈った。


途中、ラッパのような音が聞こえ、空がまばゆく光り輝いたが、

クルセイダーの祈りのスキルの効果らしいと聞いた。

それ以外、特に変化は見えなかった。


「終わりである。では、讃美歌を持って、本会を終える。クルセイダー!讃頌」

再び、讃美歌だ。それが終わると散会となった。

あっけなく短い集会だった。


「こんなもん?」

ういさんは短さにあっけにとられた。

「こんなもんだ。あとは、うどんが無料で食えるから、食っていけ。」

「おーいいね。やっぱ、暖かいうどんだよな。」


初心者ギルドの子達も来ていた。

「うどん~♪」「う~どん♪」「う・どーん!」

ノリノリだ。

「あ、うい先生!」「ういさん!」「またやって極悪ヒール!」


「ういさん、大人気だな。」ギルドマスターから突っ込まれた。

「あ、あぁ・・・。なんで、こんなに人気なんだ?」

ういさん自身も疑問だった。


・・・神への祈りなんて、ほんと、意味ないと思っていた・・・

そう・・・、予言者が現れるまでは・・・。


-------------------------------------------------------------------


それは、突然だった。

前触れもなく、予言者が各地に多数現れた。

「神々は争っている。争いが集結するまで、しばし待て。」

というものだ。


ギルドメンバーを前にセリカが語った。

「えっ、なにそれ、それだけ?予言とは言えなくない?」

ういさんだけでなく、ギルドメンバーみんなが半信半疑だった。

「神々が争っている・・・と言っても、この世界には何も起きていないぞ。」

そう、別に世界には何も変化は起きていない。むしろ、平和だ。


魔王達は、南の遺跡でおとなしくしているし、

天変地異が起きているわけでもない。神々の争いとは、何なのか?

「ラグナロクってやつ?」

ういさんは、いつも単刀直入だ。

「違うと思う。ただ、情報がなさすぎるし、待てというのも意味がわからない。」

「そうだなー。」



数日後、再び、予言者が各地に現れた。予言者は様々な姿で現れた。

巫女の姿、広報担当員の姿、街の警備兵の姿、だが言っている事に共通事項はあった。

「神の審判は下された。」

「神の怒りに触れた者達がいる。」

「神は大きな決定を下した。」

「神は天罰を下す。」

「天変地異、および時間が逆行する。」

「自然界の法則が書き変わり、魔法その他の発動に大きな影響がおよぶ。」

「新天地を望む者には、望みを叶えよう。」

「まずは、3ヶ月後、神の計画が発動する。心して待て。」

という内容だ。


街では、予言の話題で持ちきりだった。

新天地とは、何か?天変地異とは何かと・・・。

予言者に質問を投げても、返答はなかった。予言者はしばらくすると全員姿を消した。


ただ、それまでの3ヶ月間は、何事もなかった。

人々は不安の中にいたが、特に大きな出来事もなく、日々は過ぎ去っていった。


予言された日まで、あと3日と差し迫った頃・・・

再び、ギルドマスターセリカから招集がかかった。


ギルドメンバーが集まったものの、予言の話題ばかりだった。

「あと、3日で予言の日だぞ。何が起きるのかワクワクするな。」

ういさんは楽しそうだった。

「時間が逆行するということは、時間を操る魔法があるのでしょうかね。」

教会の歌姫モーラが話題に乗って来た。

「やはり神にしか行使できない魔法なのだろう。理論上、存在するとは言われていたが・・。」

クルセイダーのムーンフィッシュも同意見だ。

「未曾有の出来事が起こりそうだ。どう対処しろと言うのだろうか。

とりあえず、食料だけは大量に買い込んでおくとしよう。」


追い打ちをかけるように、ギルドマスターセリカから、深刻な話があった。

「節約を続けてきたが、ギルドの運営資金がまもなく底を尽きる。もって、あと半年だ。

討伐依頼や警備、護衛の仕事もなく、活動資金を得るめどが立っていない。

教会活動だけは、収入としてあるが、維持するだけの資金にはなり得ていない。

申し訳ないが、予言の日をみんなで無事に過ごすことができたら、

・・・ギルドを解散したい。」

「マジか。」

ういさんは驚愕した。


教会の歌姫モーラは悲しげにうなずいた。

「薄々とはわかっていました。」

「あぁ、そんなことだろうとは思っていた。」

シャドウチェイサーのネギも同じだった。


「みんな知っていたか・・・。申し訳ない。」

セリカはつぶやいた。

「どうしてこうなっちまったんだ。」

ういさんは嘆いた。


「ギルドの拠点は、契約上あと半年は利用できるが・・・

それまでに荷物など整理しておいてほしい。

残った資金は、みんなの再出発のために分配するつもりだ。

3日後が、例の予言の日だが、何が起こるかわからない。

みんなで無事に乗り越えよう。


そして、予言の日を、みんなで無事に乗り越えたら、・・・解散式を執り行いたい。

・・・よろしく頼む。」


「了解した。」「あぁ、最後の活動だ。」「皆で、新たな道へ出発しよう。」

みんなあっさりしすぎている・・・ういさんはそんな気持ちにはなれなかった。


そして、いよいよ予言の日がやってきた。


23話へ続く。

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