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聖職者ういさん~ 超初心者編  作者: ばっちょ
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ういさんの物語 11話 BOT2

世界支配を企み、神々の追放を計画する企業「欲望の導くままに」

その会議室では、幹部が集い、報告会が行われていた。

「偽造通貨で、すでに大量の資金を確保し、複数のBOT製造工場は建設出来た。

ほぼ、この世界でできることは、生体機械人形、BOTで代替可能となった。

我々が、この世界の覇権を握ることができたのも、皆の協力のおかげだ。礼を言う。」


「だが、待て、不運要素がひとつだけ残っている。南方に巣食っているという魔王軍だ。」

「特に、なんの動きもしていないのだろう?」

「我々の生態機械化軍団100体が討伐に向かったが、残念ながら全滅した。」

「まだまだ性能向上が必要だな。」

「魔王軍は何体いるのだ?」

「現在増えており、1万体まで増えているとか。」

「100体では、圧倒的に少ないではないか。もっと送り込め。」

「いや、そうしたいのだが、各地に巣食う魔物討伐に行ったBOTが全滅しているケースも多く、

討伐用BOTが不足してきているのだ。」

「まだまだ改良の余地ありか。」「調理用BOTをそちらへ送ろう。何体か売れ残ってる。」


「武具研究の成果は?」

「魔剣の製作には成功した。ただし、暴走しやすく、今のBOTでは扱いが難しい。」

「防具に関してだが・・・ついに、やってくれたよ。」

「何を?」

「ついに、神の領域にまで手が届くかもしれない。聞け。

すべての魔法を無効化する、究極の盾が完成した。その名もゴキブリの盾だ!」


「うえっ・・・。」「なんだそれは。もっと良いネーミングはないのか。」

「生体材料に何使ってるんだよ。」「気持ち悪くなってきた。」


「ひどいな。神の装備と言っても差し支えない素晴らしい盾だぞ。」

「あぁ、わかった。見た目は大丈夫なんだろうな。」

「見た目か・・・、それはちょっと、グロいかもしれない。もちろん持ってきてある。見るか?」

「うわぁ・・・きもちわるい。やめて。」「いやいい、見た目を工夫してからにしてくれ。」

「わかった。」


「工場の製造ラインはどうだ?」

「鉱山での採掘量が減りつつあり、鈍化しているが、4工場あわせて、

毎月2400体ペースで製造できている。ただし、C工場が来月からメンテナンスだ。」

「いよいよ、最終計画、神への挑戦へ移る時期ではないか?」

「いや、まだ時期尚早だろう。」



「なるほどな・・・。」

漆黒の衣を身に纏ったアサシン、先日セリカに洗脳されたコードNo404は、

情報をまとめ、アマティアスへ送っていた。

「まだまだ、知らなければならない情報は多いな。次は工場を探るとしよう。」

そして、姿を消した。


-------------------------------------------------------------------------

プロンテラ教会の司教セリカは、ギルドメンバーを前に深刻な話をした。


「先日の布教活動は、ご苦労だった。だが、本当に影響が大きく、困っている。

なんせ、今月の魔物討伐依頼は0件だ。

機械化人形「BOT」を製造する企業「欲望の導くままに」が、すべて請け負ってしまった。

教会としても、危険な作業には、機械化人形を使いたいらしい。」


かわいらしい白い羽付きの衣装に身を包んだ 教会の歌姫 ワンダラーのモーラが発言した。

「この前、知り合いの絵師さんが、絵の仕事を奪われたって、嘆いてましたね。」

赤髪の女性クルセイダー、ムーンフィッシュも似たような話をした。

「いきつけの美容院が、機械化人形に置き換わってました。

雇われていた人、みんな仕事がなくなったって、嘆いていたわ。」

ういさんも、そういえば、と思い出した。

「近所の飯屋、人形が調理してた。でも、うまかった。むしろ、料理のレベルが向上してた。」


セリカは続けた。

「うーむ、深刻だな。ギルドの仕事も、BOTに奪われ、なくなりつつある。

実はな、裸族ギルドによる魔王軍討伐も、魔物が度々復活するものだから、

拉致があかないという事で、機械化軍団・・・

BOTのみで編成された討伐隊が組織され、そちらで対応する模様だ。」

「マジか、報酬がなくなっちまう。」

ういさんは報酬の方が気がかりだった。


「この事態に、対処する妙案は今のところない。教会から資金が出ているとはいえ

この規模のギルドを維持するには足りない。

各種祭りの警備も、BOTが代行するようになってきており、

資金が枯渇し、ギルド解散もありえる事を想定しておいてもらいたい。」

「マジか。」

ういさんも、ギルドのみんなも深刻な事態に直面していた。



その数日後、久々に調査依頼が舞い込んできた。

ギルドマスターのセリカが、みんなを前にして説明した。

「久々の依頼だ。ただ、人数は必要ない。

生体機械化軍団、BOTが、魔物の巣窟内で何度も全滅しているらしい。

その調査のために、魔物の巣窟へ行って欲しいとの内容だ。」

「単純に、魔物の方が強かったんじゃね?」

ういさんは、思った。


「10名程、選抜するので、向かって欲しい。恐らく戦闘にはならないと思うが。」

「了解した。ういさんに任せろ。」

「そうだな、ういさんなら良いと思う。」

「何が良いのだ?」

「いけば、わかる。BOTは、すでに出発して、魔物の巣窟に向かっているらしい。

準備が整い次第、出発してくれ。」

「うぃ。」


西の地にある古代要塞、その地上部分には、まだ多数の建物が残っており

西側に建つ巨城が、今回の現場らしい。

我々教会専属ギルドのメンバー10名は、そこへ向かった。


城内にたどり着くと、薄暗い城内は、すでに、魔法の力で明かるく照らされていた。

教会の歌姫 ワンダラーのモーラも同行し、状況を確認した。

「機械化人形さんが、7体いますね。

事前に聞いていた話ですと、20体投入したと聞いておりましたが、少ないですね。

残りの13体は、どうしたのでしょうか。どこか別のところへ?」


機械化人形もこちらを視認し、反応した。

いずれもスタンダードタイプで本当の機械人形っぽいタイプだ。

人型だが、騎士や農夫や調理師に扮した姿はしていない。機械丸出しタイプである。

「人間確認。警告。ここは魔物の巣窟、すでに数体が倒された。危険地帯である。

すみやかに退避すべし。人間保護モード発動。人間を最優先に保護、防衛します。」


ういさんや、歌姫も驚いた。

「おおおー、これが戦闘系BOT! 優秀だな。ちゃんと人間を識別してるんだ。」

「人間を保護するようにプログラムされているのですね。これは安心です。」


クルセイダーのムーンフィッシュが疑問を投げかけた。

「これどうやって動いているんだろうね。動力とか、どのようになっているんだろう。」


機械人形も反応し発言した。

「生体材料を元に動作しており、動力は食物です。人間と同じです。」

ういさんもびっくりした。

「ええっ!ごはん食べるの!」

「なんでも食べます!ただし、研究所では高栄養ポーションが最適動力とされています。

1個1万銭で、10日間の活動が可能です。」

「す、すげー。ちゃんとしゃべってる!」

ういさんは、面白くなってきた。

「うんこするの?うんこ・・・。」


「ういさん・・・あなた女性でしょ・・・発言には、気を付けなさいよ。」

ムーンフィッシュが注意を促した。


機械人形は、的確に答えた。

「排泄物・・・ですね。内部で再生循環し、最終的には水分のない固形物が1個出ます。

これらは研究所で回収し再利用されます。」

「え・・・?マジで!すげぇぇぇぇぇぇ。うんこ出るんだ。うんこ。どこから?お尻から?」


「ういさん・・・。ちょっと・・・。」

ムーンフィッシュは、あきれた。



BOTとの会話を終え、我々は、付近の調査を開始した。

すると・・・初心者ギルドの人々が、居た。居たよ・・・。マジかよ。

お弁当を広げて、おしゃべりしてる。


歌姫が驚き、声をかけた。

「幼稚園児・・・いえ、初心者の人達ですね。驚きました。

こんな魔物の巣窟で、何をされているのですか。ここは大変危険な場所ですよ。」

ういさんは悟った。

「また、遠足・・・か?」


「あぁ!」「うい先生!」「ういさん!」「保護者さん」「こんにちは!」

「はい、こんにちは。え・・・ういさん知り合いなの? 保護者だったの?ういさん。」

「いや、うん。知り合い・・・かな?」


初心者ギルドの一人が、たずねた。

「みなさんも遠足ですか。」

ういさんは答える。「うちらは、調査に来たのだ。」

「せっかくなのですから、遠足に参加されますか? 楽しいですよ。」

「お前らの遠足って、なんなんだ?」


すると、奥の方から、初心者達が3人逃げて来た。

背後には、50体はいるだろうか?大量の魔物を引き連れて・・・。

「きゃー、助けて~。」「いや~襲われる~。」


「なんですか、あの量の魔物は・・・。」

歌姫は戦慄した。

ギルドメンバーは、すぐに臨戦態勢を取った。

初心者ギルドの連中は、シートの上で、寝転んでゴロゴロしている。

「何してるんだ。逃げる準備をしておけ。」

ムーンフィッシュが注意を促す。

「大丈夫ですよ。」「こんな時は、お昼寝が一番です。」「眠いにゃぁ。」

まったく、緊迫感がない。


生体機械化人形達は、すぐに魔物に反応し、魔物に向かって行った。

「人間が魔物に襲われている。魔物を排除し、保護します。」

そして、予想したように、逃げてきた初心者達は、3人とも転んだ。

「いたーい。」「ころんじゃった。」

生体機械化人形と魔物達は、お互いにぶつかりあった。


さすが、高性能な生体機械、魔物を次々と倒していくが、

魔物も、怨霊系剣士や強化ガーゴイルなど大量だ。

最終的に、つぶし合い、魔物が数体残ったところで、生体機械化人形は全滅した。

「ピー。魔物に敗北・・・。」

「ピー。エラー出力....エラー出力...。」

転んだと思っていた初心者さんは、むくりと起き上がり、残った魔物を片付けて、戦いは終わった。

「いつか、見た光景だな・・・。」ういさんは思った。


「うんこさん、お疲れ様。」「UNK いいね。」「かっこよかったよ。」

「うんこ? 」


うんこ、または、UNKと呼ばれた 頭にアレの形をした帽子をかぶった一人が声をかけてきた。

「片付いたようだね。お、うい先生じゃん。おひさー。

知ってる?機械化人形の残骸、結構な高値で売れるんだぜ。おまえらもやる?」

「やる。」

ういさんは即答だった。

「半分もっていくかい?残骸。うい先生には特別だ。」

「もらう。」


クルセイダーのムーンフィッシュが割って入った。

「私達は、調査でやってきたのだが、・・・これは、報告しにくい内容だな。」

「まぁ、機械化人形・・・BOTには、仕事を奪われるからな。複雑な心境だ。

便利なんだろうが、金持ちだけの便利な道具に成り下がってるからなぁ・・・どうする?」


後日・・・我々は、ひとまず、機械化軍団は、自滅していたと報告した。

機械化人形の残骸は、目が飛び出る高値で売れ、臨時収入となった。


12話へ続く。

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