葛藤
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遠夜と、離れている間オレはかなり不安定らしい。精神的に。遠夜が幼馴染なら、必然的に一緒にいた時間が長い向日葵が言うのだから間違いない。
けど、自分では分からない。オレはそんなに遠夜に依存していた?
目の前の造花の黄色い薔薇を手折りながら、オレは考える。イライラしたり嫉妬したりすると、ほぼ無意識のうちにそんな行動をしてしまう。
「はぁ……」
ため息を零しながら、オレはネックレスをいじる。
常日頃首からかけている、猫を催したネックレス。十夜が、初めてプレゼントしてくれたものだ。
今思えばあの頃から遠夜は猫が好きだったよな。
十夜だった頃と違う点を挙げれば、話せる、表情を変える、一人称、性格、かな。
遠夜の中で十夜だった記憶があるのかは、未だに謎だけど。でも、あってほしいと思ってしまう。
オレがずっと、彼を探していて求めていたように。彼もそうであってほしいのだ。
ようは、この想いが独りよがりではないと知りたいだけなのだ。
だって、そうすれば。本当に好きなのは、オレと知って海月さんと別れるでしょ?
じゃなきゃ。また、あの時みたいな過ちを犯してしまう。
オレが。
海月さんを消す《殺す》前に、早く思い出して……。
きつくネックレスを握り締めオレは、祈る。神様なんて信じてない。
だって、いたらこんな辛い思いをオレにも遠夜にもさせないじゃないか。
全て悪い夢であってほしいと願ってしまう。目が覚めたら、遠夜は十夜で。オレの愛しい恋人になっているんだ。
「は、なんてな」
思わず自嘲的な笑いが零れた。そんなの仮定であり幻想だ。ありえない。
今これが、全て現実なのだ。まやかしの幸せだろうが、なんだろうが。受け入れるしかないのだ。




