第7章
その日私は、同僚の佐々木くんに手伝って貰いながら、バックヤードで商品の振り分け作業をしていた。
「最近さ、雰囲気変わった?」
突然話しかけられた話題に少し戸惑いを感じ、平常心を装った。
「え?そう?」
最近髪色変えたりしてないけど…などと首を傾げていたら、佐々木くんは私の荷物を受け取りながら言った。
「今の方が話しやすい」
意外な返事に、くすぐったくなる。
「今の方がって…今までは話しづらかったってこと?」
冗談混じりに返すと、佐々木くんはそんなことないと笑った。
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「ただいまー」
家に帰ると、いい匂いがする。
ちゃぴがカレーを作ってくれていた。
日課のように、食卓につきながらちゃぴに今日の出来事を報告する。
「今日さ、ちょっと楽しかったかも」
ちゃぴはいつものニヤっとした顔で答えた。
「ふーん。あの男と?」
いつの間にかまた私の職場に来ていたらしい。
「見てたの!?違うし!」
来たなら声かけてくれればいいのに、と文句を言いながら少し火照った顔を下に向け、カレーを頬張る。
「顔に出てんのよ」
ちゃぴは笑いながら言った。
「もう…」
いつもの掛け合いにどこかほっとする。
と同時に、ふと私の中に過ぎる不安。
この空気を壊したくなかったが、どうしても気になることを聞かずにはいられなかった。
「ねぇ、ちゃぴ」
「なによ」
「……私が…
誰かと仲良くなったら、どうするの?」
我ながら、言葉にすると幼稚な質問だと思った。
「…別に」
ちゃぴはなんの感情も感じさせない声で答える。
「……あんたの人生でしょ」
ぼんやり抱えていた不安が、この言葉で急に輪郭を持った気がした。
カレーを、口に運ぶ手が止まっていた。
ちゃぴはふっと息を吐くと
「…ほら、冷めないうちに食べちゃいなさい」
今度は優しく言った。




