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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがヤバすぎた。改訂版  作者: たまご
第三章 黒のキャラバン。

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第二十四話 黒のキャラバン。

「おはようございます。朝御飯、出来てますよ」


「……おはよう」


 お稲荷さんにぜひにと言われて、昨夜はお社に泊まらせてもらった。

 ……バチとか当たらないのだろうか。

 いや、その神様、正しくは御神体を探してほしいと頼まれてここにいるから大丈夫か。

 

 お稲荷さんが朝食を運んできてくれた。

 

「お」


 炊きたてのご飯に、大根と油揚げのお味噌汁。焼き魚に卵焼き。そして、納豆!

 ああ、懐かしの味!!


「美味しい……!」


「お口にあいましたか」


 お稲荷さんは嬉しそうにそう言った。


「それで、このあとはどうなさいますか?」


 私もお手伝いします! とお稲荷さんは張り切っていたけれど。


「とりあえず、ギルドに行こうかな」


「ギルドですか?」


「今はとにかく情報を集めないと」


 盗賊がらみならギルドに何かしらの情報があるはずだ。

 まずは、そこから当たってみるつもりだ。


「なるほど。そうやって探すものなのですね」


 ……今までどんな探し方をしていたんだ。


 猫達にごはんを食べさせ、身支度を整えると私はギルドへ向かった。

 街は朝から活気にあふれている。

 やはり、この国は人の出入りが激しい。

 御神体に関わった人間を見つけ出すのは難しいか?


「?」


 ギルドに行くと掲示板の前に人だかりが出来ていた。

 どれどれ?


「……」


 最近の盗賊騒ぎは、黒のキャラバンが原因らしい、と書かれていた。

 黒のキャラバンとは、希少なお宝を扱うキャラバンでその正体は不明。

 非合法にお宝を売買していて、入手方法も正規のルートではないようだ。


「ん?」


 発行したギルドは、私が真珠国に手紙を届けるようにと依頼された所だ。

 ……もしかして、私が届けた手紙ってこれだったのか?

 私が捕まえた盗賊どもから聞き出したのか。

 あのギルドマスター、意外とやるな……。


 最近、黒のキャラバンは宝珠を手に入れたらしい。

 それを狙って盗賊がキャラバンを襲っている。

 ただし、ほとんどのキャラバンは無関係だったという事だ。



「宝珠……」


 御神体の事か。

 んー?

 お稲荷さんの言った通りなら、かなり大きな真珠だ。

 しかも神気が宿っている。


「普通の人間には買えないよな……」


 なら、相手は貴族や商人、王族……。

 いや、神気が宿っているのだから、その国の神様に気付かれるはずだ。

 国の中心である王族や大貴族は自国の神様と距離が近いから、すぐにバレてしまうだろう。


 だとすれば。


「成り上がりの金持ちか……?」


 ただ、あまりに希少なのでまだ売れていない可能性も捨てきれない。

 まずは、黒のキャラバンを追うところから始めるか。




「黒のキャラバン、ですか?」


 何か知っているか、とたずねた私に、お稲荷さんは首を横に振った。


「いいえ」


 うん、まぁ、予想通りだ。


「そやつらが御神体を盗み出したのですか?」


「可能性は高いかな」


 調べてみない事にはなんとも言えないが。


「どうやって調べるおつもりですか?」


 正体不明の相手だと聞いて、お稲荷さんは不安そうにしている。


「もしかしたら、っていう心当たりはある」


 情報を持っているかは正直五割程度の確率だが、やってみない事には始まらない。


「せり、キャラバンさんを〈気配察知〉」


 あの時、知り合ったキャラバンの隊長さんに聞いてみようと考えたのだ。

 ほかのキャラバンと何かしらの情報を共有している可能性もある。


 せりはひげをぴくぴくとさせると、つんと顔を上げた。


「……せりさん?」


 声をかけると今度はぐぐっと胸を張った。

 んー?


「キャラバンさん、もしかして、こっちに向かって来ているの?」


 せりに声をかけると、頭をぐりぐりと押し付けてきた。

 正解か。

 真珠国にしかないものも多いから、キャラバンがこの国に立ち寄るのも当然といえば当然だな。


「じゃあ、キャラバンさんが到着したら教えてね」


 その間に私はもう一度ギルドに寄ってみよう。

 今まで盗賊に襲われたキャラバンを調べてみたら、何か共通点が見つかるかもしれない。


「……」


 お稲荷さんの尻尾がしょんぼりと垂れている。


「どうしたの?」


「……せっかく、もう少しで神になられるところだったのに」


 お稲荷さんは涙目になっていた。


「心ない連中のせいで穢されていたら……」


「……」


 穢れがあったら、神にはもうなれないという事か。


「……落ち込むのは結果が出てからにしよう」


「つかささん……」


「大丈夫。今は、出来る事をしよう。ね?」


 お稲荷さんの頭をよしよしと撫でてから、はっとした。

 つい、うちの猫達にやるようにしてしまった。

 神使って言ってたし、気軽に撫でたらダメだったかも。

 しかし、お稲荷さんはぐしぐしと前足で目をこすって顔を上げた。


「そうですね。泣くのは、あとにします」


「うん、頑張ろう」




 早速、ギルドで盗賊がらみの資料を貸し出してもらった。


 〈事務処理〉スキル発動!

 ……。

 …………。


「ふむ、なるほど」


 やはり御神体が盗まれたとお稲荷さんが言った二ヶ月前くらいから、盗賊に襲われる事が増えているようだ。 

 キャラバン以外も襲われているが、比率でいえばキャラバンが圧倒的に多い。

 共通点は真珠国と取り引きがあるという事くらいだが。


「……あまり参考にならないな」


 真珠国の特産品はよそでは手に入らないものが多いので、立ち寄るキャラバンは多いのだ。

 これは詰んだか……?


 せりがキャットハウスから出てきた。


「キャラバンさん、来た?」


 せりは尻尾をぴんと上げ、ゆったりと歩き出した。


「ちょっと待って!」


 慌てて資料を片付け、せりのあとを追った。

 真珠国の南門から見覚えのあるキャラバンが入ってくるのが見えた。


「ん?」


 サナ達の姿が見当たらない。

 護衛の数は足りているようだから、馴染みの冒険者が復帰したのかもしれない。


「隊長さん!」


「つかささん?」


 声をかけると、隊長さんは驚いたようだった。


「真珠国にいらしたのですか?」


「ちょっと依頼がらみで……」


 ついでに食い倒れるつもりだったのは秘密にしておこう。


「すみませんが、大事な話があるので時間がある時にお社まで来てほしいんです」


「……分かりました」


 取り引きが終わったら顔を出す、と約束してくれた。




 二日後。


「遅くなりまして……」


 これでも細かい作業は息子達に任せたのですが、と申し訳なさそうに隊長さんはお社まで来てくれた。


「こちら、神使のお稲荷さんです」


「よろしくお願いします」


「……こちらこそ、よろしくお願いします」


 お稲荷さんに最初は驚いたようだったが、すぐに平静をよそおった。

 隊長さん、さすがです。


「それで、私に何のお話でしょう?」


「実は……」


 真珠国の御神体が盗まれた事、黒のキャラバンの事などを隊長さんに話した。


「それは大変な事で……」


 隊長さんは気の毒そうな表情を浮かべて、お稲荷さんを見た。


「隊長さんに聞きたいのは、黒のキャラバンについてです」


「……何故、私に?」


「黒のキャラバンは正体不明のはずなのに、盗賊は御神体が盗まれた事を知っていました」


 おそらく、盗賊には独自の情報網があるのだ。

 しかも盗賊同士で情報を共有している。

 ならば。


「キャラバンの事は、キャラバンに聞くのが早い」


 そう言うと、隊長さんはなるほどと頷いた。


「つかささんの言う通り、私達キャラバンにも、独自の情報網がございます」


 そして、と隊長さんは言った。


「黒のキャラバンについても、いくつか情報が入ってきています」




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