前へ目次 次へ PR 92/107 色彩の神話 タナトスは群青色の影 静かに世界を破壊して 意味あるものは どこにもないと 沈黙する ミュトスは山吹色の光 物語で編まれた世界に 金色の雨を降らせて すべてのものに 名前をつけ続ける 陰陽太極図のように 互いを抱き合い 遠ざけ合って 生成された渦は ときに生命力を生み ときに不条理を生む 破壊へと傾くタナトス 創造に執着するミュトス 相反するものが並存する ひとつの細胞 ひとりの人間 ひとつの世界 それが 不条理そのもの であったとしても 群青色と金色は 互いを補完し合って 美しい色彩の絵に なってしまうのだ