前へ目次 次へ 83/85 ストーリーテラー 星の聖地の森が黒々と息づく夜 漆黒よりも少し明るい星月夜 梢を蹴る果てない音と 大量の葉の散る音が 森の空気を震わせる その空と森との境界線を 飛び渡る無数の生き物の影 点々となった大群はやがて 巨大な鳥の形を成して 五行の色に輝きながら 天に昇ってゆく それから黒い森は 眩(まばゆ)い炎に沈んでゆく 五色の争いの炎が重なって 金色の火炎となり すべてが焼き尽くされた後 何もない平和の中で この世は静かに果てる 宇宙へとさまよい出た あの鳥船は 伝説の方舟(はこぶね) ストーリーテラーは言う はるか太古の物語が はるかな未来の物語 ともなり得るのだと