前へ目次 次へ 84/87 ゴッホの黄色 青藍の空の下 眠りの森へと続く道に 「黄色い家」は建っていた 小さな窓からのぞくと 木のベッドが印象的な ゴッホの部屋が見えた けれども ゴッホはいない 道はやがて小径(こみち)となり くねくねと蛇行する 月の裏側へと 誘(いざな)われるようだ 夜空に架けられた 果てしない吊橋を渡れば 眼下で星がきらめき 黒い糸杉がざわめく 恐ろしくなって 目を閉じると 眠りの森で目覚めた 水色の絵の具で 塗りつぶされて 星はもう見えない 夢の中の ゴッホの部屋では 「ひまわり」が 黄色い光になって 渦巻いていた