第12章 苦闘の季節、信頼の絆
――夏が過ぎ、秋の風が涼しくなり始めた頃。
栗東トレーニングセンターの馬房では、ステイゴナファイトが静かに過ごしていた。
数々の敗北と戦いながらも、彼はなお前を向き続けている。
加賀谷は日々、調教師・森下とともに、ファイトの調整計画を練った。
「この馬は、数字以上の何かを持ってる。気持ちの強さが、何度も追い込まれながらも走らせている」
「そうだな。競走馬は体だけじゃない。心が折れたら終わりだ。
ファイトはまだ折れてない、むしろ強くなってる」
トレーニングは厳しかったが、笠原騎手との信頼関係も日増しに深まっていた。
「笠原さんの存在が、ファイトの走りに変化をもたらしている。
追い切りで見せる集中力は、間違いなく進化の証だ」
笠原もこう語った。
「ファイトは賢い馬です。僕の指示を待って動く。だからこそ、あの厳しいレースでも踏ん張れるんです」
そんな中、社内では社員有志による応援グッズの制作が始まっていた。
「ステイゴナファイトを応援するTシャツを作ろう!」
「ポスターも作って、競馬場で配ろう!」
小さな輪が大きな支えに変わり始めていた。
その秋、ファイトは数戦に出走し、惜しい競馬を続けるものの勝利は遠かった。
だが、誰も彼を見限らなかった。
Stay Gonna Fight
苦しくても、共に歩む絆。
挫折は、新たな挑戦への準備。




