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中古にまつわる怖い話と奇妙な話  作者: 夏の月 すいか


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赤いウサギ

 ―幼児向け用品リユース店 アルバイト 辻野(つじの)さん(仮名)の話―


 以前、「お世話人形」の話を伺った辻野さんから新たにお聞きした話。

 その内容は至ってシンプルなのだが、それが自分の身に起こったら不思議だし、ゾッとする。


 電池を入れると動くぬいぐるみの玩具がある。

 電池を入れるとどんな動きをするかは、そのおもちゃによって違う。

 例えば、手のボタンを押すと決まった台詞(セリフ)をしゃべるカラフルなクマ。頭を撫(な)でると甘えるように転がるネコ。録音した音声を繰り返すインコ。障害物に当たると方向転換して歩くイヌなど、機能は多岐(たき)に渡る。

 したがって、中古で買取ったそのようなおもちゃは、箱や説明書が無いとどのような動きをするのか、どのように遊ぶのか判別するのが難しい。


 辻野さんは二足(にそく)で立っている赤いウサギのぬいぐるみを手に取り、ウサギの手のひらにあった「PUSH HERE」のボタンを押した。

 こういったおもちゃは売った人が電池を入れたままにしておくことが多いので、とりあえず電源を入れてボタンを押してみると動作することが多い。

 するとやはり電池が残っていたようで、ウサギが反応した。


 ウサギは「うぅー、うぅー」と2回低く唸(うな)って、上半身を左右に揺らしたあと、男の声で「どこ?」と言って止まった。


 電池の残量が少ないと音声がおかしくなることがあるので、辻野さんは新しい電池で動作を確認し直そうと、ウサギの背中のマジックテープを剥(は)がし、中から電池ボックスを取り出し、ネジを回してフタを開けると、電池は入っていなかった。


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