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中古にまつわる怖い話と奇妙な話  作者: 夏の月 すいか


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いたずらっ子②

 商品の陳列をしていたらお客様に声を掛けられた。

 振り返ると小学生の男の子が立っていた。

 男の子は「落とした。落とした」と言って棚の下を指さしている。

 「何を落としたの?」と訊ねても、男の子は「落とした。落とした」しか言わない。

 ポケットから小銭でも落としたのか、買おうとしていた商品が落ちて棚の下に転がってしまったのか。

 然程(さほど)困っているように見えなかった、というより半笑いのような表情だったので、ウソかいたずらかもと思ったのだが、さすがに無視をするわけにもいかないので、()いつくばるように身を(かが)めて棚の下を覗き込んだ。

 棚の下を覗いたところで一体何を探せばいいのか分からない。とりあえず何か落ちている物はないかと、きょろきょろと視線を動かしてみる。

 すると小さな人形がうつ伏せに落ちていた。

 これかと思い腕を伸ばした。棚下の隙間が狭いため、目視しながらは腕が伸ばせない。

 手探りで人形を探し(つか)んだ瞬間、手の中で人形が暴れる感触がした。

 驚いて人形を放し、腕を引っ込めた。

 手には人形が動いた気味の悪い感触が残っている。

 はっと我に返り周りを見ると男の子はいつの間にかいなくなっていた。

 再び棚の下を覗き込むと、人形も見当たらない。


 今のは何だったんだと(てのひら)を見つめていたらアルバイトの男の子に

 「店長、さっきから一人で何やってるんですか?何か落としたんスか?」

 と言われた。


  

 「異常ナシ」の警備報告書が置かれた、数週間前の出来事だそうだ。


  ―玩具リユースショップ 店長 菊地さん(仮名)の話―


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