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中古にまつわる怖い話と奇妙な話  作者: 夏の月 すいか


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19/19

「ロケットパンチは必ず戻ってくるものだから」と親友は言った

 ―中古おもちゃ専門店経営 永井(ながい)さん(仮名)の話―


 永井さんの店の一角に、レア物おもちゃコーナーがある。

 限定品というレア物だけでなく、数十年前の超合金ロボットやジャンボマシンダーシリーズ、ブルマァクのソフビやタカトクトイスのおもちゃなどの当時物のおもちゃがショーケースに並んでいる。

 その中の一つに、ポピーから出ていた超有名アニメロボットの超合金がそびえ立っていた。

 とてもきれいな状態で欠品もなく、お客さんからの評判が良い。

 評判は良いが、これは売り物ではなく非売品だった。

 以前は売り物として販売していたが、あることがきっかけで非売品になった。


 その「あること」をお聞きしたのでここで話そうと思う。

 そのロボット(回りくどい言い方をしなくてももう分かりますよね(笑)。想像していただいたロボットで正解です)が店に入荷されたときは実は両手が欠品していた。

 両手に発射ギミックがあるので、当時の子供たちはパンチを発射させてよく失くしてしまったのだ。

 永井さんは両手が無いマジ…ロボットをショーケースに展示していた。

 そのような状態にも関わらず相場に比べ価格は高かったので、入荷からしばらく経っても売れることはなかった。

 それがあるとき突然、欠品していたはずの両手がショーケース内のロボットの足元に揃って並んでいたのだ。

 永井さんは驚いた。

 ショーケースの鍵は合鍵を含めて永井さんが管理しているため、他の者がショーケースを開けることは不可能だった。

 ロボットの両手と一緒に、ノートの切れ端のようなものが置いてあった。

 そこにはボールペンで

 

 ロケットパンチ もどってくるぞ


 とヨレた文字で書かれていた。


 永井さんはその筆跡に覚えがあった。

 親友のGさんの筆跡だった。


 しかしそんなことは有り得ない。

 このロボットはGさんの遺品なのだから。


 Gさんは永井さんの古くからの友人で、Gさんが亡くなった際にGさんの奥さんから頼まれて永井さんの店で買取った品だった。

 もっと言うとショーケースの中に展示されている品全てがGさんの遺品だ。

 Gさんの品を長く手元に残しておきたい気持ちがあり、価格設定を高めにしたが、これをきっかけにこの超合金だけは非売品にした。


 また、ロケットパンチと一緒にあったノートの切れ端は、永井さんの手帳を破ったものだということが後日判明したので、永井さんは尚更不思議がった。

 完璧主義のGさんは自分のコレクションが欠品状態で飾られていることがマニアとして我慢できなかったのだろうと永井さんは言った。

 「多分、Gの家のショーケースに飾られていたのを奥さんがしまう時に両手を落としちゃったんだよね。Gはそれが嫌で家の中を探したんだよ」


 永井さんはGさんと「一番カッコいい必殺技はどれ」など、飽きもせず語り合ったという日々を懐かしんで目を細めた。

 

 

 

 


 

 

 

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