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66話 北欧侵攻


 1940年4月10日 東京 秩父宮邸



【ドイツがデンマークとノルウェーに侵攻!】



 ヴェーザー演習作戦が始まりましたか。

 どうやら、未来の歴史でイギリスが悪者扱いされるであろう、ノルウェー侵攻計画であるR4計画は中止になったみたいでしたね。


 今回は史実と同じようにタッチの差で、ドイツが北欧に侵攻したけど、イギリスが先手を取っていた可能性もあったんだよね。

 だから、ドイツがイギリスのR4計画の証拠の一部でも公表したらなば、こっち側が逆に藪蛇になりかねませんので、今回はドイツを非難するのは止めておきましょうか。


 ドイツを非難するのであれば、政府か外務省が遺憾の意でも表明するでしょうしね。


 といいますか、これ以上私がドイツを非難したところで、ドイツの行け行けどんどんが止まるはずもありませんでしたか。

 これ以上、私が表立って目立つのも良くないような気もしますし、陰からコソコソとドイツの足を引っ張る方向へとシフトしていきましょう。


 ドイツに対して、なにが出来るのか? それは、まだ直ぐには思いつきませんけれども。



【デンマークは即日、ドイツに降伏!】



 デンマークさん、やる気なさすぎでしょ……


 まあ、ドイツとの軍事力の差は圧倒的な差がありますので、国民を戦火から守るためにもデンマークの判断はやむを得ないのかも知れないですけど。

 ホルスタインだかホルシュタイン戦争の時には、一度はプロイセン軍を追い返したのに、デンマークの隆盛も今は昔のことでしたか。


 デンマークには未来でレゴに期待しましょう。

 デンマークの有名どころは、レゴと豚肉ぐらいしか知らないんや……


 あと、人魚がいましたか。



【ノルウェーの首都オスロが陥落! ノルウェー政府は北部に移転してドイツ軍に抵抗を続ける構えか?】



 ノルウェーの首都であるオスロが、あっけなくドイツ軍に占領されてしまいましたか。

 ノルウェーさんも首都の防備がザルすぎるでしょうに……


 せっかく九八式戦闘機を二十数機ばかり売ってあげたのに、全然役に立ってませんがな。

 まあ、いままでノルウェー軍が持っていた戦闘機と比べて、九八式戦闘機の性能が雲泥の差だから、機種転換訓練に時間が掛かっていたのかも知れませんね。


 冬戦争での九八式戦闘機の活躍を聞いてから、ノルウェー政府が慌てて購入を打診してきたのですけど、少しばかり遅すぎたようでしたね。

 九八式戦闘機をドイツに鹵獲されなければいいのですが……


 まあ、九八式戦闘機とはいっても初期型ですし、Bf109のE型エミールよりもちょっとだけ性能が良い程度ですしね。

 航続距離は圧倒的に、九八式戦闘機に軍配が上がりますけどね!


 万が一、九八式戦闘機がドイツ軍に鹵獲されたとしても、人種差別が激しいドイツでは黄色い猿がドイツの工作機械で作った戦闘機なぞ、見向きもされないとは思いますけど。


 ちなみに、九八式戦闘機はフィンランドにも六十機あまり、スウェーデンにも四十機あまりお買い上げいただいております。

 冬戦争のためにフィンランドに持って行った九八式戦闘機が、そのまま全部北欧三か国に売れたということみたいですね。


 フィンランドはともかく、ノルウェーとスウェーデンにまで九八式戦闘機が売れるとは意外でしたよ。日本は列強の末席には座っていますけど、技術分野では未だに後進国なんですよ?

 日本政府なのか陸軍なのか中島飛行機なのか知りませんけど、随分と商売がお上手なようですね。


 あと、ソ連軍機を相手に無双したインパクトが大きかったのだ思います。

 実戦で運用された経験、コンバットプルーフされている兵器というのは、それだけで価値が跳ね上がるのですから。



【ドイツ海軍は重巡洋艦ブリュッヒャーを撃沈された模様!】



 あー、そういえば、史実でもブリュッヒャーはオスロ攻略時に、要塞砲と魚雷の攻撃を受けて撃沈されていたような気がしましたね。

 沿岸での戦闘ですから、ドイツも隠せるものではありませんし、ノルウェーはドイツに一矢報いたのだから、そら大々的に報道しますわな。


 今頃、チョビ髭おじさんは激おこぷんぷん丸でしょうかね?

 それで、レーダー元帥は胃をキリキリさせているんだろうなぁ。


 一般的に戦艦と要塞砲が撃ち合えば、戦艦が負けるとか言いますし、ましてや、ブリュッヒャーは戦艦ですらない重巡洋艦なのですから、要塞砲に撃沈されるのも当たり前の出来事だったのかも知れません。


 だけれど私個人の感想では、要塞砲と戦艦の力関係は一概には言えない気もするのですがね。第二次世界大戦では、戦艦は要塞砲に撃ち負けてはいないはずですから。

 まあ、戦艦VS要塞砲という戦闘が少なかったのも影響しているのかも知れませんが。


 しかし、フィヨルドとかの地形の場合ですと、軍艦の方に逃げ場がありませんので、至近距離から要塞砲に滅多打ちにされてしまうのですよ。


 攻撃側がフィヨルドの奥まで侵攻する場合は、狭い水路を通過しなければなりませんので、防御側はその狭い水路の横側に要塞砲を置いておくだけでいいのですから。

 あとは、ノコノコと水路にやってきた軍艦を横から撃つだけの簡単なお仕事になります。


 つまり、フィヨルドに設置されている要塞砲が最強ってことです!


 なんでドイツ軍は、撃沈される可能性が極めて高いと分かっていたのに、ブリュッヒャーをフィヨルドに突撃させたのでしょうね?

 オマケに、海軍が要塞砲に手古摺っている間に、オスロを攻略したのは空挺部隊だったらしいのです。


 ブリュッヒャーがフィヨルドに突っ込む必要があったのか? イマイチ理解に苦しみますね。

 まあ、ただでさえ貧弱なドイツ海軍の貴重なアドミラル・ヒッパー級の一隻を沈めたのだから、これだけでもノルウェー軍がドイツ軍と戦った価値があるというものです。


 きっとロイヤルネイビーのみなさんは、手を叩いて大喜びしているでしょうね。



 そういえばこの世界線では、アルトマルク号事件は発生していたのかな?


 まあ、アルトマルク号事件があったからこそ、ドイツがノルウェーの中立を疑うようになったので、ヴェーザー演習作戦の発動であって、北欧も戦場に巻き込まれたと考えるのが妥当なのでしょうね。

 ノルウェーの北部にあるナルヴィクをイギリスに押さえられてしまうと、冬の間はキルナ鉱山からの鉄鉱石がほとんど輸入できなくなりますので、戦争中のドイツにとっては死活問題になります。


 だからこそ、ノルウェー侵攻作戦だったのでしょう。


 あと、スカゲラック海峡とカテガット海峡。この二つの海峡を完全にドイツの支配下に置いて、ロイヤルネイビーの跳梁を押さえ込みたかったのかも知れません。

 そう考えると、後世の評判はあまり良くない感じはしますけど、イギリスの戦略で考えた場合においては、R4計画は間違ってはいなかったということですか。


 そういえば、オードメトンだかオートメドン号事件というのもありましたね。


 event id = 89の発生日時っていつでしたっけ? あとフラグも。

 まあ、これは冗談なんですけどね!


 でも、オートメドン事件は、日本とイギリスが友好関係を維持していますので、日本には関係なく済まされて終わる感じでしょうか?

 ドイツも険悪な関係になりつつある日本に対して、イギリスの機密書類なんて渡さないでしょうしね。


 それに、この機密書類ってイギリスの謀略とか言われてたような気もしましたしね。

 そう、わざと日本を挑発するような文章にしていたり、わざと隙を見せるようにしたりして、日本から激発させてアメリカを裏口から戦争に引きずり込むためとかなんとか……


 うん、英国紳士ならばやりそうで怖いです。

 まあ、この世界線では大丈夫そうなのが、まだ救いなのですけど、油断はできません。


 この二つの事件で思い出しましたけど、ドイツの仮装巡洋艦やポケット戦艦の航続距離ってアホみたいに長いですね。

 重油が燃料である蒸気タービンに比べると、軽油が燃料であるディーゼルエンジンは、かなり燃費が良いということなのかな?


 そういえば、浅間丸とかの客船も経済的な巡航速度だったら、無給油で地球一周できちゃうほどの航続距離だったような気もしましたね。

 どうやら低出力のディーゼルエンジンは、航続距離で有利ということみたいですね。まあ、その分速度は犠牲になっているのだから、痛し痒しといったところでしょうか。


 ちなみに、浅間丸事件は発生してないみたいです。少なくとも私の耳には入ってません。

 日本とドイツの関係があまり良くないから、日本とソ連を経由してドイツに帰国するルートを取らなかったということでしょうか?


 史実で浅間丸に乗船予定だったドイツ人たちは、今頃アメリカで無聊を託っているのかも知れませんね。

 まあ、その方が幸せの気がしないでもありません。



【ノルウェー南西部の街スタバンゲルでは、ドイツ軍を撃退! 日本から輸出した九八式戦闘機が活躍!】



 あー、なるほどね。ノルウェーの空軍といいますか九八式戦闘機の部隊は、首都のオスロ近郊の飛行場ではなくて、北海沿いの街にある飛行場に陣取っていたのでしたか。

 ドイツ軍は降下猟兵で空挺作戦をして、飛行場を占領しようとしていたのでしょうね。


 ドイツ北部の飛行場からだと、スタバンゲルは500kmは離れていそうだから、航続距離の問題で戦闘機の護衛がなかったのかな?

 輸送機と爆撃機だけだと、そら撃退されますわな。


 双発のBf110駆逐戦闘機だったら、辛うじてノルウェーまで届いたのかも知れませんけど、どちらにせよ双発戦闘機では単発機である九八式戦闘機には勝てないのだから、スコアを献上するだけに終わったのでしょう。

 あれ? でもこれって、Bf110の欠陥がバトルオブブリテンよりも前に露呈してしまったかも知れないということだから、なんらかの対策をドイツがしてくるということになるのかな?


 ノルウェーに九八式戦闘機を売ったのは、ちょっと不味かったのかも知れませんね。

 でもまあ、なるようにしかならないか。


淡々と戦争は進んで行きます。地味だ…

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