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現代ダンジョンで触れたものの寿命を吸い尽くす最凶スキルを得た社畜のノンストップ現代無双  作者: にんじんさん


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18/30

第18話100年の老衰


「ひ、ひぃっ……! 離せ! 離してくれ!」


東京湾のコンテナ埠頭。超振動ブレードを真っ二つに折られ、左手で胸ぐらを掴まれた女性隊員が、狂ったように悲鳴を上げた。

彼女の身体を構成していた最新鋭のナノ強化スーツが、俺の手が触れた場所からパチパチと火花を散らしてショートしていく。

右手で掴んでいる巨漢のリーダーも、すでに右腕全体が完全に赤黒いサビの塊と化し、重さに耐えかねてボロリと地面に崩れ落ちていた。


「科学の粋を集めた人間兵器が、随分と情けない声を出すじゃないか。……おい、さっき俺のことを何て言った? イエロー・モンキーだったか?」


「あ、ア、アイム・ソーリー! 悪かった、私が間違っていた! だからそれ以上、その奇妙な力を――」


「謝っても時間は戻らない。……いや、俺の場合は『進む』んだがな」


俺は両手に意識を集中させ、搾取の回路を同時に開いた。


――『時間搾取タイム・ドレイン』。出力5%。


「ギャあああああああああああ!?」

「ウ、ア、アアアアアアアッ!?」


二人の絶叫が、深夜の埠頭に重なって木霊する。

生身のパーツが残されていた彼らの首筋や顔の皮膚が、見る見るうちに水分を失ってカサカサの土色に変色していく。

艶のあった金髪は一瞬でパサついた白髪へと変わり、目元や口元に深い老衰のシワが刻まれていく。

サイボーグ化されていない、彼らの脳や内臓、そして細胞そのものの『時間』が、凄まじい速度で吸い尽くされていく。

ちょうど、100年分。


【対象二名から『時間(寿命)』を計200年搾取しました】

【現在の残り寿命:995年】


俺が両手を離すと、二人はヨボヨボの老人の姿となり、機械のパーツの重さに耐えきれずにドサリと地面へ崩れ落ちた。

ゼェゼェと枯れた息を吐きながら、自分のシワだらけの手を見つめて絶望に涙を流している。


「リーダー……!? エマ……!? ば、バカな、100歳以上の老人に……!?」

「化け物……! 悪魔だ……!」


後方に残っていた三人のサイボーグ暗殺者たちが、完全に腰を抜かして後ろへ飛び退いた。彼らは数々の戦場を生き抜いてきた冷酷なプロだ。だが、仲間が一瞬で100歳老け込まされ、最新の機械がサビて朽ち果てる光景など、想像の範疇を超えていた。


「おい、残りの三人。まだやるか? あんたたちのその自慢の機械、全部サビつかせて、歯を全部老化で抜け落ちさせてやろうか?」


俺はポケットに手を戻し、冷たい笑みを浮かべながら一歩前に踏み出した。


「ひ、ひっ……! 撤退! 撤退だ!」

「動けないリーダーたちを置いていけ! 早くしろ!」


三人は武器を放り出し、ヨボヨボになった仲間二人を地面に引きずりながら、命からがら潜水艇へと逃げ帰っていった。

バシャーンと大きな音を立てて、闇の中へ消えていく潜水艇。

俺はそれを追うことすらせず、自分の手のひらを見つめた。残り寿命はもうすぐ1000年。世界の頂点が見えてきた気がした。


読んでいただきありがとうございます!

次回もお楽しみに!

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