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短歌 その5
「人を愛する資格がない」というあなたを私は愛しているの
コンビニで「お弁当を温めますか」質問が優しく聞こえた
この恋はまるで表面張力「涙」一滴でも決まる
君の命にふれた瞬間 芽生えた気持ちの名前を知りたい
君を抱きしめたらキンモクセイの香りがしたから暑くても秋
自由に泣くことすらできない君は乾いた瞳で笑っている
「死にたい」と報告をするぐらいならスマホの電源を切って寝ろ
君との恋は自販機の缶コーヒーのあったかいと同じぐらい
追い詰められた君はナイフを握る 他人を傷つけ自分もまた
優しさを施しだと突き返した君が端っこで震えている
SNSの他人の声を気にするほどの僕は卑怯者だ
私が死んでも日常に変化はないだろうがそれも望みだ
独りで生きたいと言うのに仲良しごっこの他人が羨ましい
誰も見たことのない未来なんかに夢を語っていた遠い過去
君がいれば良かった君だけが必要だったそんな苦い気持ち
どれだけ言葉を飾ったとしても心底に沈む醜い今
不完全な僕には君の人間臭さが正直に眩しい
「死にたい」とスマホで打って今日も生きていることを確認してる
君の言葉は天国のパイプオルガン僕の背中をそっと押す
笑っちゃうだろう? これが君を殺してでも欲しかった答え《正解》だ




