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短歌 その3
君の声で起きる朝は格別だからモーニングコールが欲しい
秋の初めに鳴く蝉たちの絶唱が風に溶けて身に沁みる
恋だの愛だの定義に縛られ続けた僕たちだから笑える
ステージの上で孤独に役を演じるだろうけど僕だけは見る
ちょっとしたことでも「ありがとう」って伝えられるあなたが大好き
一番星を捕まえたいと君は茜空に白い手を伸ばす
明かりのない部屋 傷だらけの君をそっと抱き寄せた嵐の夜
正しくなくてもいい 迷子になりながらでもあなたと進むのなら
初めて会ったのに君の笑顔は僕の想い出に重なっていた
「死にたい」と言う口で息をし続けて生にしがみつく浅ましさ
目玉焼きになるはずの卵は君の手によってオムレツになった
優しさと温もりをカタチにしたらキミになると思う長い夜
君にもできないことがあると知ったことが僕の役割になった
交わした言葉は種子になっていつしか足跡に咲く花になる
あなたには「さよなら」と言って別れない「またね」の続きが欲しいから
あなたにふれた初めての夜、涙が止まらなかった 残る傷に
濡れる肩に気がついたのは雨が過ぎ傘を畳んだあなたの笑み
雨上がり 交差点赤いランプ 命を助ける音が駆け抜ける
シャンプーのボトルを詰め替えるように季節が移り替わった朝
どうしようもなくみじめなくせに手放せない君の笑顔のフォト




