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短歌 その9

傷だらけの手 それでも新しい棘だらけの木瓜の枝をつかむ


カジュアルに「死にたい」と言ってたから本気にしなくて後悔した


室温設定を二十度まで上げても春は来ない枕元


君に逢いたいと思ったときに逢える僕のままでいたいと願う


きっとね 神様が与えてくれたものだから意味があるのだと言う


背ばかり高くなった僕たちは道端で石ころを拾っている


とりあえずビールという合言葉は仕事終わりで疲れた笑い


走っていって追いかけていって息を切らしても君を離さない


切手を貼るような距離にいる君にスマホから連絡はしない


寒い夜はあなたのコートに滑り込ませてコロンの香りがする


あなたは「優しさ」で人を傷つける人 言葉のナイフが舞い散る


「死にたい」と言った君を殺せないほど僕は弱虫で泣き虫だ


「また逢おう」という約束をお守りに千億の絶望を超える


磔になった二千年前の神の子でもわたしを救えない


あなたが好きと言うにはゴミが浮かんでいるコップを隠してしまう


わたしの心臓が止まっても「あなたが好き」と音を送り続ける


lineの星占いすら見ないで過ごしていた毎日に気がつく


軽い死を選びたくなるほどの地の底で這いずっている 光へ


わたしがわたしらしくあるために今日もミニスカートで武装する


君に嘘をついたことはないよ。君が僕を信じていないだけで

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