10/11
短歌 その8
流星群 心が凍るほど寒いからたくさん星がキレイ
月のない夜の海で溺れて息ができないほどのキスがしたい
まだ生きてるよモールス信号みたいに端っこで明滅してる
君の名前を大切に呼ぶ返事がないことはわかっていたんだ
寒いって理由をつけて布団の中で抱きしめあった深夜二時
夜明け前に輝く星の名前は悪魔と同じ輝きすらも
喋り続ける君を黙らせるためにそっと抱き寄せキスをした
街の明かりはにぎやかで道行く人は幸せそうで影を踏む
わたしが死ぬ前に逢いに来て そっと手を取って「生きてくれ」と言って
「これから死にます」と電話してくるぐらいに君が元気で良かった
迎えが来たのならふさわしいクリスマスキャロルが響いている
寒いと淹れたカモミールティーがいつのまにか冷たくなっている
逢いたいって言われた時に時計を見ずに駆けていける人になる
向かい風でも歩みを止めない私は諦めないし屈しない
昨日の続きだけど「明けまして」と君にメールをして朝陽を待つ
北国とは違う雪 広げた傘を叩いていたのに今は粉
独り寝の夢の中で観た君の笑顔は一番輝いていた
帰り道で香りにつられて立ち止まるロウバイが囁いていた
抱きしめた形に変わる柔らかなビーズクッションのような愛
ゆっくりとついておいで泥濘は固めて棘の枝は折っておく




