信念を捨てて勝ち続け
結局、敵襲の可能性を考慮して部屋割りは二人ずつとなった
キャシィとフレイラ
ローレントとソーニャ
やはりキャシィも、口には出さないもののフレイラと一緒にいるのが最も落ち着くらしい
片や世界を滅ぼせる少女
片や堅物のマフィア
……フレイラは『元』マフィアだ
現役ではないし、ローレントのような威圧感もない
そもそもマフィアが肌に合うような女ではない
しかしこのベッド、距離感が近い
フレイラには背を向けているが、そのおかげで彼女の吐息が髪にかかる
「ねぇ……キャシィ……」
「……どうした」
「私たちって……このまま突き進んで良いのかな……」
「何だ、怖くなったか?
お郷に帰りたきゃ帰っても構わねーよ
全て終わったらもう一度見つけ出して殺してやるからさ」
「怖くなんかない……でも、私たちがやろうとしてることって……正しいの……?
これまでも、これからも、たくさん人を殺さなきゃいけない
……他に手段があるわけじゃないのは分かってるけど……」
「正しいかどうかは関係ねーよ
良いか、フレイラ
もしもお前が正義感なんてものに拘ってるならそんなものは捨てろ
自由に生きていくならソイツは足枷にしかならんぜ
正義じゃ飯は食えねーし、弾も刃も防げねー
上っ面で綺麗事ほざいたって、脳天ブチ抜かれりゃ死ぬんだよ
あー、そうだなぁ……生き残りてぇならひとつだけだ
ひとつだけ覚えてりゃ良い」
キャシィは悪戯な笑みを浮かべてフレイラに接吻をする
不意打ち
フレイラは赤面し、もがいた
「……はぁ、仕方ねぇなお前よォ……
キスされたくらいで何真っ赤になってんだ……」
「キスされたから真っ赤になってんの!」
「まあそんなのどうでも良いだろ?
アタシがキスしてやったんだ、そこらの馬糞どもに殺されんじゃねーぞ
正しかろうが間違ってようが、お前は勝ち続けろ」
「……ああ、うん、そうね……風呂に入ってくるわ……」
「一緒に入るか?」
「……私のこと好きなの?
えと……その……肉体的に、とか……」
「お前、さっきから何言ってんだ?」
フレイラは、キャシィには恋愛の概念がないのだと理解して風呂場に向かった




