不可視の恐怖
「───ふぅ───、はぁ───、ふぅ───」
シャワーを浴びるフレイラ
20分ほど浴び続けている
ここ最近風呂に入っていなかった
だから少しでも綺麗にしておきたい
きっと旅に戻れば、また風呂のない生活に戻るだろうから
「───んぅ、ふぅ……何て気持ちいいの───」
「ア"……ア"……ア"……ア"……」
「───ふぇ?」
いきなり呻き声のようなものが耳に入り、シャワーを慌てて止める
「───んんん……ええ、何?」
ドン、ドン、ドン
「ひッ!?」
「ア"……ア"……ア"……ア"……ア"……ア"……ア"……」
ドン!ドン!ドン!
「なななななななななななな何、何これ何なの!?」
「ウガアアアア……グルルルルルルルルルルル」
得体の知れない声と物音
「いッた───!!」
腰が抜けて立ち上がれなくなる
シャワールームを出て様子を確認するなど無理に決まっている
しかしそこで最も嫌な想像をしてしまった
───キャシィがバケモノにやられたかも知れない───
シャワールームの外側にいるということは部屋の中にいるということ
ならば、キャシィと何らかの接触がなければおかしい
「た……助けなきゃ……でも……でも……もし死んでしまってたら……
駄目だ……そんなこと考えたら駄目だ……」
「グルルルルルルルル……」
「ぐぬぬ……駄目だ……私がやらなきゃ……」
ローレントもソーニャも別の部屋にいる
助けを求めることは不可能だ
「くそ、勇気を出して……」
ガタッ
扉を開ける
そこにいたのは───
「……何やってんのキャシィ?」
「驚かそうと思ってな」
「な、何……何言ってんのマジで!
こっちは心臓止まりそうになったんだからね!?」
「おめーがシャワーに時間かけすぎなんだよ!
おら、さっさと出ろボケ!!」
「キャァー!」




