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俺くんは国際交流委員45「トラブル発生!」

エリスの学校生活の対応について、各方面で話し合いがもたれた。

結果は、次のとおり。


・教室のエリスの席は委員長の隣にし、授業中は、委員長がサポートする……やや危険な匂いがする

・国語や社会は取り出し授業をアロハとともに図書室で行う……とっても危険な匂いがする

・その他の学校生活は、俺が担当。英語と日本語を混ぜて会話を行う方が、エリスにとっていいだろうという判断……俺にこの大人の女性の相手が務まるだろうか?


ところで最近知ったのだが、グローバル化に対応するために、我が校では今年から留学生を積極的に受け入れることになったらしい。

俺的には、先にそれを教えてもらいたかった。

暇だと聞いていた国際交流委員が、まさかこんなに忙しいなんて。

エリスとアロハ・委員長にはさまれた時、俺は本当に身の危険を感じた。


その後のエリスの様子なのだけれど、彼女は休み時間になると必ず俺のところに来ていた。

そうして俺と、いろいろな話をしたがった。


その時はたまたまアロハが席を外しており、エリスはアロハの席に座って俺と話し始めた。

エリス「俺くんの趣味は、何ですか?」(英語)

俺「特にありません。暇な時にはスマホを見ています」(たどたどしい英語)

エリス「スマホで何を見ていますか?」

俺「動画を見ています。ボッチの人の日常とかを見ています」

エリス「ボッチ?」

俺「ひとりを好む人です」

エリス「俺くんもひとりが好きなのですか?」

俺「必ずしもそうではありませんが、共感を覚えます」

エリス「私は誰かと一緒にいることを望みます。いろいろな話をしたいです」

俺「たまには俺もそう思います。でも、基本的にはひとりが好きです」

エリス「ひとりでいて、寂しくはないのですか?」

俺「寂しさを感じることもありますが、俺は自由を愛します」

エリス「自由であることはとても大切です。私は自由を尊重します」


非常に硬い会話だと思われただろうが、実際にこんな会話だった。

エリスはとても頭がよく、論理的な思考をする。

それに、日本にとても興味を持っている。

俺が英語を話せたら、もっと深い内容の会話が成立しただろう。


アロハが戻ってきた。

俺はエリスとの会話を終わりにしようとした。

しかしエリスは更に話を続けたがった。


アロハ「そこ、私の席だから」

エリス「今、俺くんと話してる」

アロハ「私の席に、勝手に座らないで!」

エリス「空いてたんだから、誰が座ってもいいでしょ」

アロハ「もう、授業が始まるから、どいて!」

エリス「まだ大丈夫よ」

アロハ「私は、授業の準備をしたいの! だからどいて! 何度言えば分かるの!」

エリス「そんなに興奮しなくてもいいでしょう?」

アロハ「俺くんの隣には、私が座るの!」


あわてて立ち上がり、ふたりの間に割って入った俺だったが、英語で鋭く交わされるケンカに恐れをなし、ただオロオロするだけだった。

アロハが怒ったのを始めて見たので、俺はとても驚いた。

誰かが委員長を呼びに行き、彼女が戻ってきてくれたおかげで大ごとにはならずに済んだが、一触即発の状況だった。

委員長がふたりをとりなしてくれた。


アロハは失ってはならないものを必死に守ろうとしているかのようだった。

一方のエリスも、自分の論理に絶対の自信を持っている。

エリスも何かを胸に抱いているように感じた。


俺には、ふたりの女性が急に大人びて見えた。

自分という存在が確立しており、意志を貫き通す精神力がある。

表面上は、ただ単に席を巡るイザコザだったのだが、そんなことまで感じさせる、ふたりのやり取りだった。


俺には、ふたりがどうしてそこまで意地を張り合うのかがよくわからなかった。

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