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俺くんは国際交流委員24「バニラに夢中❤️」

みんなが乗った手漕ぎボートが、きれいな色の水の上にたくさん浮かんでいます。


悪ふざけして落ちそうな男子。

どちらが早く対岸に着けるか競争してる男子。

複雑な形の沼の奥の方を探検しようと、ボートを進める男子。

ホント、男子ってバカばっかり。


クラスの女子たちも、ボートにかなり興味をそそられていたようでしたが、料金が結構高かったのであきらめてました。

彼女たちは、お土産をたくさん買わねばならなかったのです。

五色沼巡りの後、お土産物屋さんにズーっといてあれこれ物色し、店から出て来る時には抱えきれないほどのお土産を持っている子もました。

戦利品は、部活動の部員たちと顧問の先生、友人、彼氏、家族、などなどに配られます。

私たちも、日本の経済を回しているのです。


私の話題が少ないので補足しておきます。

お土産物屋さんのわきにソフトクリーム屋さんがありました。

私はバニラ味を買い、沼を見下ろす公園のようなところで、下々の者たちが遊ぶ姿を優雅に眺めていました。


こういうのを、睥睨へいげいって言うのでしょうか?

鳥瞰ちょうかん)

俯瞰ふかん

全部違うか?

わかんない。

まーいいや。

とにかく、みんなを上から見下ろしていたのです。


しかし、よくもまー、あんなに無邪気に遊ぶものです。

人は、あんなに無邪気になれるものなのでしょうか?

小学生ぐらいまでならわからんでもありませんが、高校生です。

レベルが低いとしか言いようがありません。

こんな奴ら(失礼)と毎日机を並べて高校生活を過ごしているかと思うと、自分がかわいそうで、情けなくすらなってきました。


なんで遠足に来て、こんな悲しい気持ちにならくちゃいけないんだー! って思ったけど、次の瞬間には、そんなことを考えること自体がムダなことだと悟り、やっぱりアイスはバニラ味よね♡と思いつつ、アイスをペロッとなめました。


立ち直りが早いのが、私の長所です。


アイスは万能の薬です。

人生の良薬です。

私の(いら)立ちをあっという間に冷ましてくれます。

おいしい♡


私の話題がアイスとは、あまりに貧弱な内容で皆様に申し訳ないのですが、これは仕方がありません。

だって、おいしいんだもの。

おいしいものは人を幸せにする。


私は腕の立つ料理人さんを尊敬しています。

だって、みんなを幸せにするんだもの。

私もそういう人になりたい。

いや、なる。

ならなければならない。

それが私の世界征服者としての使命だ!


いい加減アイスから話題を移したいのですが、なかなか移せない私です。

ソフトクリーム屋さんには、バニラ味の他に、チョコ味とミックスがありました。

ミックス派が多いようで、多くの人が、ミックスを食べていました。


邪道です。

くいしんぼうです。

どちらかに決められない優柔不断なヤツです。

たかがバニラ、されどバニラ。

一つの味に集中せずして、この受験戦争を勝ち抜けると思うなよー。と、相変わらずボートを無茶苦茶に漕ぎまわるバカ男子たちに向かって叫びたかったのですが、やめました。

世界征服をたくらむ私に、そんな下品なことはできません。


「行楽地で売ってるアイスに、そこまでの質の高さはないだろー。考えすぎなんだよー」と思ったあなた。

そりゃそうです。

あなたのおっしゃるとおり。

でも、よく考えて。

勉強から解放されすぎてるバカ男子。

それを上から眺め、世界征服を企む私。

その右手に持たれているバニラアイス。

遊歩道の散策で火照ほてった体を冷ますべく、涼しい風にショートボブの黒髪をなびかせ、ペロリとひと口なめる。

この状況が、すでに完成形なのです。

将来の為政者いせいしゃとして、私は下々(しもじも)の者たちを見守らなければなりません。

アイスとともに!


庶民はいかに解放され、いかなるものを好むのか?

それを知ることは、為政者たる私に必要なことであろう。


確かにこのアイスは大味です。

でも、この時、この場所で、この状況で食べるからおいしいのです。

その確認のためのペロリ(味わい)です。


ところで、アイスと言えば、去年山形に行ったとき、鶴岡という所の観光物産館で、だだちゃ豆のジェラートを売っていました。

アイスに関してためらいというものが存在しない私は、さっそく試してみました。

だだちゃ豆とは枝豆のことです。

「枝豆アイス」でいーじゃん、って思いました。

「だだちゃ」は山形の方言ですか?

「枝豆」だと、おじさんたちのビールのつまみみたいでイメージが悪いのでしょうか?


そんなどうでもいいことを考えながら、プラの小さなスプーンで食べてみると、まあまあおいしかった。

多少舌にザラツク感じがあったけど。

私なら、豆をもっと細かく砕いてクリーミーにするな、と思いました。

パパは、「枝豆を甘くしたアイスだ」と、そのままの感想を漏らしていました。


パーカーとパンツの話題に戻します。

私だけ、みんなと違って白のパンツ(ズボンのことだよ)で行ったでしょ?

後悔しました。

家に帰って激しく後悔しました。

白いパンツで山歩きをしてはいけません。

汚れる。

確実に汚れる。

しかも激しく。


選びに選び、買ったばかりのパンツです。

山道を歩いてはあちこちにぶつかり、こすれ、緑色やら茶色やら黒やら(なんで黒だけ「色」が付かないんだろ)、とにかくいろんな色が白を侵食し、柄のパンツなみになりました。

そのうえ、お昼はバーベキューです。

だいぶ年季が入った施設だったので、食べるときに座る椅子が薄汚れてて、しょーがなく、その辺にあった新聞紙を敷いて座ってしまいました。

立ち上がると、新聞記事がお尻に転写されてました。

アロハがそっと指摘してくれたのです。

大丈夫だろうと思った自分が甘かった。

甘すぎた。

反省。


帰りのバスの中、私は人知れず泣きました。

ドライブインの休憩も、帰宅の途中も、遠足のしおりでズーッとお尻を隠してました。


彼に見られなかったかな。

気づかれてないといいんだけど……。

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