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第六十六話 昇格試験

 



 さらに翌日。


 今日は冒険者ギルドにやって来た。

 手紙の通り、ユア達と集まってDランク昇格試験を受ける予定である。



 「申し訳ありません。遅れました。クエスト達成報告をして来ますので、もう少し待ってくれませんか」


 「はぁ。はぁ。すまない。はぁ」


 少し服が汚れている銀髪の女性が話しかけて来る。

 エゼルワイスさんだ。

 ユアもその後ろで息を乱していた。

 

 「全然。大丈夫です。昇格試験が始まるまでまだ15分はありますし」

 

 ホワイトもエゼルワイスさんをチラ見するだけで、すぐに本を読み出したし。


 こっちも怒っては居なそうだ。

 だったら、全然大丈夫である。



—-


 

 暫くし、俺達はアナウンスで呼ばれる。

 そして、全員適性検査で使った待合室に集められた。


 この日Dランク昇格試験を受けるのは10人ぐらいだ。

 少しした後、一人ずつ適性検査を受けた部屋へ入って行くように伝えられた。

 

 遂に昇格試験が始まる。



 Dランク昇格試験第一段階。動作魔力量チェック


 「パシャ。次の人どうぞ」


 入って直ぐ、レンズのついた黒い箱に取られる。

 これで終わりだ。




 Dランク昇格試験第二段階。力チェック。


 次は試験内容は、それぞれが何を出来るのかチェックするらしい。

 イリカと昔に行った事のある、武器を色々試せる部屋に、一人一人呼び出されていく。


 俺は一人でそこへ行く。

 すると、部屋備えつきの人形に出来る全ての攻撃を叩き込めとギルド職員の人に言われた。

 なので、滅茶苦茶攻撃する。


 「常人流奥義「瞬動」「死指」」


 「はい。はい」


 人形に走って近づき、魔力を込めた指をその目に突き刺す。


 何も動かしていない状態から、突然体と魔力を動かす事で相手の不意をつく「瞬動」。

 魔力で強化した指で目付きし、ついでに脳も爆散させて即死させる「死指」。


 この二つを組み合わせるのは、評価が高いと思う。

 どちらも実践だと牽制として使われる事が多いらしいけど。

 というか、ぶっちゃけ人形にやっても何の意味がないが。


 「『光線(レイ)』『束ねた闇(テネブル•レザ)』『範囲融合』『変革:猿』「身代わりの術」「捻挫」「花火」。刀アタック••••」

 

 「はい。はい。はい。はい。はい。はい。はい。はい。はい。はい。はい」




 Dランク昇格試験最終段階。面接。


 最後は面接だ。


 四人ずつ呼び出され、Dランクになりたい理由や何故冒険者ギルドに加盟したのか聞かれるらしい。

 【ランク別昇格試験面接対策マニュアル】という本に書いてあった。


 最終試験が、今始まる。


 「あなた達は何故冒険者になったのでしょうか。鈴木龍さん。お願いします」


 「はっはー!!冒険者ギルドはそんなつまらない事を聞くのかい!?金に決まっているだろう?金だ!金さえあれば家族みんな養える!それだけさ!」


 「はい、素晴らしい考えです。次。楽網つむぎさん。お願いします」


 「なんの権利があってそんな事を聞くんですか?腹立つわぁぁ。逆に何だと思うんです?こんなうら若い乙女がこんな底辺の仕事場みたいな所に来てぇ。大学の入学費を稼ぎながら魔法学の予習をしたい以外あります?それで近所の低脳どもをコケにしたいってだけぇで」


 「はい。分かりました。大空千晴さん。どうぞ」


 「そうですね。一番の目的はやっぱりお金です。ですが、それを稼ぐ手段としてこの職種を選んだのは、直に人の役に立つ仕事というのが大きいですかね。自分は昔森で遭難した事があって。そこで赤い爪を持つヒグマに襲われて死にかけて。それでその時に自分はこう思ったんです。自分がこんな目に、誰か助けてって。だから、冒険者ギルドでランクをあげて、あの強い熊を倒せるようになり、こんな思いをする人がなるべく減らせたら良いなと」


 「はい、ありがとうございます。ホワイトさん。どうぞ」


 「かね」


 「はい。結果は一時間後、ロビーにて掲示されます。その時間の十五分前にはロビーに集合するように」

 


—-



 試験は終わった。

 今は、四人で食堂に来ている。


 「大空さん方。面接はどうでしたか?」


 全員で、昼飯を食べる。

 俺は味噌っぽい物で推定豚肉を炒めたような物を国にしていた。

 

 「自分達はそこそこですかね。ホワイトが少し雑な気もしましたけど。そちらはどうでした?」


 「私は••••普通ですかね。ユアが緊張で、幼馴染を煽る為に昇格したいとか言い出して、私が焦った事以外は」


 「す、すいません!申し訳、熱っ」


 少し青筋を浮かべた女性。

 それに対しユアが頭を下げた拍子に、食べていたラーメン?へ顔を突っ込む。

 これでユアの顔も髪はびしょびしょになった。


 直後、女性が虚空から出したタオルを渡す。

 微妙にすっきりとした顔をしていた。


 「まあ大丈夫だと思いますよ。Dランク昇格試験は最低限の強さとクエスト達成率さえあれば、遅刻しなかった。偉い。合格!!みたいな感じらしいですし」

 

 「そうか、、ふぅぅぅ。助かった、、」


 ユアはタオルで顔を履きながら、息を吐く。


 あとついでに、聞いてみよう。

 こういうのは尋ねるタイミングも中々ないし。


 「そう言えば、ユアにも幼馴染が居るのか。どんな感じ?」


 「え!?大空も気になるのか!?」


 「かなり。この世界だとどういう感じなのかなと」


 想定外の過剰な反応が来たが。

 こういうのを共有して、お互い知り合えてより仲良くなれたら良いな。


 「••••••あ、あの女は嫌いで••••煽って来てウザいし死ねって思うから•••••」


 「き、聞いてごめん。そんな仲の人もいるよね」


 「••••こっちこそすまん••••」


 やってしまった。

 良い感じに話し合えると思ったのに。

 ミスった。


 話を違う所に飛ばそう。


 「あなたには幼馴染とかいますか?この世界だとどんな感じなんでしょうか」

 

 とりあえず、女性にパスしてみる。

 聖女の人だが?


 ちょっと欲を出してもいる。

 チャレンジだ。


 「わ、私ですか?••••居なくはないですが••••もう大体が会わないですかね••••」


 何故が悩みながら、女性はそう言う。

 変な事は行ってないはずだが。

 

 「••••すいません••••もしやですが••••私とも友達になりたいんですか?私達の正体に気がついていますよね?」


 「あ。え。はい。友達になれたらなと」


 そこが勘付かれていた。

 驚きだ。

 

 だが、行けないかな。

 

 「なんて奴だ••••僕が落ち込んでいる間に••••浮気••••」


 「ご、ごめん。それで、駄目ですかね」


 「••••••あの、、そうですね••••私自身は悪くないとは思いますが••••忙しいのと、、少し罪悪感、が••••だから、予めお断りさせて貰います」


 「••••そうですか」


 普通に断られてしまった。

 何だかんだ合計一日ぐらいは一緒にいるし、行けないかと思ったが。

 無理だったか。


 まあ、その辺も個人差ある。

 無理に行くのも迷惑だし。

 諦めよう。


 「こんなこともある」


 「エゼル様は怖いから、友達になるのは辞めた方がいいと思う」


 ホワイトに肩を叩かれ、ユアにこう言われる。

 微妙に慰められていた。

 良かった。

 

 「••••そして友達が欲しいのなら••••ある方を紹介しますよ。新聞を見て貴方に興味を持ったと聞きまして••••少し、パーティに来て貰う事になりますが」


 割と暗い顔で言うエゼルワイスさん。

 友達を紹介してくれるらしい。


 !!!。

 だが、俺は気づいた。

 もしや罪悪感って、あれか。


 「あなたが俺をコネ作りに利用した事に罪悪感に抱いているのなら、本当に気にしなくて良いですよ。自分もあなたを利用している点もあって。だから、そこが問題だったのなら、友達になれたらなと、、」


 これで、ワンチャンいけないだろうか。

 無理だったら、今度こそ諦めよう。

 紹介もしてくれるらしいし。


 「••••••そうですね••••」


 「め、迷惑かけて申し訳ないです。嫌なら本当に断って頂いても結構で••••」


 「••••では、少々考えさせて貰っても良いですか?」


 「全然。全然良いですよ」


 微妙な感じに落ち着いた。

 まあ、失敗したら失敗したらで、仕方ない。

 あの断り文句が濁しただけの物だったら、俺は相当迷惑な奴だし。


 だが、行けないかな。

 多分あれであっているはず。



——




 「••••ようやく、試験結果が張り出されましたね••••」


 「結構時間かかりましたね。何かトラブルでもあったんでしょうか」


 「大空から聞いたぞ!面接、相当やばかったらしいな!落ちる時は一緒だぞ!」


 「••••そう。たぶんおちない。ほかはもっとひどい」


 試験官の内の一人がやって来た。


 そして掲示板に、合格者の番号が張り出される。


 「セーフだったぞ!僕の番号もあるぞ!ふはは!余裕だな!僕にかかれば。」


 「全員セーフか。良かった」


 「••••全体としては九割合格ですか••••難易度はそこまでと••••」


 試験結果としては、四人全員合格だった。

 やったね。

 色々全部も取れた。


 

 





 

 


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