大侵攻タイム 4
中央軍。
一番の激戦区にて。
「死ね!『計画』の魔王め!」
戦車に一人で乗り、魔王に突っ込む近衛兵がいた。
彼は戦車を魔力で強化し、周囲の魔人族を引きながら進む。
皇帝と斬り合っていた魔王は、彼に気がつく。
「、、「戦車」の鈴木か。面倒な気はするな。俺様の能力を拝見させてやろう」
「はっはー!鈴木!よく来たな!魔王の血は何色だ!殺させろ!」
魔王は両手斧で切り掛かってくる皇帝と大剣で打ち合う。
そんな中魔王の大剣は、能力によって光を纏う。
そして、大剣で皇帝に切り掛かる。
「俺様の能力は『希望』。気合いを出せばなんでも出来る気がする能力。邪魔だ貴様ら、どけ!!」
「なん、だと。『計画』の魔王め、、」
皇帝の斧と大剣が接触した瞬間、大剣から凄まじく巨大な爆発が起きる。
爆発により、斧でそれを受けた皇帝が凄まじい速度で吹き飛んでいく。
戦車は丸々消し炭となっていた。
「そして俺様は『計略』の魔王だ。発音が難解といえど二度と間違えるな」
「はっはー!鈴木死んだ!羨ましい!お前は殺した人の数を覚えているか!はっは!俺は覚えている!2306人だ!つまり常人の2306倍の価値があるか!はっはー!「変異」!」
魔力が溢れ出した皇帝。
そして、彼の頭には魔力で出来た王冠が生える。
「、、戦争初期から全力だな。様子見が定石だろう」
「はっはー!雑魚共もついでに死ね!我が帝国兵よ!私を見本とするのだ!多く殺したもんがち!」
こう叫んだ瞬間、皇帝の周囲の空間が歪んだ。
その歪みは、凄まじい勢いで「空間」から「空間」に伝染していく。
半径数キロが捻れる。
その辺で帝国兵と戦う弱い魔人族も大量に巻き込んでいた。
「人類連邦帝国はこれが皇帝で大丈夫なのか?『光る希望』」
魔王の体が、一瞬光になる。
瞬時にはるか上空に移動していた。
捻れた範囲からは脱していた。
「少し『変異』。『希望の魔王の大剣』」
背中に羽の生えた魔王。
彼は光と闇半々を大剣に纏わせ、奥の帝国兵に向けて振るう。
巨大な剣圧が、奥の帝国兵に迫る。
「はっはー!!!守れない奴らすまんな!はは!」
捻れていた「空間」が一瞬で元に戻り。
次の瞬間、皇帝をまた軸として「空間」が歪む。
今度はその歪みが、空に向けて広がっていく。
「はっはー!!そう言えば今言ったな!私が皇帝で大丈夫かと!私には権限がないから問題ない!ゆえに自由!幾らでも殺せる!」
「空間」の歪みによって、剣圧は防がれた。
その間にも、空飛ぶ魔王に何機も戦闘機が迫る。
「そうか。解除、『希望の殲滅』。楽しそうで何より」
魔王は手から大量の光を放ち、戦闘機を攻撃する。
一部強者の乗る戦闘機以外は、光に当たり墜落していった。
「おら!雑魚は死刑!はっはは!!責任ない故に俺は自由!正義の大義名分で殺せる!我が娘はまた違うがな!はっはー!超はそれが分かっちゃいない!」
同じく「変異」を解いた皇帝は、その間に弱い魔人族を大量に斧で切り捨てていく。
凄まじい笑顔を浮かべていた。
——
左軍からそこそこ離れた、フロイアレ独立国内。
小さな村にて。
黒い瞳を持つ少年が倒れた木に座り、何かを眺めていた。
「はは!弱いからこうなんだよ!俺という『災厄』受ける!子孫繁栄してやろうか!」
「おいおい!田舎もんのブスばっかでもあそこの奴マシな顔してんじゃねぇか!はっは!」
「••••••、」
少年の目の前には、弱い村人をなぶる青年達がいた。
彼らはこの村にいた女子供で色々遊んでいた。
これを見て、少年は頭を抱える。
すぐ青年達は女子供を追いかけ、視界から消える。
暫くし、村が静かになった。
「•••••ん?なんだ?」
直後、少年の視界に40代ぐらいの男性が入る。
太陽のように赤い瞳を持つ男性だ。
男性は焦げた首を手で持っていた。
「弱かったな。これが貴様の孫か?」
その男性はリーダー格の青年の首を投げ捨てる。
これを見て、少年は目をまん丸にした。
「うまい!うまい!絶対上流階級!!さいのうにあふれてる!分けてあげる!」
更に、他魔人族を食べる女性も追加で歩いてくる。
彼女は死んだばかりの新鮮な肉を生で行っていた。
少年は更に目をまん丸にする。
「••••なんて事、、」
「•••••••••」
「愛しい愛しい我が孫、、才能があった、、ワシも愛したというのに、、ただ、精神が駄目だったな。こうなって当然!」
少年は頭を上げ、男性を見る。
凶悪な笑みを浮かべていた。
「厄災を齎す意思さえあればいい!貴様は何もかも中途半端!性欲も!支配欲も破壊欲も!そんなものは要らない!!『変異』!!」
少年から魔力が溢れ出す。
そして魔力が固形化していき。頭から黒いツノも生え、全身も黒いもので纏う。
結果、巨大な黒い化け物になった。
転がっていた孫の首を蹴り飛ばす。
「朕も「変異」だ。私の復讐のため、『災厄』の魔王、アムフランよ。貴様の生命、俺が使う」
「魔王だ!本当に魔王!生まれから高貴な魔王!くいたい!!まず生でくいたい!「変異」!!」
男性から魔力が溢れ、頭が鳥のものに変わる。
隣にいる女性からも魔力が溢れ、全身がワニのようなライオンのような名状しがたい魔物に変わる。
「この世は無限の輪廻!敵の幸福の総力を減らし!味方の幸福の総力を増やす!無理でもそんな世界こそワシは愛している!ゆえに総量を減らす!」
「そうか。俺は興味がない。死ね」
「くわせろ!!絶対旨い!頂きーーーます!!!」
———
帝城1の方にいた殿下。
忙しい中、一通の電話が来る。
「なんじゃと!元『災厄』の魔王を捕らえたのじゃ!?」
太陽三世の弟が、部下と協力し帝国に侵入した元魔王を捕らえた。
そんな方向が来た。
殿下はテンションが上がっていた。
この辺は自分の功績だった。
「やったーなのじゃ!!これはデケーのじゃ!太陽三世!よくやったのじゃ!わしの為によく働いてくれたのじゃ!」
「大戦果でなないか。戦局に与する、帝国においても殿下においても利益のある戦果。元魔王を捕まえるのは難度が高いだろう」
「太陽三世さーんは、殿下の連れてきたー帝国外の戦力ー。凄まじく大戦果ー」
他にも執務室にいた作戦会議メンバーも、軽く盛り上がる。
うぇーいという感じは少しあった。
「利用価値のある捕虜を作れ、貴方様のお父上もお母上も喜ぶでしょう。ワタクシの王子様も喜ぶかと」
「お前に言われるまでもないのじゃ!千晴の功績はわしの功績!わしの功績は多少千晴の功績!絶対喜ぶのじゃ!」
「そう言えーば、殿下ー。母上ーはいないーんですか?殿下ーの母となった相手ならー、戦力になる程度にーは、強ーいでーすよね」
「なんじゃ知らんのか。わしの母は高齢での寿命で死んだわ。強者故の魔力による補正で高齢でもわしは産めたが、その先のわしらの世界には着いて来れんかった」
「怖ーい。違うー世界」
犬耳の少女は首を振り、手で分からないみたいなジェスチャーもする。
それを無視し、殿下は笑顔を浮かべた。
「皆のもの!もっとわしの為に功績をあげるのじゃ!わしに付けば名誉も名声も全てを与えるのじゃ!」
「イケイーケ。わたーしにも下さーい」
この裏では、帝城の窓に映るビル群が全て斬られ、斬られた上半分が地上に落ちていっていた。
帝城の上部も斬られ、崩れていく。




