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199.瓦解  1

この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。

俺と馬三娘(マー・サンニャン)が爆破で断ち切られた排水溝《はいすいこう》に身を投げ込んだとき、最初に感じたのは痛みじゃなかった。


静寂だった。


外が本当に静かになったわけじゃない——さっきまでの爆発、衝撃、怒号、崩落、銃声、そしてあの邪心《じゃしん》が断末魔に痙攣《けいれん》する音の連続で、耳が分厚い綿に詰め込まれたみたいに鈍《なま》ってしまっていた。口の中は灰だらけで、鼻腔《びくう》には血と軽油と線香の灰と焦げた布の臭いが混ざり合い、肺に一息吸い込むたびにサンドペーパーを飲み込んでいるような感覚がした。


俺は最初、うつ伏せのまま動かなかった。


格好つけてたんじゃない。マジで起き上がれなかっただけだ。


左肩の被弾箇所がまだ熱を持っている。焼けた鋲《びょう》を肉の中に埋め込まれたような熱さだ。肘《ひじ》、肋骨《ろっこつ》、膝——ぶつけられる場所はさっきの撤退で全部ぶつけた。泥の中に顔を埋めて二度息を吐いてから、ようやく頭を持ち上げた。


排水溝は深くない。せいぜい胸の高さで、縁は爆風で崩れた砕けた土と枯れ草だらけだ。頭上の空は照明弾、炎、そしてナチスの祭壇が崩壊する際に舞い上がった灰霧に切り刻まれ、白、黄、赤のどれも濁った色に染まっている。溝の外十メートルも離れていない場所で、工業的な外殻を纏《まと》ったナチスの祭壇がまだ崩れ続けていた。


普通の建物が崩れ落ちるような、ただ下に倒れ込む崩壊じゃない。


脊椎《せきつい》を断ち切られてもまだ死を拒む犬のように、外殻が先に崩れ、内臓が続いて翻《ひるがえ》り、鋼架が内側へ絞り込まれ、ケーブルが外へ抽《ひ》き出され、鉄板、骨組み、薬莢《やっきょう》の破片、灰黒色の熱霧が四方八方へ噴き出していく。爆発して終わりじゃない——崩れながら、制御不能《コントロール・アウト》を撒き散らし続けている。一区画崩れるたびに、外のドイツ軍の火力網が一段乱れる。


馬三娘が隣に降り立った。俺より早く立ち上がる。


借り物のその体は、今やもう生きた人間には見えなかった。顔が変わったわけじゃない——全身が、この時代に属さない凄みの上に張り詰めているんだ。葉 綺安(イェ・キアン)の外套の裾《すそ》は泥と灰でぼろぼろに削れ、頬には破片が掠《かす》めた血の筋が走っている。だが彼女が体を起こしたときの揺るぎない佇《たたず》まいは、刑場から下りてきたばかりで、まだ刃が熱い——そういう安定感だった。


ナチスの祭壇の方を一瞥《いちべつ》し、冷たく吐き捨てた。


「まだ痙攣している。」


俺は溝の壁に手をついて座り直し、鉄の味がする痰《たん》を吐き出した。


「全部ぶっ刺してやったんだ、痙攣くらいするだろ。」


「死にぞこないはみんなそうよ。」彼女は手の甲で口元の灰を拭《ぬぐ》いながら、目は外に向けたままだ。「穢《けが》れが深いほど、死に切れない。」


俺は彼女の視線を追った。


そして分かった——彼女が言っているのはナチスの祭壇のことじゃない。


ドイツ軍のことだ。


外周を固めていた火力網が、本当に崩れ始めていた。


最初に乱れたのは機関銃だった。


左前方のハーフトラックがまだ泥道の脇に傾いて止まっている。機関銃座の射手はまだ座っており、銃も構えたままだ。だが、さっきまであれほど腹立たしいほど整然としていた点射のリズムが消えていた。打てないんじゃない——手と目の連携の仕方を、奴が突然忘れてしまったかのようだ。長い一連射が飛んでいくが、半分は空へ、半分は地面を削り、最後の数発だけが歪《ゆが》んだ軌道で俺たちの頭上の崩れた壁を掠めた。


続いて歩兵だ。


土嚢《どのう》の後ろからドイツ兵二人が飛び出し、ナチスの祭壇の西側へ補充しようとしている。走りながら、一人がよろめいた。泥濘《ぬかるみ》に足を取られたように見えたが、足元に窪みなどない。次の瞬間、俺には見えた——奴の右脚のズボンとゲートルが、白い霜に舐《な》められたように足元から灰色に変色し、上へ向かって広がっていくのが。奴自身も気づいて足元を見下ろした瞬間、動きが乱れた。隣の仲間が手を伸ばして肩を掴もうとしたが、触れた瞬間に肩の布地と皮膚が一緒に裂けた。


爆発じゃない。


乾裂《かんれつ》だ。


干上がった泥が、触れただけでひび割れるように。


「見応えがあるだろう。」馬三娘が隣で淡々と言った。「外殻が先に散り、次に形が崩れる。奴らを支えていた心が止まれば、借り物はすべて一つずつ返さねばならない。」


胃の底が冷えた。


だが、戦場では長く見ていると感傷より先に計算が動く。


俺が計算したのは時間だ。


ナチスの祭壇が本当にドイツ軍の外周火力網全体を歪めたなら、神崎忠明《かんざきただあき》、ジャック、林 雨瞳(リン・ユートン)の方でもすでに感じているはずだ。問題は、それが自分たちの幻覚じゃないと確認するのに、どれだけかかるかだ。ドイツ軍の偽退却じゃないか、もっと大きな罠の前触れじゃないかと疑う時間が必要だ。


外の二人のドイツ兵は長くは持たなかった。


一人は腕から銃を落とし、皮膚が剥《は》がれ、上半身全体が前へ崩れ落ちた——鎧《よろい》の中から突然人間が消えたように。もう一人は粘り強く、仲間を引きずって後退しようとした。だが二歩下がったところで、背後のハーフトラックの射手が前のめりに倒れ、ヘルメットが銃架に激突して動かなくなった。車の傍の工兵が振り返って状況を確認しようとした。その顔に浮かんだ表情は、初めて命令でも手順でもない何かだった——教範《きょうはん》にこのページが存在しないことに、ようやく気づいた顔だ。


次の瞬間、ハーフトラックのエンジンが自分で乱れ始めた。


回転数が急上昇と急降下を繰り返す——遠くから誰かがアクセルをもてあそんでいるような音だ。車体が激しく揺れ、排気から黒煙が大量に噴き出す。右側の履帯が空転して二周し、車体全体が傾きながら壕《ごう》の縁へと滑り込み——止まった。


壊れた止まり方じゃない。


自分が車であることを、突然忘れたような止まり方だ。


俺は溝の壁に背を預けて息を整えながら、思わず口から出た。


「クソ、いい仕事しやがったな。」


馬三娘が横目で俺を見た。


「まだ口が動くのか。」


「じゃあ泣けばいいのか。」


彼女は——笑った。


鼻で、短く。


「それも要らない。貴様が泣いたところで、たいして値打ちもないだろう。」


この一言が、俺に少し息を吹き返させた。


面白かったからじゃない。体が半分バラバラになりそうなとき、隣でこういう口調で話せる奴がいるということは、まだ最終章じゃないという証拠だからだ。


だが、ナチスの祭壇はまだ暴れていた。


内層の核心が崩壊した後、灰黒色の熱霧は弁《べん》を失ったように外へ流れ続け、外殻の亀裂、床の隙間、ケーブルの溝、泥地を伝って四方へ広がっていく。ナチスの祭壇に近いドイツ軍ほど早く崩れていくが、少し離れた位置にいる者たちはまだそこまで崩れていない。ただ、全体のリズムが完全に狂っている。


そこが一番危険なんだ。


死にかけの敵は、殺せないわけじゃない。


そう思った瞬間、右上方の崩れた壁の向こうで銃声が響いた。


乱射じゃない。狙った一発だ。


弾が排水溝の前縁を打ち、泥が俺の顔に直撃した。即座に全身を縮め、右手でサブマシンガンを引き寄せ、銃口を今の銃火の方向へ向ける。


「まだ崩れていない奴がいる。」俺は低く言った。


「当然いる。」馬三娘は全く驚かない。「外周の火力網がどれだけ崩れても、一息で全滅はしない。遠いほど、硬いほど、後方にいるほど、もう少し持ち堪える。」


右前方を細目で確認した。


崩れた壁の後ろに、案の定一組のドイツ軍が陣取っていた。三人、機関銃一挺、観測手一人、弾倉交換手一人。さっきの工兵や歩兵よりナチスの祭壇の外周から離れているため、反噬《はんぜい》に直接舐められていない。問題は、奴らの位置が絶妙で、俺たちが排水溝からさらに北西へ撤退する経路をちょうど塞いでいることだ。


そして今の俺たちの位置では、これ以上伏せていたら本当に死体になる。


銃機《じゅうき》を引いて、弾倉の残弾を音で確認した。思わず悪態が出る。


「クソ、いつも弾倉一個分足りない。」


「足りないのは弾倉じゃなく、命よ。」馬三娘が淡々と返した。


「こういうときだけ正直になるな。」


彼女は答えず、代わりにわずかに耳を傾けた。何かを聞いているようだった。


聞こうとした瞬間、俺にも聞こえた。


近くじゃない。


遠く、バストーニュ市街の方向から——それまでずっと密に噛み合っていた火力軸に、明らかな空白が生まれていた。


まず88ミリ砲が一門、沈黙した。


続いて、迫撃砲群が本来接続するはずだった修正射が来なかった。


さらに次の瞬間、大通りの奥からパンター戦車のエンジン音が、低く安定した唸りから不吉な空回りの叫びへと変わった——それまで確かな足取りで前進していた獣が突然一本足を抜かれ、それでも同じ姿勢で歩こうと無理をしているような音だ。


心臓が跳ねた。


ドイツ軍が弱くなったという事実そのものに対してじゃない。


これが意味するのは、崩乱《ほうらん》がもうナチスの祭壇周辺の数十メートルに留まっていないということだ。


外周の火力網全体へ、伝播《でんぱ》し始めている。


馬三娘も聞いていた。口の端が薄く吊り上がる。


「街の縁まで届いた。」


「何?」


「妾《わらわ》の刀意《とうい》があの主樁《しゅそう》を伝って下りていった。ここだけを揺らしているんじゃない。」彼女の目はまだ遠くを見ている。「お前たち現代人は何でもシステムと呼びたがる。ならそれでいい——主樁が断たれた、システム全体の圧が落ちている。」


血の味がする息を吐きながら、俺は言わずにいられなかった。


「覚えるの早いな、このじじ……老鬼が。」


「貴様と違って、同じ愚かな話を三度も聞かされる必要はない。」


上の機関銃組が再び火を開いた。


今度は火線がさらに低く、弾は排水溝の上縁を文字通り梳《す》くように飛んでくる。俺は溝底に沿って転がり、泥水と砕けた雪が首の後ろから入り込んだ。機関銃が止んだ直後、手榴弾が一発放り込まれてくる。角度が足りず、溝の縁の草むらに当たって外へ転がり戻り、轟音《ごうおん》と共に崩れた壁から土煙を上げた。


その一瞬に乗じて銃口を上げ、三発返した。


一発は高く、一発は壁を削り、三発目は当たったらしい——機関銃が半拍止まり、短いドイツ語の罵声が上がった。


だが、半拍じゃ足りない。


後方の予備がすぐ補充に入った。


「駄目だ。」俺は低く言った。「このまま引き延ばしたら、あの機関銃に釘付けにされて終わる。」


馬三娘はすぐに答えなかった。


代わりにナチスの祭壇の方をもう一度見た。


呪術核心が崩壊した後、あの施設はもう拠点じゃない。地底へと沈んでいく火葬坑《かそうこう》だ。外殻が崩れ、骨組みが翻り、灰霧と炎が混ざり合って濁った汁になり、周囲ではまだ散り切れていないドイツ兵が乱れて退き、乱れて撃ち、乱れて叫んでいる。だが彼女が見ているのはそれじゃない。彼女は拍子《ひょうし》を探していた。


数秒後、彼女は言った。


「十息《とおいき》待て。」


「十息で何が起きる。」


「あの機関銃組。」瞬き一つしない。「十息後、隣のハーフトラックが先に崩れる。火線が途切れた瞬間が、抜け道になる。」


命数《めいすう》を秒針代わりに使うなと言おうとした。


六息目に、ハーフトラックが動いた。


前進じゃない——横へ、丸ごと沈み込んだ。


下の泥が突然空洞になったように、車体が傾き、右側の履帯が一周分ごと千切《ちぎ》れてパキパキと連続して断ち切れ、車体全体が壕の縁へと崩れ込んだ。それに引きずられて機関銃座の角度が完全にずれ、火線が一気に上へ逸《そ》れ、俺たちの頭上を刷毛《はけ》で払うように通り過ぎた。


一言も無駄にしなかった。体を起こす。


「行くぞ!」


馬三娘と同時に排水溝から飛び出した。


左肩に力を入れた瞬間、鈍い刃で内側から横に切られるような痛みが走った。だが、こういう場面では痛みというものは下賤《げせん》なもので、優先順位の最下位に叩き落とすしかない。俺たちは崩れた壁と外周の果樹の間の泥の帯を北西へ向けて走った。後方の機関銃組が銃口を転換しようとしたが、ナチスの祭壇がまた内爆式の崩落を起こし、灰霧と鋼架の破片が一斉に外へ噴き出して奴ら全組を乱射に追い込んだ。


走り出して二十メートルも経たないうちに、遠くバストーニュ方向で、見慣れない火線が一条《ひとすじ》光った。


ドイツ軍じゃない。


リズムが違う。より直線的で、より急いでいる。


最初の連射が俺たちの右前方の倒木の後ろに直撃し、そこから頭を出そうとしていたドイツ兵歩兵二人を押し返した。続いて二射目がさらに左から補い、崩れた壁と泥道の接続部を角度を交差させて封じ込める。乱射じゃない——誰かが、俺たちのために道を切り開いてくれている。


心臓が跳ねた。即座に火線の発生源へ目を向ける。


遠く——灰霧と炎と、まだ散り切れていない照明弾の残光を透かして、見慣れすぎて悪態をつきたくなるほどの二つの輪郭が見えた。


一人は背が高く、わずかに前傾し、世界そのものに喧嘩を売っているような構えで銃を撃つ。


ジャック。


もう一人の動きはより短く、硬い。体全体が前へ打ち込まれた鉄杭のようで、射撃が止むと即座に前へポジションを移し、一切の無駄がない。


神崎忠明《かんざきただあき》。


危うくその場で笑い出すところだった。


ロマンチックだからじゃない——この二人のクソ野郎が、本当に来やがったからだ。


さらにその後方には、実体化した日本軍地上部隊の残存兵が数名、住宅街の外縁に沿って圧力をかけていた。火力は多くないが、一発一発が確実だ。大部隊による救援じゃない——バストーニュ市街の縁から、命懸けで引き裂いて作った一本の接応線だ。ここまで送り込めたということは、市内のどこかで誰かが命と引き換えに窓口を開けたという証拠だ。


ジャックも俺を視認したらしい。


右側へ点射をばら撒きながら、煙と炎越しに怒鳴ってきた。


「周 士達(ジョウ・シーダー)!まだ走れるなら、墓標みたいに突っ立ってるんじゃねえ!」


喉の中は灰だらけだ。それでも歯を剥《む》き、怒鳴り返す。


「テメェの援護があと一分遅かったら、マジで墓石が必要になってたぞ!」


ジャックは実にあっさり言い返す。


「うるせえ!さっさと這《は》って来い!」


隣の神崎忠明は一言も余計なことを言わない。ただ黙ってもう一連射を加え、俺たちの前方に残っていた最後の崩れた壁の隙間を、きれいに掃除してくれた。こいつのスタイルは、持っている刀とそっくりだ——斬るべきときに斬り、無駄に熱くなることはない。


馬三娘(マー・サンニャン)は、隣でその救援の火線を眺めていた。その瞳に、ようやく「まあ多少は見られる」という色が灯る。


「お前たちの側にも、白飯の無駄遣いじゃない奴が何人かはいるようだな。」


肩で息をしながら、俺は口の端を持ち上げた。


「これで俺が普段どれだけ苦労してるか分かったろ。」


彼女は鼻で笑う。


「分かったわ。半死半生の連中を引っ張るのは、確かに人の尻拭いよ。」


言い返そうとしたところで、遠くから重い轟音《ごうおん》が響いてきた。


近距離の音じゃない。


もっと遠く、水面を渡ってきたような重さのある爆音だ。


Lac de la Haute-Sûre方面——。


山口多聞《やまぐちたもん》の方でも、窓を捉えて外周のどこかの重火点を叩き落としたのだろう。その音が鳴り響いた瞬間、背骨の芯が一瞬だけ軽くなるのを感じた。飛龍号《ひりゅうごう》の姿は直接見えなかったが、高空を短く掠《かす》めた冷たい光が雲の裏を切り裂き、この腐り切った街全体に「精算済み」の印を押していったように見えた。


ジャックの火線がこちらを押し上げてきた時点で、ここが感傷に浸っている場合じゃないのは分かっていた。


走る。

「とても面白い」★四つか五つを押してね!


「普通かなぁ?」★三つを押してね!


「あまりかな?」★一つか二つを押してね!

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