165.生配信 6
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
第三塔の塔心は、一号と二号とは少し違う。前の二つは鐘楼に邪悪な構造を無理やり詰め込んだような造りだったが、三号は海に面しているせいで、船骨や索桁、湿った塩の殻みたいな素材が内部に多く混じっている。中心の主脊は純粋な木でも鉄でもなく、塩と骨と錆と、何か黒い樹脂で一緒に漬け込まれたみたいな代物だ。それがまだ動いている。大きくじゃない。微かに、ひくひくと痙攣している。喉に刃を刺されても、まだ飲み込もうとしているみたいに。
あれが生きている限り、塔はまだ少しだけ持ちこたえる。
だから次は三層に上がるんじゃない。心臓を抜く。
「神父、修女、塔心の位置を出してくれ」俺は言う。
一号塔の方が数秒沈黙した。それから神父が返す。
「見つけた。まだ海側の吊り鐘の残響を借りてリズムを維持してる」
「なら残響を奪え」
修女が低く補足する。
「そちらの風が要る。海霧を三秒だけ下へ押し込んで」
ヴィクトリアがすぐ返す。「できる」
俺は素早く繋いだ。
「全線注意、塔心抜去プロセスに入る。投石機は海側の残鐘支架を狙え。神腕弓は塔心前護架に集中、深くは撃つな。床弩、残弾は?」
K7が代わりに答える。「二発は確実、一発は運次第」
「十分だ。二発とも塔心の下脊へ。貫通は要らない、亀裂を入れろ」
「高価なものを使い捨て扱いするのが本当に好きだな、お前」
「俺自身、今日まで使い捨て前提で生きてきた」
「……まあ、筋は通ってる」
「馬三娘、外輪はもう詰めなくていい。退路だけ完全に塞げ。塔の裏から海へ飛び込んだやつは、先に撃て。死んでなければ補え」
「了解」彼女は言う。「今夜は一欠片たりとも海に落とさない」
「エリザヴェータ、塔心上縁の最後の観測肋、頼む」
「ようやく、高所で風に吹かれておる妾のことを思い出したか」
「まだ落ちてなかったから」
「それは遺憾なことじゃのう」
俺は三つ数えた。
ヴィクトリアが海霧を一層、丸ごと下へ押し込んだ。その動きは見事だった。見えない巨大な手が、夜の汚れた綿布を海面に向かって押しつけるみたいに。海側の残鐘支架、塔心前護架、上縁の観測肋が、その三秒の間に全部裸になる。
「撃て」
投石機の一発目が残鐘支架を直撃し、とっくに半分割れていたその鐘を丸ごと吹き飛ばした。鐘がずれた瞬間、神父が即座に拍を切り替え、修女が短震を重ねる。第三塔の塔心のリズムが、その場で一拍、完全に空白になる。空白が生まれた瞬間に、床弩の一発目が到達した。床弩と呼ぶのが正しい音がする。背後で誰かがベッドの骨組みを引き剥がしているみたいな轟音だ。巨大な矢は塔心を貫通はしなかったが、下脊に深く食い込み、黒光りする主脊に長い亀裂を引き裂いた。
「二発目」
また巨震。
二発目はわずかにずれたが、そのずれ方が絶妙だった。最初の亀裂の脇から、もう一口噛み込む。塔心の主脊が今度は本当に音を立てた。獣の咆哮でも幽霊の叫びでもない。大きな構造物が、自分の終わりをついに認めた時に出す、あの砕け方だ。建物全体が歯を食いしばっているみたいな軋み。
エリザヴェータはほぼ同時に終わらせていた。最後の観測肋が断ち切られ、塔心の上縁は完全に視界を失う。中に残っていた連中は、外の様子すら見えなくなった。聞こえてくるのは、人間と死神と古い軍勢と、本来同じ場所に存在するはずのないものたちが、段取りどおりに奴らを送り出している音だけだ。
「内部、半層退け」俺は言う。
先頭隊は迷わず、二層から一層へ半分下がった。塔を倒すと分かっているから。
「外線、最終圧縮」俺は言う。「投石機、神腕弓、床弩残弾、ロケット弾、燃燒瓶、全部を塔心前段と海側根部へ。シュトゥルムシュライターは半ブロック前進、盾を上げて飛散を受けろ。K7は第二線の掩体の後ろへ退け、記念碑になるな。馬三娘――」
彼女が俺の後半を引き取った。
「岳家軍、全線一ブロック退いて外周封鎖」
「そうだ」
これが最後の一撃だ。
中へ突っ込むんじゃない。中に残っているものは全部そのままにして、荷重とリズムを一緒に叩き折る。第三塔みたいなものは、中の何体を殺したかは問題じゃない。「塔」としての資格を失わせることが、すべてだ。
外線の火力が、一斉に降り注ぐ。
投石機の最後の二発が塔心前段に続けて叩き込まれ、神腕弓の一列が亀裂の周囲に釘を打ち続け、ロケット弾が内部の残肋を橙色に染め上げ、燃燒瓶が両側から放り込まれて、黒い樹脂と塩骨に沿って炎が内側へ這い上がっていく。一番えげつないのはリズムだ。神父と修女はもう細かく切り込まない。一号塔から奪った割れ鐘の余震を、今度は粗暴な道具として使い、すでに亀裂の入った歯車を大鎚で叩き続けるみたいに、一撃ずつ打ち込んでいく。
第三塔は、まず海側へ一瞬縮んだ。
それから塔心の主脊が、ついに折れた。
その瞬間、世界が突然静かになった。
音がなくなったんじゃない。全ての音が、同じ瞬間に軸を失っただけだ。そして次の一秒で、第三黒ミサ塔が内側へ向かって崩れ落ちた。海側の外殻、上層の肋架、鐘の残骸、吊り鎖、黒布、白衣、死体架、まだ完全には死にきっていないものたちが、全部まとめて中心へ巻き込まれていく。自分自身を食い尽くす穴みたいに。外層の残肋が四方八方へ爆散し、シュトゥルムシュライターが掲げた前盾に叩きつけられ、両側のバリケードと空になった街路に降り注ぎ、さらに多くの破片が、風で押し下げられた海霧の中へ直接落ちて、最後の形すら残さなかった。
塔は消えた。
廃墟の高塔として倒れたんじゃない。「塔」という形そのものを失って、ただ燃えて、煙を上げて、もはやいかなるリズムも指揮能力も持たない黒い残骸の塊だけが残った。
耳機の中がまず静まり返り、それから各線からの報告が入り始める。
「外輪、維持」
「海側、大規模脱出なし」
「二層先頭隊、回収完了。損害は許容範囲内」
「高位節点、全喪失」
「塔心、活動停止」
俺はすぐには答えなかった。
双眼鏡で残骸の塊を左から右へ、また右から左へと舐めるように確認する。二次的な支脊が頭を持ち上げていないか。偽装崩落じゃないか。どこかの外牽がまだひっそりリズムを維持していないか。ない。本当に終わった。
俺はそこで初めて耳機を押した。
「全線注意」俺は言う。「第三黒ミサ塔、完全無力化を確認。岳家軍は外周封鎖を十分間維持、その後エリア別掃討に移行。神腕弓は高所の残敵を処理、大盾手は街路掃討、長柄手は遺体を補え。主残骸の中心には近づくな。まず燃やして、それから突いて、それから解体する。今日は記念品の持ち帰りを禁止する。持ち帰ったやつには報告書を書かせる」
K7が最初に返した。
「安心しろ。あんなものを家に飾りたいやつは、ここには一人もいない」
「それでいい。長く生きてる人間は、だいたい審美眼がまともだ」
ヴィクトリアの声が、少し軽くなった。
「風、もう収めていい?」
俺は海を一度見た。
さっき押し下げられた霧が、また広がり始めている。でも今回は、霧の中から塔も吊り鐘も外牽骨格も顔を出してこない。燃え残った残骸の赤い光だけが、海辺を照らしている。ちょうど、見た目の悪い手術が終わった直後みたいに。
「収めろ」俺は言う。「マルセイユは今夜もう十分醜い。余計な照明はいらない」
彼女が微かに笑い、それから風が少しずつ引いていった。
塔冠でようやく誰かが動いた。
望遠鏡を下ろして振り返ると、クレールがまだマイクを持ったまま、急いで差し出してこなかった。俺が思っていたよりも賢い。こういう場面を本当に見た人間は、大抵分かっている。邪塔を崩し終えた指揮官は、即席コメントを取るための相手じゃないということを。
市長の顔色は、自分で署名した書類を丸ごと飲み込んだ直後みたいだった。カメラマンはまだ撮っているが、レンズはもう俺にあまり近づこうとしない。それでいい。人間が怖さを覚えるのはいつも遅すぎるが、覚えないよりはずっとマシだ。
俺は再び遠くを見た。
二号塔は消えた。三号塔も消えた。さっきまでマルセイユ全体を引きずり込もうとしていた黒霧と鐘の影も、一緒に消えた。残っているのは一号塔だけだ。市庁舎の脇に突き刺さった、ひどく場違いな悪い考えみたいに。
だがそれは今、俺の悪い考えだ。
もう一度、耳機が鳴った。
今度はフランスからで、咳払いで誤魔化す中間人じゃない。官僚の語調をきっちり整えた男の声だ。
「ジョウ・シーダー殿、フランス政府は現場状況を記録した。パリは間もなく対外発表を行う。マルセイユ現場の防衛と異常事態処置は、貴殿の所属する協同部隊が暫定的に主導するものとする。フランス国家憲兵隊および関連封鎖部隊は、掃討作戦に全面協力する」
俺は聞き終えて、一言だけ返した。
「やっとかよ」
向こうは俺が何か、歴史的な瞬間に相応しい言葉を続けるのを待っていたらしい。俺にはその余裕がない。
ほぼ同時に、教皇庁の回線も入ってきた。
さっきと同じ老人の声だが、今回はより正式な口調だ。
「教皇庁は確認する。マルセイユ現場の処置と封印を最優先とする。異端残存、遺構回収、典礼上の争議に関わるいかなる組織も、現地指揮への干渉を禁じる。ジョウ殿、これが我々の正式な立場だ」
「結構だ」俺は言う。「同じ日に、余計な口を出さないことを覚えた組織が二つ揃った」
市長がついに俺を見た。抗議したいような、もう面倒だというような、複雑な顔をしている。クレールは静かに、これを全部記録していた。俺には分かっている。この瞬間から、話はマルセイユで黒塔を三つ崩したというだけじゃなくなった。フランスが表明し、教皇庁が表明した。EU、台湾弁事処、それからさっきずっとゴミ袋みたいに表情を平坦にしていた中国大使も、後でそれぞれ表明しなければならなくなる。
だがそれは明日の話だ。
今夜は、まずこの街がまだ呼吸できるかどうかを確かめたい。
俺は最後の一回、命令を全線に流した。
「バローロ神父、一号塔内部のリズムを確認しろ。まず安定させる、崩すのは後だ。マリア修女、塔内でまだ鳴るものを全部封じろ。夜中の三時に街全体に向かって鎮魂曲を歌い出されたら困る。馬三娘、岳家軍は包囲を縮め始めろ。外周は三層残して大盾で入口を守り、他は散っていい。ただしマルセイユ市街から出るな。牛小琴の方へ後方支援の連絡を入れろ。負傷者と生存者を先に分けてくれ。一晩中動いた後で袋を間違えるのは困る。K7は最後の物資を補充したらエンジンを切って待機。ヴィクトリアは休め。シュトゥルムシュライターは南の街角まで退いて警戒態勢に入れ。エリザヴェータ――」
俺は少し止まった。
「下りてきていい。今夜、高所にはもう崩す値打ちのあるものは残っていない」
耳機の中から、ほとんど聞こえないくらい小さな笑い声が届いた。
「その言葉、たいていは当てにならないのだけれど」
「今夜は当たる」
「では、一度だけ信じてあげましょう」
俺は耳機を耳から少しだけ離して、本物の街の音を聞いた。
まず、遠くで散発的に燃える音。
それから、瓦礫が落ち尽くした後の、細かい剥落の音。
それから、どこかの通りで、ようやく鳴り始めた警報器。
そして最後に、海。
波が港に打ちつける音は、恐ろしいほど平らで、何も起きなかったみたいだ。
これが一番怖くて、一番普通のことだ。街が三つの黒ミサ塔に一晩中絞められて、あれほど死んで、あれほど燃えて、それでも邪塔が倒れれば、海はまた打ち寄せ、風はまた吹いて、夜明けはやってくる。世界は、お前が今夜死にかけたからといって、立ち止まってお前のために黙禱はしてくれない。
急に、どうしようもなく疲れた。
英雄が仕事を終えた疲れじゃない。街一つ分の切断手術をやり終えて、今になって自分の手袋の中まで血だらけだと気づいた時の疲れだ。
クレールがそのタイミングで口を開いた。声は低く、プロとして抑制が効いていて、十分に慎重だった。
「周先生、マルセイユは今、安全だと言えますか?」
俺は遠くの海辺に、まだ燃えている三号塔の残骸を見ながら、二秒考えた。
「言えない」俺は答える。
彼女は遮らなかった。
「今はただ、ようやく静かになった、それだけだ」
彼女は小さく頷いて、それを仕舞い込んだ。それでいい。会議室で愛用される「状況は制御下にある」より、ずっと正直な言葉だ。
しばらくして、東の空がようやく白み始めた。
綺麗な夜明けじゃない。煙と塩霧に浸かって、少し汚れたような灰白色だ。でも灰白でも、白は白だ。黒ミサ塔は夜を越えられなかった。マルセイユは越えた。広場に人が動き始めた。逃げるんじゃない。運んで、救って、探して、片付けて、記録する動きだ。市庁舎前の広場は、補給と遺体の仮置き場として使われていたが、少しずつ戦場から街の一部に戻り始めている。見た目は最悪だが、少なくとも生きている人間の最悪さだ。
俺は最後に、三号塔の残骸を一度だけ見た。
鐘の音はない。
拍手もない。
角から、床から、扉の隙間から、下水道からまた何かが生えてくることもない。
どこかの狂人が十字軍と邪塔と終末をもう一度マルセイユの頭上に吊るそうとすることも、ない。
それでいい。
今日はここまでだ。
俺は双眼鏡を下ろして、まだ動いているカメラと耳機と、街と海風と、今夜否応なく一緒に見聞きさせられた全員に向かって、平らな声で最後の一言を言った。
「黒塔、片付け完了」
一拍置いた。
「マルセイユ、とりあえず返しとく」
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




