163.整合 2
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
「市庁舎全線、注意」俺は主チャンネルに切り替える。「左翼に第二の主鐘が出現した。機能判定は編成回拍塔だ。第一塔の残響でも、移動式伝音管でもない。全員、今からは、一度崩れた守護兵と穿刺者が再び整列して壁を作り始めても、驚くな。あいつら自身が急に兵士になったわけじゃない。第二塔が引き戻しているんだ」
一秒置いて、全員に届かせる。
「言い換えれば、今からは制御を失った雑兵の群れを相手にしているんじゃない。編制を取り戻しつつあるシステムを相手にしているんだ」
広場の銃声は止まらなかったが、リズムが明らかに引き締まった。
それは当然だ。遠くにもう一つの塔があって、敵を一列ずつ元に戻しているとわかったとき、引き金にかかる指は自然と慎重になる。
俺は観測を続ける。
第二の塔はまだ視野に完全には入っていないが、その影響はすでに先に届いていた。北偏西の数本の路地で、バラバラに逃げ惑っていた守護兵が壁沿いと路地中央の二本の線に沿って再び張り付き始めた。穿刺者は無秩序に突き刺すのをやめ、盾の隙間、足元の射線、路地の角を再び探し始めた。普通の邪教徒でさえ、より合理的な位置に退き始めている。前の空間を空けるみたいに。
これは厄介だ。
敵が編制を取り戻した瞬間、俺たちが苦労して奪った第一塔の優勢は少しずつ削られていく。第一塔は目であり、喉であり、砲台だが、万能じゃねえ。街全体を同時に制圧することなんてできやしない。
俺は視線をもっと遠い海側に向ける。
マルセイユは海を背負っている。これは良いことでもあり、悪いことでもある。普段なら港があり、道があり、風があるってことだ。だが三つの塔に囲まれた時は、最後まで退いた先にあるのが自由じゃなく、海だということを意味する。海は道じゃねえ。誰かが海の上にお前のために一本残しておいてくれない限りは。
山口がまだ何も言ってこない。それが俺をさらに不安にさせた。あの老いぼれが黙っているのは、海が安全だからじゃねえ。たぶん、まだ口に出せるほどはっきりしない、とてつもなく嫌なものを見ているってことだ。
俺は耳機を押し、海側の短波チャンネルに切り替える。
「山口」
雑音の中に二秒の間があって、それからあの老いぼれ特有の声が来た。老軍人が天気予報を読み上げるみたいに平坦で、なのに一度口を開くたびに、その後に続くのが天気の話じゃないとわかっている。
「いる」
「海の状況は?」
「まだ誰も海に死体を流してはいない」と彼は言う。「だが海風が汚い」
「人間の言葉で話せ」
「港の外周で牽引音がする」と彼は言う。「船じゃねえ。大量の綱索と、大量の足と、大量の何かが一緒に引きずられているような音だ。まだ遠いが、近づいている。海を、もうすぐ息ができなくなる場所だと思っておいたほうがいい」
俺はすぐには返事をしなかった。
十分だ。その一言だけで十分だ。
第二塔が左翼で回拍再整備を確定している。海側でも牽引音がある。ならば第三塔が現れるとしたら、その位置はそう多く想像する必要もねえ。今すぐ姿を見せる必要すらない。海がもう後方じゃないとわからせるだけで、包囲の歯はもう半分噛み下ろしている。
「見続けてくれ」俺は言う。
「ずっと見ている」山口が返す。
チャンネルを切り、市庁舎に戻す。
「葉綺安、レイチェルに三塔モデル板を今すぐ出させろ。第一塔を中間節点、第二塔を左翼編成、第三塔は海側未出現として暫定記載。馬三娘に見せろ」
「今の段階で知らせるのか?」
「彼女に、自分が殺しを楽しむために呼ばれたんじゃないとわかってほしいんだ」俺は言う。「彼女は廊下を引き裂くために呼ばれた。そういうことは早く頭に入れておくほうがいい」
「了解」
俺は下の広場の内部に目を落とす。
K7の後方の、火光がまだ完全には照らしていない一角に、すでに誰かが木の板と白いペンキと剥ぎ取った道路標識の裏面で臨時の図板を作り上げていた。レイチェルはそこにいるはずだ。葉綺安、林雨瞳、まだ動ける軍警、それに馬三娘と牛小琴も呼ばれるだろう。これは重要だ。三つの塔が模型になった瞬間、ただ怖いだけじゃなくなる。どこを怖れるべきかが見えてくる。
街区の反対側で銃声が一段重くなった。
俺が振り返ると、ちょうど第二塔の第一波の影響が本当に地面に落ちた瞬間だった。
北偏西で、崩壊寸前だった守護兵が再び壁を作っていた。
完璧じゃない、きれいじゃない、だが機能する。盾三面が先に立ち、後ろから長槍四本が隙間に押し込まれ、両翼に邪教徒が薄い翼として補われる。その場の寄せ集めじゃない。遠方の鐘令が一点一点引き戻してきたものだ。形ができた瞬間、奴らは第一塔の北側外周に向けて前進を始めた。市庁舎を狙っているんじゃない。まず第一塔外周の火線を試しに来ている。敵はよくわかっている。第一塔が再び落ちれば、俺たちが積み上げてきた射撃修正、鐘令制御、視線の優勢が全部ゼロに戻る。
「北側」俺は言う。「第一塔外周に再整備中隊。守護兵三、穿刺者四、両翼に雑兵の薄翼。まず左翼を断て、中央線は打つな。シュトゥルムシュライターは動かすな、広場に残せ。K7車頂の射手は俺の修正を待て」
「了解」葉綺安が返す。
俺は三つの点を報告した。
一点目。左翼にいる鉄牌を下げた誦読補位手を狙う。あいつは普段隊形の中に紛れて頭には見えないが、いる限り隊は本当には乱れない。K7車頂の射手は一発目を少し外し、そいつの隣の扉枠を砕いた。
「右に窓半分修正」俺は言う。
二発目が入った。そいつが後ろに折れ、左翼の拍子が即座に緩んだ。
二点目。左翼銃座に人を打たせず、路地中央の半倒れの街灯の台座を打たせる。弾丸がその根元を断ち割り、街灯が倒れて守護兵の左前方に落ちた。殺しじゃない。だが隊の左半分の足を乱すには十分だ。
三点目。第一塔の三層目北側射口に自分で撃たせる。もう市庁舎を使わない。塔で塔の根元を打つ。短カービンと塔内の予備火器台が交互に、街灯で乱れた左翼に噛みつく。守護兵が傾いた瞬間、穿刺者の槍線が露出した。俺は三発補う。二体が倒れ、一体が脚を折られた。北側の試探中隊が一気に崩れた。
これが塔冠砲台の意味だ。
高いところに立てば神みたいになれるわけじゃない。
ようやく、別々の場所にある別々の武器と別々の人間を、一つのこととして動かせるようになる。
だが第二塔は俺の演技を見に来たわけじゃない。
すぐに返答が来た。
左翼遠方の鐘令が突然変わった。再整列向けの節奏から、長く安定した引き拍に切り替わった。何か大きなものを前に押し出し、前方の全単位にそのために道を開けさせているみたいだ。街区後方の煙もそれに合わせて揺れ、火光が屋根の上で、より高い輪郭に一区画ずつ切り刻まれていく。
ついに見えた。
完全じゃない。まず頂部だけが露出した。
第一塔のような細く高い、移動尖塔か病んだ鐘楼みたいな輪郭じゃない。第二塔はより広く、より厚い。まるで修道院の正面を無理やり街路に押し込んだみたいだ。塔身の側面は単純な伝音管や拡声管じゃなく、何層にも外側に張り出した狭縫と拍板架で覆われている。その存在の目的が宣告じゃなく、校拍、編成、再整備であることを、形そのものが語っていた。建物の群れの後ろからゆっくり押し出されてくるにつれ、左翼でまだ少し散り気味だった守護兵と穿刺者が、母体の声を聞いたみたいに、動きが一段揃った。
市庁舎のチャンネルで誰かが息を呑んだ。軍警かもしれないし、市民かもしれない。誰かは気にしない。第二塔を初めて目にした人間は全員そうなる。
「確認」レイチェルの声が入ってきた。怖くて平静を装う余裕もなくなったような、乾いた硬さがある。「第二塔、視野に入りました。左翼編成塔、確定です」
俺はその塔を見据えたまま、何も言わなかった。
この瞬間、第一塔を奪ったことで得た優勢はまだある。だが戦場はもう「俺たちが敵から高地を一つ奪った」という単純な話じゃなくなっていた。別のシステムが歯を見せ始めている。
そして一本だけで終わるわけがない。
案の定、山口の声が第二塔の出現とほぼ同時に耳機に割り込んできた。
「海側、音じゃなくなった」と彼は言う。
俺は南偏東、港と海堤の沿線に向きを変えた。
最初に見えたのは塔じゃなく、霧だった。
自然の海霧じゃない。あんな方向性のある霧はない。何かに引きずられるようにして、路地と堤岸の間に無理やり押し込まれていく。霧の中に遠い灯りがある。車のライトじゃない。高いところで揺れる火鉢に近い。その向こうに、第二塔よりもっと不快な引きずり音がある。拍子でも鐘令でもない。大量の何かが湿った石畳と鉄鎖の上を一緒に擦れる音だ。遅く、重く、安定していて、まるで海岸全体を見えない石臼が轢いていくみたいだ。
俺はすぐには瞬きをしなかった。
瞬きをしたら、あのものが「まだ輪郭だけ」から「もうそこにいる」に変わるかもしれないから。
霧の中から最初に突き出してきたのは、不条理なほど高い暗い影だった。尖塔でもなく、幅広の塔でもない。鉄骨と濡れた布を縛り付けた海上の処刑台に近い。頂部は第一塔や第二塔より少し低いが、より横に広く、長い。上に向かって歌うために来たんじゃない。海沿いの退路全体を横一文字に封じ殺すために来た。続いて第二の輪郭が現れる。外側に張り出した梁と拡声管。その後ろから全体がゆっくりと霧の中から引きずり出されてくる。
第三塔だ。
まだ完全に街には入っていない。海側から寄りかかってきただけで、輪郭は堤岸、倉庫、霧、遠くで燃えている港の構造物の間にまだ挟まっている。だがそれで十分だった。誰が見ても明らかだ——あれは支援に来たんじゃない。海を封じに来た。
第一塔が中央線。第二塔が左翼で再整備。第三塔が海側から引きずり込まれる。
三塔モデルが、この瞬間に成立した。
市庁舎のチャンネルで誰も口を開かなかった。
言葉がないからじゃない。こういう時に何を言っても、全部言い訳にしか聞こえないからだ。
俺は耳機を押さえ、一語一語区切って口を開く。声は極力平坦に抑える。こういう時こそ、こっちの頭の中も爆発寸前だなんてことを、絶対に悟られちゃいけねえ。
「全線注意。第二塔確認、左翼編成塔。第三塔確認、海側退路封鎖塔。三塔モデル成立」
一秒置いて、全員に飲み込ませる。
「繰り返す。三塔モデル成立」
耳機の向こうでようやく誰かが息を呑んだ。誰かはどうでもいい。
重要なのは、今この瞬間から、これは拠点防衛でも、塔の奪取でも、単純な反撃でもなくなったということだ。包囲が本当に閉じ始めた街の話になった。
俺は視線を第二塔から第三塔に移し、市庁舎と第一塔の根元の火線を一通り流してから、最後に広場後方の臨時図板の方向で止めた。
馬三娘はそこにいる。
まだ動いていないかもしれない。レイチェルと葉綺安がチョーク、血の手形、薬莢、道路標識で書き込んだ三塔の位置を、あの板の上でまだ見ているかもしれない。彼女は普通の切り札じゃない。煙を上げている壁の穴塞ぎに使うものじゃない。彼女の価値は、俺が出せと言った瞬間に、穴を塞ぐんじゃなく、戦場の反対側を丸ごと引き裂くことにある。
そして今、俺がそれを考え始めなければならない時が、ついに来た。
俺は市庁舎の内部チャンネルに切り替える。
「葉綺安」
「いる」
「馬三娘をオンラインに上げろ」
今度俺に返事をしたのは別の声だった。葉綺安でも林雨瞳でもない。その声には俺がよく知っている古い冷たさがあった。磁器の表面に細い亀裂が入った後で、それでもわざと一番温かな口調で話しかけてくるような声だ。
「聞いておりますよ」馬三娘が言った。
俺は第一塔の塔冠に立ち、第二塔が左翼でゆっくりと残兵を一列ずつ並べ直していくのを見た。第三塔が海霧の中から退路全体の輪郭を一寸ずつ引きずり出していくのを見た。市庁舎がまだ踏ん張り、K7がまだ路障を吊り上げ、シュトゥルムシュライターがまだ立ち、希がまだ刀を握り、ヴィクトリアが魔偶の面倒を見ながらMG42を北大西洋条約規格化の工位に押し上げる準備をしているのを見た。
そして俺は耳機に向かって、ただ一言だけ言った。
「準備しろ」
下の火光が一瞬跳ねた。まるで街全体が、その二語をたった今理解したみたいに。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




