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151.メトロの新種  2

この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。

コンコースに残っていた動ける人間を、俺はまず組み直した。


こういうときに一番怖いのは、火力が足りないことじゃない。全員が先に一言言いたがることだ。 フランス人、教会の人間、警察、憲兵、一人一言ずつ喋り始めたら、その間に地下でまた一塊死ぬ。


「デュヴァル、お前は俺と下りる」俺は言った。「連れていくのは四人だけ。散弾二人、破壊工具一人、照明一人」


憲兵少佐が眉をひそめた。「俺も下りる」


「いいだろう」俺は一瞥した。「ただし下りたら黙れ。号令に従え」


少佐の顔色が一気に悪くなったが、反論はしなかった。


さっきの馬を見たからだ。


あれを見た後でまだ自分が普通のテロ対処をやっていると思える人間は、狂っているか馬鹿かのどちらかだ。この少佐は少なくとも、そこまで馬鹿じゃなかった。


バローロ神父は階段口に立って、左手に聖書を抱え、右手の鎖をゆっくりと下ろしていた。鎖の節が床に触れるたびに、短い金属音が連なって響く。経文の声は低く、急がず、高くもなくすでに署名の終わった判決に、最後の条文を付け加えているような声だった。


俺は神父を一瞥した。


「下はもっと密かもしれない」


「だからこそ下りるんです」神父は言った。


俺は頷いて、東向きホームへの階段へ向き直った。


---


階段室は、さっきより冷たかった。


気温が実際に下がったわけじゃない。半密閉の空間に入って、下に何かが待っていると分かると、骨の芯から一段冷える、あの感覚だ。 非常灯は一フロアおきに一灯しか残っておらず、緑色の光が曲がり角に引っかかって、最深部まで届かない。壁には新しい擦り傷がついていた。重いものを引きずりながら下へ降りたような跡だ。そして、点々と黒ずんだ血。量は多くないが、見えなくなるところまでずっと続いている。


床一面の血より、これの方がよほど嫌な光景だ。


血が少ないということは、人がその場で死んだんじゃなく、連れていかれたということだからだ。


「止まれ」


俺は手を上げ、後ろの一列が即座に壁に張り付いてしゃがんだ。


下は静かだった。


静かすぎる。


さっきの群衆崩壊の悲鳴もない。バラバラに走り回る足音もない。聞こえるのは遠くで列車のドア警告音が一回、二回、引っかかったように繰り返されているだけ。それと、換気システムが半死半生で立てる唸り声。窒息しかけているのに、まだ完全には息絶えない人間みたいな音だった。


俺は後ろへ手を伸ばした。照明担当の憲兵がケミカルライトを渡してくる。


一本折って光らせ、そのまま下へ放り投げた。


緑色の光が階段を一段一段転がり落ちて、東向きホームの入口手前の空き地に落ちた。照らし出されたのは、倒れた警察用盾の半分、子どもの靴一足、そして壁に寄りかかって座っている三体の遺体だ。


白ローブじゃない。乗客だ。


喉が全員、貫かれていた。


ここから上へ逃げようとした人間が、階段口で一本一本、正確に射ち止められたのだ。


俺は振り返らず、低く言った。「弓兵から先に処理する。階段優先だ」


デュヴァルが背後で小さく息を吸った。


あいつも見えた。


下にいるものは、列を組むだけじゃなく、退路を屠殺場に変える方法まで知っている。


二本目のケミカルライトを折って光らせたが、今度は下へ投げるんじゃなく、横に滑らせてホーム入口の右側の壁際を転がらせた。


矢は飛んでこなかった。


それが意味することは二つある。


一つ、奴らは直近の死角にはいない。


二つ、奴らは俺たちがこうやって確認することを知っている。


「下りるぞ」俺は言った。


一気に最後の一段まで詰めて、初めて視野が開けた。


東向きホームは、北端ホームよりさらに悪かった。


完全停電じゃない。照明がわずかな箇所だけ意図的に残されていて、何かが見えるギリギリの明るさを保っている。全体像は把握させない。 列車はまだホーム脇に停まっていて、前から四両分のドアが半開きのまま、中は真っ暗だ。ホームには荷物、ハンドバッグ、ひっくり返ったベビーカー、踏み潰された車椅子が散乱している。列車の中ほどの車両あたりから、誰かがガラスを叩く音が聞こえた。


生きている人間がいる。


だが、生存者よりも先に目に飛び込んできたのは


陣形だった。


ホーム中央に、白ローブの盾兵が一列に展開していた。前列は半跪みで盾の底を地面に当て、盾面を斜めに立てている。まるで即席の長い壁だ。第二列は立ったまま、盾と盾の隙間に細い縫い目を作り、そこから槍の穂先を突き出している。長さは、接近ラインを丸ごと封じるのに過不足ない。さらにその後ろ、ホームの柱と広告灯箱の間に、弓兵が四体。矢はまだ弦に番えていない。ただ、階段口をじっと見ている。


屍の奔流じゃない。


俺たちを袋に誘い込んで待っている。


隣の少佐が低くフランス語の悪態をついた。


今回は笑わなかった。


その光景は、悪態をつくのに十分値するものだったからだ。


「生存者はどこだ?」デュヴァルが声を殺して訊いた。


俺は顎をしゃくった。


三両目と四両目の間の側窓を、誰かが叩いている。一回、二回、不規則で、力も弱い。助けを求めているんじゃない。叩き続けないと、中にまだ生きているものがいると誰にも気づいてもらえないから、叩いているのだ。


問題は、階段口からそこまで、盾矛の一列を丸ごと突っ切らなければならないことだ。


白ローブの弓兵は動かない。


俺たちが見えているのは分かっている。今は射る必要がないことも分かっている。俺たちが焦って突っ込めば、前の一列が自動的に人間を絞り潰す。


俺は階段の壁際に張り付いて、地形を素早く頭に叩き込んだ。


正面は無理だ。


左側の線路は深すぎる。飛び降りてから這い上がるまでの時間で、全員の足が止まる。


右側に、清掃用の側道がある。広告壁の裏に半分隠れていて、列車の中ほど下の整備スペースへ続いているはずだ。狭い、臭い、八割方何かが守っているだろう。だが少なくとも、正面から槍に突っ込むよりはマシだ。


俺は後ろの人間を一度見た。


デュヴァルは顔が青白い。だが銃の握りは安定している。少佐側の憲兵二人はすでに手が震え始めているが、まだ持ちこたえている。散弾の二人の方が状態がいい。少なくとも、これが速射の勝負じゃなく、号令に従う勝負だと分かっている。


バローロ神父は俺の左側に立っていた。階段口に打ち込まれた黒い鉄釘のように。


俺は正面の盾列を指した。


「神父、俺が合図したら、奴らの目を前に向けてくれ」


神父は白ローブの一団を見たまま、平坦に訊いた。「何秒?」


「十秒だ」


「十分です」


俺はデュヴァルを向いた。


「お前は俺と右側を行く。破壊工具の警察官はついてこい。照明は最後に下りろ。散弾は階段口に残って、顔を出してくる奴と近づいてくる槍兵を専門に叩け。少佐、お前の人間は弓兵を抑えろ。仕留めなくていい。頭を上げさせなければそれでいい」


少佐は頷いた。今度は動作が速い。


「それと」俺は付け加えた。「足を狙え、顔を狙え、胸は狙うな。まだこいつらを生きた人間扱いしてるなら、お前をここに置いて死ぬまで教え込む」


少佐は俺を一瞥したが、何も言わなかった。


いい。黙れるようになったということは、学び始めたということだ。


俺は手を上げて三つ数えた。


三つ目が落ちると同時に、バローロ神父は階段口から歩み出た。


突進じゃない。


歩きだ。


口から出る経文の声は相変わらず平坦で、夜中に誰かが法令を読み上げているみたいだ。右手の鎖を一振りすると、鎖の節が地面を這って、最前列の盾の縁を打ち抜いた。盾全体が横にぐらりと傾く。後ろの槍兵が本能的に補おうとした瞬間、神父はすでに半歩前に踏み込んでいて、左手の聖書が盾の裏から覗いた半顔に叩き込まれた。


ドン。


俺は階段の角から同時に撃った。


一発目は前列じゃなく、第二列の槍兵の膝だ。その白ローブの脚が砕けると、槍の穂先の列全体のリズムが半拍崩れる。二発目は別の盾の隙間に送り込んで、弾丸が眼窩から入って頭全体を後ろへ仰け反らせる。三発目は柱際の弓兵の肩と弓を一緒に広告灯箱に釘付けにした。


「行け!」


俺とデュヴァルは右側の広告壁に沿って一気に切り込んだ。


破壊工具を抱えた警察官がぴたりとついてきて、照明担当の憲兵はほとんどその背中に張り付いている。真上から矢が飛んできた。一本が壁をかすり、火花と石片が俺の顔の横に散る。止まらず、正面の白ローブに向かってさらに二発撃ち込み、盾を神父の方へ向けさせる。


それが俺の狙いだ。


奴らが前を向いている間に、俺は側面を行く。


右側の清掃用通路は、言っていた通り狭かった。両脇は汚水と清掃バケツだらけで、床は油を塗ったみたいに滑る。角を曲がった瞬間、中から何かが飛び出してきた。


盾兵でも弓兵でもない。


陰に潜んで待ち構えていた槍持ちの白ローブで、槍の穂先はもう低く構えてあった。側面を切り込む者を待っていたのだ。


こいつら、学ぶのが早い。


俺は退かなかった。壁際に一歩かわして槍の穂先を脇腹のすぐ横に通し、同時に槍の柄を掴んだ。そいつは力が強い。干からびた木みたいな手が引き戻そうとする。俺はそのまま密着して、銃口を顎の下に当てて一発撃った。


後頭部と砕けたフードが、後ろの壁に散った。


「前へ!」俺は低く怒鳴った。


デュヴァルはその死体を踏みながら駆け抜けた。半秒も迷わなかった。いい判断だ。ここで立ち止まって見ているようなら、今夜は地上に戻れないと思え。


前方、列車の中ほどが見えた。


ガラスの向こうに、本当に人がいた。


四人。大人の女が二人、十歳前後の男の子が一人、そして駅員の制服を着た老人が一人。車両のドアは完全に詰まっていて、中の人間の顔色はもう生きている人間の色じゃない。駅員の老人は俺たちを見るなり、鍵の束を窓に叩きつけ始めた。


俺は破壊工具の警察官に顎をしゃくった。


すぐにドアロックの処理に取りかかる。俺とデュヴァルは外で掩護に立った。頭上の矢がここでまた密になってきたが、今度は俺たちを狙っているんじゃなく、階段口の方を向いていた。神父と散弾の二人が正面の盾列を正面から押さえて、俺たちのために時間を稼いでいる。


だが、その時間は長くない。


俺は外を一瞬見て、胃が一寸沈んだ。


白ローブの盾兵が調整を始めていた。


崩されてから闇雲に補い直しているんじゃない。方向を転換し直している。 前列の盾が右側に斜めにずれ始め、槍兵もこちら側へ補充されてくる。後ろの柱際の弓兵は階段口を狙うのをやめて、弓をこちらへ向け始めた。


つまり、側面突破が読まれた。


「急げ!」俺は怒鳴った。


破壊工具の警察官は額に汗を滲ませながら、それでも手は安定していた。ロックがついに半分こじ開けられ、扉の隙間が緩んだ瞬間、中の駅員の老人が自分で両側に扉を押し広げた。男の子がまずデュヴァルに引きずり出され、続いて女二人。最後に老人が這い出てきたが、片方の脚をやられていて、まともに立てない。


「歩けるか?」俺は訊いた。


老人は頷いて、すぐに首を振った。


完璧な答えだ。


俺は老人を照明担当の憲兵に押し付けた。「引きずって行け」


そのとき、正面の方から、非常に硬い割れる音が一発響いた。


銃声じゃない。盾が砕けた音だ。


振り返ると、バローロ神父がすでにその盾列の中に割り込んでいた。鎖を前列の盾の上縁に絡めて一気に引き倒し、その白ローブを膝まずかせ、次の瞬間には聖書がその顔面に叩き込まれる。横に引き戻す動作で、補充に入ってきた槍兵の頬骨を陥没させる。散弾の二人が神父の両脇に張り付いて撃ち続け、近距離の散弾が白ローブの膝と首を黒ずんだ肉の塊にした。


神父の口から出る経文は、まだ止まっていない。


その声は月台の中で奇妙に響く。大きくはないが、銃声と鎖の音を透き通って届く。呪いでも祈りでもなく誰かが罪状を記録し、今まさに執行に入っている、そういう声だった。


だが、彼一人で正面を押さえることはできても、側翼全体まで一人で掃き清めることは不可能だ。


右前方から、最初の矢が飛んできていた。


ケミカルライトの届かない死角を抜けて、駅員の老人を引きずっていた憲兵の肩に突き刺さる。衝撃で後ろへよろめいたが、顔が真っ白になっても声は出さない。


二本目がすぐに続いた。今度は男の子を狙っている。


俺は手を伸ばして男の子を押し倒した。矢は頭上をかすめ、車窓に突き刺さる。ガラスにひびが入り、細い白い亀裂が左右に這っていく。


「デュヴァル! 人を連れて階段に戻れ!」俺は怒鳴った。


「お前は?」


「俺が殿だ!」


デュヴァルは余計なことを言わず、男の子を掴んで走り出した。女二人はほぼ別の警察官に押されるように動く。駅員の老人は傷ついた脚を引きずりながら、ここに永遠に残されるのが怖いとでも言うような速さで進んでいた。


俺は二歩退いて、柱の陰から半顔を覗かせた弓兵に一発撃った。頭には当たらなかったが、肩の半分を吹き飛ばした。それで十分だ。弓を引く腕が垂れ下がれば、リズムは断ち切られる。


そして、もっと厄介なものが見えた。


ホームの奥の暗がりから、また白ローブが出てきていた。


一体や二体じゃない。新しい一列だ。


盾が先に出て、槍が続き、最後にあの高い白いフード。リズムはさっきと寸分違わない。まるでこの線の地下に、完全な交代システムが丸ごと控えているみたいだった。 前列が崩されれば、後列が補充される。地下にいるのは偶然の出くわしじゃない。配備だ。


神父の方を一瞥した。


あいつも見えていた。


次の瞬間、神父の手の鎖が思い切り引かれ、最前列の白ローブを盾ごと横の柱に叩きつけた。そしてそのまま、俺たちの方へ二歩退いた。


初めてだった。


バローロ神父が自分から退くのを見たのは。


怖いからじゃない。局面が「こいつらを処刑できるかどうか」じゃなく、「ここに全員残すかどうか」に変わったと判断したからだ。


それでいい。


退き際を知っている人間だけが、どの戦いをどう戦うかを知っている。


「撤退!」俺は怒鳴った。


階段口の散弾二人が即座に後ろへ跳んだ。デュヴァルは生存者を連れてすでに最初の踊り場まで上がっている。少佐と憲兵二人が交互に掩護を始め、最前列の盾と槍の隙間に火力を叩き込んだ。


俺が最後に退く。


白ローブの槍兵が一体、仲間の残骸を踏みながら前に出て、一突きを繰り出してきた。角度が低く、死人とは思えないほど鋭い。俺は身をかわし、左手で槍の柄を掴んで横へ引き流し、右手でマガジンに残っていた弾を全部、そいつの顔と喉に叩き込んだ。乾いた顔面が灰黒い破片になって四散し、それでもまだ前に来ようとするから、俺は足を上げてそいつの胸を蹴り飛ばした。盾陣の前に、人と槍ごと蹴り戻す。


スライドが止まった。


俺は銃をスリングに引っかけて、左手を返した。薄暗い光の中で、指輪の台座が一瞬冷たく光る。


死神の大鎌が掌に落ちた瞬間、階段口のフランス人たちが明らかに半拍、固まった。


構っていられない。


今から弾を換えるのは遅すぎるし、馬鹿げているし、無駄だ。


最前列の盾がもう階段の底に届きそうになっていた。


俺は一歩踏み込んで、鎌を横に薙いだ。


刃は盾の正面を打ったんじゃない。端の角から斜めに切り込んで、盾を持つ腕ごと削り落とした。盾と腕の半分が一緒に落ちる。後ろの槍兵が本能的に補充に出てきたところへ、俺は手首を返して鎌の刃を首に引っかけ、頭全体を横に捻り飛ばした。


三体目が槍を突き出してきた瞬間、俺は砕けた盾を踏み台にして体を低く沈め、鎌の刃を地面すれすれに一閃した。


前列の二体の脛が同時に断ち切られる。


階段の底に、人体と死骸が絡み合った塊が瞬時に積み上がった。


俺が狙ったのは、まさにこの塊だ。


地下のような場所では、整然としていることの方が勇猛さより恐ろしい。 だが半秒でも自分たちで詰まらせてやれば、後ろの一列全体が一緒に塞がる。


「上がれ!」俺は後ろへ怒鳴った。


バローロ神父は階段口へ退きながら、最後の一振りで側面から欄干に乗り出してきた弓兵の顔を鎖で打ち抜き、そのまま軌道の外へ叩き落とした。続けて左手の聖書を逆手に持ち替えて、貼りついてきた別の白ローブの顔面を砕き、それからようやく上へ向かった。


---


俺たちは退きながらコンコースまで戻った。


最初の生存者たちはすでに奥のメンテナンス扉の中に送り込まれていた。矢を受けた憲兵は壁際に膝をついて自分で矢の柄を折り、顔色は死人みたいだったが、手の震えは大きくなかった。少佐は俺たちが上がってくるのを見た瞬間、後ろの人間に怒鳴った。


「階段を封鎖しろ! 急げ!」


今度は、コンコース全体が速く動いた。


技術者が臨時の鉄柵を下ろし始め、警察官二人が券売機をそのまま押し倒して階段口の前に塞いだ。鋼製バリケードを引きずってくる者、砂嚢を階段の側壁に積み上げる者、仮設バッテリー照明を抱えて駆け込んでくる者コンコース全体が、もう一段明るく照らし出された。


これが、さっき二度目の降下をした意味だ。


四人の生存者を救い出しただけじゃない。


上にいたこの連中が、それぞれ別の話をしていたのをやめて、下の線で今何が起きているかをようやく理解したその価値だ。


「成建制で押し上がってくる」少佐が駆け上がってきたばかりの通信兵に向かって、鉄を飲み込んだみたいな声で言った。「繰り返す、地下の敵部隊は盾・槍・弓の編制を持ち、交代能力を有する。ここは孤立した群衆ではなく、敵の前線ノードだ」


その言葉を言うとき、少佐は俺を見なかった。


それでいい。


軍が最初に踏み出す一歩は、頷くことじゃない。


言葉を変えることだ。


デュヴァルが歩いてきた。顔は灰と汗まみれで、自分のものじゃない血も少し混じっている。


「中にはまだもっといる」デュヴァルは言った。


「分かってる」


「最初から分かってたのか?」


「あいつらが俺たちに見せるのが一層だけとは思ってなかった」俺は封鎖されていく階段口を見つめながら言った。「だが今は、もう一つはっきりしたことがある」


デュヴァルは俺の視線を追って下を見た。


階段の底から、新しい音が聞こえ始めていた。


乱暴にぶつかる音でも、這い回る音でも、単純な踏み鳴らしでもない。


盾の縁が互いに触れ合う、鈍い打撃音。一打一打、リズムが安定している。 その合間に、長槍が壁面を引っかく細い音。そしてさらに遠く、ごく稀に弓弦が引き絞られてから緩む、あの震える音。


今の一戦で崩れて散ったわけじゃない。


奴らは隊列を整え直している。


一つの軍隊が、地下の最初の遮断面の前で、次に上へ押し上げる陣形を組み直しているように。


バローロ神父は封鎖された階段口の前に立ち、その暗がりを見下ろしながら、鎖を右手にゆっくりと巻き取っていた。聖書の表紙の角は、さっきの骨片と血汚れでさらに鈍くなっている。口の中の経文が止まっていた。だが、その佇まいは法廷で二度目の判決を読み上げる準備をしている人間のそれだった。


俺は死神の大鎌を指輪に収めて、新しいマガジンを叩き込んでから、コンコース外の半壊した大きなガラス扉を見上げた。


外の夜は、さっきよりさらに乱れていた。


遠くの炎がまた一段高くなり、斜面からはまだかすかに蹄の音が届いている。遅く、遠く、まるで誰かがこの駅の出口の周りをぐるぐると歩き回りながら、俺たちがどれだけ持ちこたえられるか確認しているみたいだった。


少佐が俺の隣に来て、二秒黙ってから口を開いた。


「市長への完全な報告が必要だ」


「お前が行け」俺は言った。


「あなたに直接話してほしい」


俺は振り向いた。


今夜、少佐が俺にこういう口調で話しかけてきたのは初めてだった。


服従でも、妥協でも、臨時の外部戦力として使うのでもない。この言葉の意味は単純だ自分の上官が必要としているのは軍事用語だけじゃない。実際に下へ降りて、切り込んで、殺して、生きて戻ってきた人間が、地下にいるあの部隊の形を言葉にしてくれることだ。


俺は頷いた。


「いいだろう」


少佐はもう一度、封鎖された階段口の暗がりを見た。


「下はあとどれくらい持つ?」


「今のこの封鎖だけに頼るなら、そう長くはない」俺は言った。「地上の出入口がさらに二か所落ちれば、下のあの部隊は圧力を別のノードに分散させる。これは単独の駅の防衛問題じゃない。地下線全体が接収されつつあるんだ」


デュヴァルが横に立って、顔色が少しずつ沈んでいった。


聞こえたからだ。


さっき俺たちが切り込んでいったのは、どこかの不運な駅でたまたま出くわした屍の群れじゃない。


奴らの地下編制の、一枚の鱗だ。


蛇の本体は、もっと深い暗がりにいる。


階段の底から、盾の縁が触れ合う音がまだ続いている。


一打一打、急がない。だが、苛立つほど安定したリズムだった。


俺には分かっていた。奴らが何をしているか。


待っているんだ。


俺たちが階段を封鎖し終えるのを待ち、照明を設置し終えるのを待ち、上へ報告し終えるのを待ち、この線をとりあえず塞いだと俺たちが思い込むのを待っている。


そして別の場所から、この街をもう一口噛み破る。


俺は視線を階段口から引き剥がして、デュヴァルに言った。「ここにある使えるカメラ、メンテナンス通路図、乗り換え構造図を全部持ってこい。それと地上に連絡しろ」


俺は一拍置いて、外から一打一打、さっきより近くなっている蹄の音を聞いた。


「シュトゥルムシュライターにメイン出口を張り付かせろ」


デュヴァルは頷いて、すぐに動いた。


少佐はすでに無線機を取り上げて、さっきより冷たく、短い口調で報告し始めていた。あいつはもう、地下のあいつらをどう表現すればいいか分かっている。怪談でも、暴徒でも、制御不能の群衆でもない。


敵軍だ。


俺はコンコースの外、炎に縁を赤く染められた夜を見ながら、頭の中にはっきりとした一つの考えだけが残っていた。


マルセイユの地上は、今のところ音がでかいだけだ。


本当に厄介なのは、地下で軍列を組み始めているあの部隊だ。


なぜなら、一つの街が地下まで接収されてしまえば、自分たちが本当に陥落しつつあると認めるまであとは時間の問題だからだ。

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