145.スペインの羊飼い 2
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
バローロ神父はそれを見るなり顔を曇らせた。
「古い牧畜用の橋だ」
当然わかっている。
牛や羊がこういう橋に追い込まれれば、前に進むしかない。左も右も道はなく、振り返れば群れ全体が詰まる。C.A.L.F.がこのルートを選んだのは偶然じゃない。今夜を本物の「牧畜」に見立てているのだ。
上等だ。
この畜生どもは、本当に自分たちを牧人だと思っているらしい。
「渡る」俺は言った。
林雨瞳が訊く。「橋の上に何かいたら?」
「そのまま突っ切る」俺は言った。「今引き返せば、後ろの提灯持ちどもが直接張り付いてくる。両側の高い斜面にはまだ何組伏せているかわからない。この橋なら、少なくとも答えは一つしか出ない」
アクセルを深く踏み込んだ。四駆が橋に乗り上げた瞬間、橋全体が歯の根が浮くような軋み音を上げた。木が古すぎる。車の重みで今にも折れそうだ。下からの風が橋板の隙間から吹き上がり、バローロ神父の上着の裾を震わせた。
心の中で秒数を数える。
一。
二。
三。
落ちない。
だが車のフロントが橋を降りようとしたその時、前方の暗闇から一人の人間が立ちはだかった。
濃い色の作業着の上に、泥とどす黒い汚れにまみれた革のエプロンをつけている。フードを深く被り、顎と青白い鼻筋だけが見える。手には銃はなく、屠殺場でよく見る短い柄のスタンガン・ハンマーだけを持っていた。橋の終わりの真ん中にただ立ち、作法を知らない牛が自ら歩み寄ってくるのを待っているみたいに。
バローロ神父がほとんど怒鳴った。「撥ね飛ばせ!」
俺は撥ねなかった。
最後の瞬間、ハンドルを右に強く切り、車体をその男に擦りつけるように斜めに抜けた。右のサイドミラーがドスッと音を立てて奴の肩に砕け散り、男は弾き飛ばされた。だが倒れる時、悲鳴すら上げなかった。ただフードの下から目を上げ、冷たく俺を一度見ただけだ。
それは狂信者が発作を起こした時の目じゃない。
獲物が柵に入ったのを確認し、最後に柵の門が閉まったかを一瞥する目だ。
俺の心がその場で沈んだ。
わかっていた。あれは車を止めるためのものじゃない。
接触だ。
車が橋を駆け下りた直後、四度目の鐘が鳴った。
だが今度は山の中じゃない。
車の中だ。
車内全体が、一瞬誰かに首を絞められたみたいになった。
バローロ神父が真っ先に振り返り、林雨瞳はほぼ同時に防水袋を丸ごと持ち上げた。俺はハンドルを安定させながら、その音の位置を探った。
チリン。
チリン。
チリン。
近い。
首の後ろに何かが貼りついているみたいに近い。
「ここ」ヴィクトリアが突然、助手席の背もたれのシートベルトの隙間に手を突っ込み、二本の指で挟んで、親指ほどの大きさの真鍮の鈴を強引に引きずり出した。
それがいつの間にか貼り付けられていて、車体の振動に合わせてチリンチリンと鳴っていたのだ。
バローロ神父の顔色は釘を飲み込んだように険しかった。
「いつの間に……」
「橋の終わりの男は、車を止めるのが目的じゃない」林雨瞳が言った。「マーキングが付いたか確認しに来たのよ」
「それだけじゃない」俺は言った。
手を伸ばしてその鈴を受け取る。指先で触れた瞬間、外側に何かが付いているのがわかった。鈴の表面に薄い樹脂の層が塗られていて、奇妙な草の青臭さと血の匂いが混ざっている。普通の接着剤じゃない。犬に追跡させるためか、もっと厄介な何かに嗅ぎつけさせるためのものだ。とにかく、ただ鳴るだけじゃない。
「俺たちが本物を持って出たか、確認しに来たんだ」
そう言って、俺は窓の隙間から鈴を谷底へ投げ捨てた。
鈴の音は消えた。
だが、見られているという感覚は、少しも消えなかった。
車はついに林を抜け、前方に遠く、国道のガードレールが反射する白い光が見えた。その瞬間、俺でさえ半ば息をついた。正規の道路に出さえすれば、俺たちはもう山に閉じ込められた家畜じゃない。
だがすぐに、またおかしいと感じた。
順調すぎる。
もしこの連中が今夜、山に黒い布を張り、鐘を鳴らし、落とし穴を掘り、高所に伏兵を置き、通信を遮断するのにこれだけの労力をかけたのに、最後はこうして俺たちを逃がすだけなら、彼らの宗教的情熱に申し訳なさすぎる。
ヴィクトリアが不意に言った。「前に車がいる」
見えた。
国道の入り口に、白い冷凍車が斜めに停まっていた。
ヘッドライトは消え、黄色く濁った車幅灯だけが二つ点いている。死人の眼球みたいだ。車体は交差点の半分を斜めに塞ぎ、後ろのドアがわずかに開いている。完全に開ききっていない口のように。
「クソッ」俺は低く悪態をついた。
躊躇する時間はない。ハンドルを左に切り、車体をガードレールの切れ目に擦りつけながら強引に突っ切った。底板が金属に削られ、火花が車体の下から長く尾を引いた。それと全く同じ瞬間、冷凍車の助手席のドアがバンと開き、銃身が突き出された。
俺を狙ってはいない。
狙いはタイヤだ。
一発目は外れ、ガードレールにカーンと弾かれた。二発目は車尾を掠め、火花の尾を引いた。俺はハンドルを死に物狂いで押さえつけ、車をアスファルトに引き戻す。タイヤが濡れた路面で半秒ほど滑ったが、最後には路面を掴んだ。
これは単なる検問突破じゃない。
本来なら屠殺場に引きずり込まれるはずの獣が、フックから無理やり身をよじって抜け出し、鉄錆と血の匂いを引きずりながら逃げ出しているようなものだ。
後ろの冷凍車はすぐには追ってこなかった。
それがかえって俺を不安にさせた。
一撃外したからといって怒り狂うような連中じゃないということだ。あいつらには次の手がある。山の中の仕掛けが失敗すれば次、それがダメならまた次。これは単発の追跡じゃない。繋ぎ合わされた一連の網だ。
俺は車をコントロールしながら言った。「雨瞳、今すぐルシアに連絡しろ」
林雨瞳はスマホを見ていた。電波のバーが一つずつ戻ってくる。死にかけた人間がようやく最初の一息を吸い込んだみたいに。彼女は一言も余計なことを言わず、直接発信した。電話はほとんどコール音もなく取られた。
「言え」ルシアの声は刃の背のように冷たかった。
「物は回収した」林雨瞳が言った。「C.A.L.F.が反転追跡を開始。山間部に完全な誘導、通信遮断、回収ポイントあり。少なくとも二組以上。今夜私たちが影と接触することを事前に把握していた」
電話の向こうは一秒も経たないうちに沈黙した。
続いてルシアの声がさらに低くなった。
「すぐにルートを変更して。予定の合流地点には戻るな。ハビエルの方で、たった今二件目の殺人事件の通報が入った」
俺の手に力が入った。
「どこだ?」
「モンカダの郊外。ダミー会社名義の倉庫兼オフィスよ」ルシアは言った。「七人死亡。吊るし上げ、切断、宗教的な侮辱を伴う遺体の配置。手口は修道院と同じ。だがもっと速く、きれいだった」
俺はすぐに理解した。
物を探していたんじゃない。
口封じだ。
バローロ神父が目を閉じ、喉をからした。「ワイスマン(ワイスマン)の連中か?」
「まだ完全には確認できていない」ルシアは言った。「だが資金の流れは重複している。そこは仲介人か、C.A.L.F.のマネーロンダリングや物資転送のノードだった。もう一つ確かなことがある——」
彼女は言葉を切った。
「奴らは今、物が手を変えたことだけじゃなく、それを持っていったのがお前たちだということまで知っている」
俺は夜色に引き延ばされた前方の国道を見つめ、すぐには返さなかった。
ただアクセルをもう一段踏み込んだ。
前方のバルセロナ方向には、すでに淡い街の光が滲んでいた。あの光は人を騙すのが得意だ。遠くから見れば安全に見える、秩序があるように見える、ようやく話の通じる場所に戻れるように見える。だが俺にははっきりわかっている。今夜本当に厄介なのは、山の中のあの鐘の音なんかじゃない。
黒い布、犠牲の羊、落とし穴、提灯、冷凍車——あれは全部、挨拶にすぎない。
C.A.L.F.が本当にやろうとしているのは、この線上でこの件を知っている人間を、一人残らず始末することだ。
そして俺たちは今、その順番のかなり前の方にいる。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
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「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




