144.利と害 2
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
「お前たちが屠夫じゃないから、今日俺は話しに来た。だがあの地図と銀鍵を抱えたままでいるなら、後ろのC.A.L.F.が山ごと引っ繰り返す。スペイン政府も引っ繰り返す。教皇庁も引っ繰り返す。そうなれば、修道院の死者の分、ダミー会社の金の分、お前たちが最初に扉を開けた分、全部まとめてお前たちに貼りつく」
「今ここでお前たちを埋めたらどうなる?」若い方がまた口を開いた。今度は声が少し揺れていた。
俺は振り返って、初めてまともに彼を見た。
「それをやれば、ワイスマンの後始末をしてやることになる」俺は言った。「ついでにC.A.L.F.が追跡の手間を省けて、随分と割がいい。それだけ間抜けなら、俺もこれ以上話す必要はない」
その若い男は俺の一言に顔が青ざめたが、返せなかった。
ここは口先だけでひっくり返せる場所じゃないと、自分でもわかっているからだ。
山風が補給小屋の崩れた窓穴を抜けて、鉄箱の中の古い薬莢を軽く鳴らした。
老いた男はしばらく俺を見続けた。交渉相手を見る目じゃない。次の一言を自分で飲み込めるかどうかを見ている目だ。最後に彼は訊いた。
「もし渡したら、お前は何を保証する?」
この問いが出た瞬間、局面が変わった。
信頼じゃない。
値段の話が始まった。
きれいな言葉は山の人間には効かない。俺は答えを綺麗に飾らなかった。
「お前たちが綺麗だとは保証しない」俺は言った。「国家警察がお前たちの修道院への侵入を忘れるとも保証しない。保証できるのは二つだけだ。一つ目、虐殺の分はお前たちに押しつけない。二つ目、物を渡した瞬間から、C.A.L.F.の追跡は俺たちが引き受ける」
「なぜそれができる?」彼は訊いた。
「物が俺の手に移るからだ」俺は言った。「お前たちが渡した瞬間、奴らはお前たちを追わなくなる。代わりに俺たちを追う」
教義でも正義でも、これより効く言葉はない。
最も乾いた現実だからだ。
俺はもう半歩前に出た。
「今、お前たちには二つの道がある。一つ目、地図と銀鍵を抱えたまま隠れ続けて、C.A.L.F.、教皇庁、国家機関の三方向から匂いを辿って踏み込まれるのを待つ。二つ目、物を渡して、少なくともファシストの荷物持ちで終わらない最後の顔だけは守る。お前たちが善人じゃないのはわかっている。だが最悪の連中になりたくないなら、一番最悪な線の後始末だけはするな」
老いた男は今度こそ本当に黙った。
説得されて感動したわけじゃない。計算している。
修道院の血を。
ダミー会社の金を。
ワイスマンという名前に染みついた、吐き気を催す匂いを。
自分の手にある数枚の紙と一本の鍵が、山一帯を道連れにする価値があるかどうかを。
後ろの細身の中年男が先に低く何か言ったが、聞き取れなかった。続いて他の二人もそれぞれ一言ずつ。議論じゃない。素早い底線の擦り合わせだ。山のこういう勢力では、本当の決定が公開投票になることは滅多にない。だが頭の一言で全てが決まるわけでもない。頭が見るのは、他の連中の目の奥にある何かが割れ始めているかどうかだ。
最後に、老いた男が俺を向いた。
「名前は?」
「周士達」
「周士達」彼は言った。「俺たちはファシストの手先じゃない」
「なら、奴らのために最後の棺桶まで担ぐな」俺は言った。
この一言が釘のように刺さった。
彼は聞き入れた。
頷きもしない。「いい」とも言わない。ただ後ろの細身の中年男に顎をわずかに向けた。その男は何も言わず、振り返って林の中へ消えた。もう一人が続く。二人は素早く消えた。古い布から二本の糸を引き抜くみたいに。
待つ時間の方が、むしろ危険だった。
本当に物を取りに行ったのか、それとも俺たちをここに埋める決断をしに行ったのか、永遠にわからないからだ。林の中の銃口は減っていない。風向きも変わっていない。バローロ神父がようやく口を開いたが、影の連中にじゃなく、俺に向けてだった。
「言いすぎた」
「足りなければ、吐かない」俺は言った。
「本気で奴らの追跡を引き受けるつもりか?」
「奴らのためじゃない」俺は言った。「取り戻した物のためだ」
老いた男はそれを聞いていたが、何も示さなかった。こういうとき、「お前の言う通りだ」とは言わない。否定もしない。認めれば借りになる。否定すれば間抜けになる。沈黙が、一番彼ららしい答えだ。
二十分ほど後、二人が戻ってきた。
前の男は防湿布の包みを抱え、後ろの男の手には古い鉄箱があった。二人は俺のところへ直接来ず、老いた男の前で止まった。物を渡すのは俺にじゃない。自分たちの体系に一度戻して、頭が吐き出すかどうかを決めさせる。この点が重要だ。ここで俺が自分から手を伸ばせば、「引き渡し」が「強奪」になる。空気が一瞬で腐る。
老いた男が先に布包みを開けた。
中には丸めた古い地図が数枚。紙の縁は硬く、封蠟の残痕がまだある。複製品には見えない。人を騙すための偽物にも見えない。続いて鉄箱を開けた。中には古い黒いビロードが敷かれ、その中央に銀製の鍵が横たわっていた。銀色は眩しくない。むしろ長い時間を暗所に封じられたものだけが持つ、冷たい光だ。一目見ればわかる。祭壇の飾りじゃない。大多数の生者が触れることを許されない錠を開けるためのものだ。
老いた男は二つを補給小屋の前の平たい石の上に置いた。だが手はまだ離さない。
「俺たちが先に取った」彼は言った。
「知っている」
「修道士は殺していない」
「知っている」
「この二つが後で一つにされるなら——」
「俺が先に口を開く」俺は言った。
そこで初めて、彼は手を離した。
俺は歩み寄り、先に地図を見た。鍵には先に触れない。
迷信じゃない。順序だ。
図は道で、鍵は権限だ。
先に道を見て、それから権限を取る。俺らしいやり方だ。
三枚の地図。
フランス、ベルギー、オランダ。
記されているのは観光ルートじゃない。中継点、分岐点、受け渡し位置と古い封印名だ。
十分だ。
後ろの何か国かが血を流し始めるには十分すぎる。
銀鍵を手に取った。手袋越しでも、金属の冷たさが染み込んでくる。バローロ神父が後ろで三文字だけ言った。
「本物だ」
地図と銀鍵を林雨瞳に渡した。彼女はすぐに内側の耐衝撃袋に収めた。安全ピンを外したばかりの手榴弾を仕舞うような、無駄のない動作だ。ヴィクトリアは山の向こうをもう一度見て、眉をひそめた。
「どうした?」俺は訊いた。
「静かすぎる」彼女は言った。
この一言で、老いた男も顔を上げた。
次の瞬間、山の向こうから最初の鐘が響いた。
修道院の規則正しい鐘じゃない。
硬く打ち割られた、金属の病んだ低い響き。一打ちだけで背筋が冷える。時を告げているんじゃない。伝達だ。山の中を何かが一段ずつ前へ言葉を送っている——匂いを掴んだ、と。
影の連中の顔色が一斉に変わった。
右上の樹林で、誰かが細い枝を踏み折った。続いて一人の影が斜面を駆け下りてきて、息が整わないまま口を開いた。
「北側の観察点が切れた。二人とも戻っていない」彼は言った。「境界線に蹄の跡。馬じゃない」
蹄の跡。
俺と老いた男は目を合わせた。
これ以上の説明は要らない。
C.A.L.F.が動き始めた。
夜でも、明日でもない。
今だ。
しかも闇雲じゃない。最初に修道院に入った組を、ずっと探していた可能性が高い。ただ正確な位置を掴めずにいただけだ。地図と銀鍵が表に出た瞬間、匂いがはっきりした。
老いた男の顔色は、生鉄を飲み込んだみたいに重くなった。
「お前の言う通りだった」彼は言った。
「こういうことで外れることは少ない」俺は返した。
自慢じゃない。事実だ。
修道院のあの血は、最初から終わりじゃなかった。導火線だ。
老いた男は振り返り、自分の連中に命令を下した。速くて硬い声だ。影たちはすぐに散った。暗い水が割れ目に退くみたいに。こういうとき彼らは俺たちと肩を並べて残らない。「よろしく」とも言わない。山の連中が一番山らしいのはここだ——危険が来れば、それぞれが生き延びられる斜面を先に探す。
俺も止めなかった。
「撤退する」俺は言った。
バローロ神父はすぐに車に乗り込んだ。一切の迷いがない。林雨瞳は袋を胸に押し込んで、封を確認した。ヴィクトリアは乗り込む前に遠くの稜線を最後に見て、低く言った。
「あの鐘、一か所じゃない。誰かが繋いでいる」
「わかっている」俺は言った。
車のドアを開ける前に、最後に老いた男を見た。
彼は古い岩みたいにその場に立っていた。目の敵意はほとんど消えて、見苦しい諦めだけが残っていた。
「周士達」彼は言った。「修道院の血の分、本当に清算しろ」
俺は車に乗り込み、ドアを閉める前に一言だけ残した。
「物を受け取った以上、清算する」
エンジンがかかると同時に、二度目の鐘がさらに低い山腹から響いた。地底で黒い釘を誰かが打っているような音だ。バローロ神父がアクセルを踏み込み、車を砕石の地から押し出した。タイヤが地面を噛み、車体が下り坂へ切り込んでいく。バックミラーの中で、補給小屋も、林の縁も、あの影たちも、後ろへ流れていく。
俺はもう振り返らなかった。
地図は俺たちの手にある。
銀鍵も俺たちの手にある。
C.A.L.F.はもう匂いを掴んだ。
それで十分だ。
林雨瞳は袋を押さえながら、最も平静な声で報告した。「接触完了。遺失物回収。後方追跡、可能性極大」
「可能性じゃない」俺は言った。
「では確定に修正」
ヴィクトリアは窓の外を流れる山の稜線を見つめ、低く付け加えた。「もし本当に蹄の跡なら、来るのは普通の人間じゃない」
「最初から普通だとは思っていない」
バローロ神父の両手はハンドルをしっかり押さえ、声は先ほどより冷たかった。
「では今から、修道士たちの清算を始められる」
俺は前方に続く下り山道を見ながら、手袋を締め直した。
「あと一歩だ」俺は言った。
「何が?」
「C.A.L.F.を穴から引きずり出すことだ」
三度目の鐘がさらに遠くで響いた。山が内側から誰かに殴られたみたいに、空気の中のわずかな清潔さが全て砕けた。
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