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144.利と害 1

この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。

俺たちは二時間後にバルセロナを離れた。


サイレンもなし、車列もなし、山の連中に政府の匂いを事前に嗅ぎつけさせるような動きは一切なし。ハビエルは結局、主力を外周に押さえて、俺には極細の接触ラインを一本だけ渡した。ルシアは調べ上げたダミー会社の資料、資金の流れ、修道院の第一次法医学摘要を防水の紙袋に封じて渡してきた。保険のかかっていない刃だが、人の皮を切り裂くには十分だ。


山に入るのは四人だけ。


俺、バローロ神父、林雨瞳(リン・ユートン)、ヴィクトリア。


この四人だけだ。


これは勇敢さじゃない。節制だ。


S.O.M.B.R.A.みたいな連中に、十人で入れば包囲と見なされる。一人で入れば自殺と見なされる。四人なら、自殺でも待ち伏せでもなく、誰も認めたがらないが話さざるを得ない厄介事を交渉しに来たと思わせられる。


K7は山に入らなかった。


バローロ神父は道中ずっと不満そうだったが、受け入れた。あの車は重すぎる。鋼板に刻まれた宣言書みたいなものだ。今日必要なのは細い一本の線であって、山に叩き込む榴弾じゃない。結局、スペイン政府が用意した灰色の四輪駆動車を使った。車体に標識はなく、ガラスは濃い色で、林野局か地質調査隊が使う作業車にしか見えない。車は偽装だが、任務は本物だ。


運転は相変わらずバローロ神父。


林雨瞳(リン・ユートン)は助手席で、時刻、経路、通信ノードを膝の上のノートに記録していく。


ヴィクトリアは後部座席の左側で、足元に工具箱を固定している。


俺はその向かいに座り、ルシアの防水紙袋を膝の上に押さえていた。まだ開封していない判決書を押さえているみたいに。


バルセロナから北へ向かう道は、進むにつれて乾いていった。


街の壁、看板、ガラスのカーテンウォールが一枚ずつ後ろへ流れ去り、代わりに低い丘陵、古い石垣、風化した樹形、そして何十年も前の戦争に一口噛まれたまま完全には元に戻れなかった山が広がっていく。こういう場所には共通点がある。昼間でも本当には気を緩めさせてくれず、夜でも本当には全体を見せてくれない。秘密を隠しているわけじゃない。まだ完全には死に絶えていない「用途」を隠している。


俺は道中、ほとんど口を開かなかった。


こういう接触で、山の中で本当に使える言葉は少ない。車の中で喋れば喋るほど、山に入ってから繰り返すことになる。繰り返しは虚ろに見える。虚ろな人間は長生きしない。特に影の前では。


三時間後、俺たちは幹線を外れて、古い補給路に入った。


道幅は両側の灌木と木の枝が車体を擦るほど狭く、地面は砕石と雨水が刻んだ浅い溝だらけだ。バローロ神父は速度を一定に保った。速くもなく、遅くもない。こういう道を走るとき、彼は読経しているみたいだ。無駄な動作も、迷いもない。山道で一番怖いのは二種類の人間だ。急ぎすぎる者と、怖がりすぎる者。前者は転落し、後者は死ぬ。神父はどちらでもない。


接触点は半分崩れた補給小屋だった。


石壁は残り、屋根は半分だけ。扉の枠はとっくに消え、歪んだ鉄の蝶番が一本ぶら下がっているだけだ。外から見れば、ピレネー山脈の縁に転がっている打ち捨てられた廃屋と変わらない。だがルシアは言っていた。こういう場所こそが古い接触点に最適だ、と。あまりにも廃墟に見えすぎるからだ。本当の接触点は一番深く隠れた場所ではなく、誰もが一瞥して「何もない」と思う場所にある。


車を止めても、俺はすぐには降りなかった。


周囲を一通り見る。


左の斜面には二、三人隠れられる。右後方の林帯にさらに二人埋められる。上方にひび割れた岩稜があり、本気で狙撃を構えるなら、そこが一番楽なポジションだ。風は北から来ている。乾いていて、松脂と石灰の匂い。新しい煙はない。つまり、向こうが俺たちの接近を知っていたとしても、まだ風に人間の匂いが乗る距離までは詰めてきていない。


「まずは手順通りに」俺は言った。


林雨瞳(リン・ユートン)が頷いて、ルシアから預かった接触用の品を一つずつ取り出した。


一つ目、短く削った白いチョーク。


二つ目、燃やしたが完全には黒くなっていないマッチ棒。


三つ目、雷管のない古い九ミリ弾の薬莢。


儀式じゃない。暗号だ。


ルシアの説明では、S.O.M.B.R.A.の連中には古いゲリラの癖が残っている。電子信号を信じず、現代的な仕掛けも好まない。その代わりに、こういう土臭くて機械には解読されにくいものを信じる。白チョークは補給小屋の右側石柱の内面に描く。正面からは見えず、中に入った人間にしか見えない位置だ。マッチを二つに折るのは、伝言ではなく面談を求めているという意味。雷管のない薬莢は鉄箱に入れる。口は持ってきたが、先に撃つ気はないという意思表示だ。薬莢の口が上向きなら一方的な条件提示。下向きなら、相手の条件を聞く用意があるというサインだ。


俺は薬莢を口が下になるよう鉄箱に入れた。


それから林雨瞳(リン・ユートン)が、本当のメッセージを一枚差し込んだ。そこには一行だけ書かれていた。


修道院の後、まず雇い主について、それから死者について話す。


署名はない。


必要もない。


バローロ神父は補給小屋の外に立ち、黒い古い石碑のように何も言わなかった。ヴィクトリアは小屋の周りを一周して、裏の石壁と窓穴を確認し、戻ってきて俺に一言だけ言った。


「この場所、過去に三回以上再利用されてる。窓枠の下縁に、年代の違う刃物痕がある」


「普通だ」俺は言った。


影というものが入口を一つしか持たないなら、影とは呼ばない。


物を置いた後も、俺たちはすぐに車には戻らなかった。


俺は補給小屋の前で、一番遮蔽物のない場所に立った。そこには隠れる場所がなく、上の斜面からも一番よく見える。わざとその場所を選んだ。こういう接触で壁の陰に隠れていたら、最初から嘘をつく気だと思われる。山の掟は単純だ。話したければ、まず自分を見える場所に出す。話したくなければ、隠れる。


最初の十分間、何もなかった。


風が吹き、砕石が時々転がり、遠くで鳥が一声鳴いてまた止んだ。


二十分後、車の左前輪の傍に松ぼっくりが一つ増えていた。


落ちてきたのではない。


上から投げられ、意図的にその位置まで転がされたものだ。


最初の返答が来た。


林雨瞳(リン・ユートン)が俺を見た。俺は頷いて、動くなと目で示した。松ぼっくりは、接触物を確認し、「大部隊による包囲ではない」という信号を受け入れたという意味だ。次の返答が遅れれば、まだ会うかどうか決めかねている。来れば、本当の接触手続きに入ったことになる。


三十二分後、補給小屋の中から、ごく軽い金属音が聞こえた。


俺たちの誰も中には入っていない。


俺も振り返らなかった。


風では鳴らない音だ。あの薬莢が、誰かの手で起こされた音だ。


意味が変わった。


まず俺たちの話を聞く、ということだ。


上等だ。


警戒はしているが、俺たちを山に埋める気はまだない、ということだ。


俺はそこで口を開いた。スペイン語で、声は張らず、特定の方向にも向けない。


「四人だ、尾行なし、外周は山に入っていない」俺は言った。「山羊を捕まえに来たわけでも、弔辞を読みに来たわけでもない。誰かがお前たちを使って扉を開けさせ、後から死体でお前たちに罪をなすりつけようとしている。それでもまだ聞こえないふりができるなら、今日俺が来たのは場所違いだ」


返事はなかった。


だが右後方の風が少し変わった。天気のせいじゃない。誰かが位置を変えた。林の中の、あの細い圧迫感が本当の形を取り始める。人は見えない。だが少なくとも三から五つの銃口がそれぞれ角度を定めて、次の一言が一発分の価値があるかどうかを待っているのはわかる。


焦らない。


焦れば、向こうが半分勝つ。


この種の駆け引きは戦いと同じだ。相手を本当に圧せるのは、声の大きさじゃない。どちらが先に沈黙に負けるかだ。


最初に声が出たのは、上の石稜の向こうからだった。


「東洋人」その声は粗く、しゃがれていた。石が古い木を削るような乾いた感触がある。「お前の口上は命令口調だな」


「じゃあ乞食みたいに書けばよかったか?」俺は返した。


一秒の沈黙。


左の林の縁から先に二人出てきた。服の色は山の土と古い布地に揉まれて、記憶に残りにくい暗い灰色になっている。銃は低く構えている。緩んでいるわけじゃない。いつでも上げられる位置だ。続いて右側からも二人。一人は若く、一人はやや細い。どちらも目が落ち着かない。最後に、その老いた男が上の斜面からゆっくり降りてきた。左足に古傷がある。だが歩き方は安定している。凄みで立っているタイプじゃない。多くの人間より長く生き延びてきたから、もう何も証明する必要がないタイプの立ち方だ。


彼は二十歩手前で止まった。


この距離は計算されている。


互いの表情が読めるほど近く、どちらが先に銃を抜いても一段の反応時間が残るほど遠い。


彼はまず俺を見て、次にバローロ神父を見て、最後に灰色の車を見た。順番が正しい。今日話せる人間が誰で、どの人間が口を開いた瞬間に山の人間には手に負えない話になるかを、わかっている目だ。


「位置を売りに来たんじゃないことを証明しろ」彼は言った。


俺は言い返さず、振り返って林雨瞳(リン・ユートン)に目で合図した。


彼女は補給小屋の入口まで歩き、防水紙袋を地面に置いてから下がった。終始、両手は体から離れ、掌は外を向いていた。これが第二の暗号だ。資料は地面に置く、体に密着させて渡さない。意味は単純だ——中に刃はある、だが拾うかどうかはお前が決めろ。


老いた男は動かなかった。隣の若い方が先に進み出て、銃は肩から外さずに紙袋を開けた。一枚目はダミー会社の法人関連の構造図。二枚目は資金のジャンプ送金。三枚目は修道院の法医学初期摘要。四枚目は現場写真二枚。写真のページを開いたとき、彼の顔色が変わった。「初期の拘束痕と後期の致命傷が一致しない」と書かれた摘要のページで、彼は顔を上げて老いた男を一度見た。その目には、最初の敵意だけでなく、認めたくない不安が初めて混じっていた。


老いた男がその紙を受け取り、ゆっくりと読んだ。


俺は急かさなかった。


こういうときに急かせば、向こうは「わからない」と言って全部突き返す口実を作る。自分で見て、自分の頭の中で線を繋がせる。それが百の言葉より効く。


読み終えた後、彼はダミー会社のことも写真のことも先に訊かなかった。訊き方が正確だった。


「どの分をうちに押しつけるつもりだ?」


これが古参の問い方だ。


お前が何を知っているかを先に訊かない。お前が何をなすりつけるつもりかを先に訊く。


「修道院の虐殺は、お前たちの分じゃない」俺は言った。


「だが?」


「だが最初に院に入ったのはお前たちだ」俺は言った。「この事実は消せない」


影の連中の何人かが顔色を沈めた。一番若い男が半歩前に出た。銃口で少し面子を取り戻そうとするみたいに。老いた男は止めなかった。俺が次の言葉まで言い切れるかどうかを、自分も見たかったからだ。


俺は言い切った。


「お前たちは入って、縛って、制圧して、扉を開けて、物を取った。修道士は殺していない。だがお前たちが扉を別の連中のために開けた。後から入った連中は物を見つけられず、修道士を全員殺した」


若い方がついに堪えきれなかった。「てめえ——」


「黙れ」老いた男は彼を見もせず、二文字だけ落とした。


それから俺に視線を戻した。


「二組だと、なぜ確信できる?」


俺は手を上げて、紙袋の中の数枚を指した。


「最初の組は時間を節約していたからだ」俺は言った。「扉は先に正規の方法で開けて、後から破壊を加えている。人は先に縛って押さえて、急いで血を流さない。地下室に連れて行かれた者は、殺すためじゃなく開けさせるためだ。これは取得作業だ、虐殺じゃない。だが後の組は違う。傷口が激しく、展示が多く、侮辱が重く、吐かせられなければ殺す。これは自白強要失敗後の掃討だ。お前たちが本当に同じ一組なら、時間を精密に計算しながら、同時に死体で黒ミサの飾りつけはしない」


バローロ神父は俺の後ろで一言も付け加えなかった。


それでいい。


同じ言葉でも、教会が言えば肩入れに聞こえる。俺が言えば、現場の読み取りに聞こえる。


老いた男はすぐには返さなかった。写真をあの遺体の配置が写ったページに戻して、もう一度見た。今度は血を見ているんじゃない。順序を見ている。


「今日来たのは、逮捕するためじゃないのか?」彼は訊いた。


「今日は違う」俺は言った。


「では何のために?」


「棺桶の板を外しに来た」俺は言った。


この一言で、彼の目がわずかに動いた。


俺は一歩前に出た。全員に聞こえるが、突っ込んでくると誤解されない距離だ。


「お前たちが持ち去ったのは、山の中で消化できるものじゃない」俺は言った。「地図と銀鍵が修道院を離れた瞬間、お前たちは荷物を奪った側から、荷物そのものになった」


誰も口を挟まなかった。


こういうとき、先に声を出した方が先に腹を見せる。


俺は続けた。「教皇庁が欲しがっている。スペイン政府も欲しがっている。C.A.L.F.はもっと欲しがっている。お前たちは戦利品を抱えているつもりでいる。実際には、光る標的を抱えている。山のことを本当にわかっているなら、何を埋められて、何が埋められないかは知っているはずだ」


今度は老いた男より先に、隣の細身の中年男が冷たく口を開いた。


「なぜお前を信じなければならない?」


「信じなくていい」俺は言った。「だがこれは信じた方がいい」


紙袋から最後の二枚を引き出して、前に投げた。紙は舞い上がり、砕石と枯れ草の間に落ちた。そこにはあのダミー会社の上流構造と、ルシアが丸で囲んだ歴史的な偽名ノードが書いてある。


「お前たちを雇った人間は」俺は言った。「ワイスマンのラインのダミーだ」


今度は顔色が沈んだだけじゃなかった。場全体が一瞬、硬くなった。


誰かが低く悪態をついた。


誰かの銃口が半インチ下がった。


誰かは何かに吐き気を感じながら、それでも吐き出せないでいるみたいだった。


この名前の全てをわかっている人間ばかりじゃない。だが十分にはわかっている。


S.O.M.B.R.A.は政府が嫌いでいい。教会が嫌いでいい。外来者が嫌いでいい。だが自分たちの山の血がどこから来たかをまだ覚えているなら、ファシストの古い線のために錠を開けていたと知って、喜べるはずがない。


老いた男はゆっくりと身をかがめて、その二枚を拾い上げた。


この動作自体が、もう答えだ。


完全に信じていないなら、自分の手で拾いに行かない。


読み終えた後、彼は初めて俺をすぐには見なかった。先に自分の仲間を一通り見渡した。問いかけじゃない。確認だ。お前たちも、あの腐った匂いを嗅いだか。


それから視線を俺に戻した。


「もう一度その名前を言え」


「ワイスマン」俺は言った。


「証拠はあるか?」


「今夜お前たちが眠れなくなるには十分だ」俺は言った。「お前たちが今回自分で荷物を探したんじゃなく、誰かの道具として使われたことを俺が知るには十分だ」


こういう刺し方を誰も好まない。


だが真実を飲み込ませるとき、最初の一口を小さく切りすぎてはいけない。


俺は老いた男を見て、一言ずつ押し込んだ。

「とても面白い」★四つか五つを押してね!


「普通かなぁ?」★三つを押してね!


「あまりかな?」★一つか二つを押してね!

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