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142.惨劇  2

この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。

誰かが警察を早めに呼び寄せた。だがタイミングは絶妙じゃなかった。二通りある。犯人が意図的に保険をかけて、事件が必ず表沙汰になるようにしたか。それとも、別の一組がここで何かが起きることを知っていて、匿名通報しかできなかった、止める度胸はなかった。どちらも都合が悪い。


「覚えておけ」俺は言った。「他の誰にも言うな」


「わかった」


しばらくして、地下室の方からさらに大きな騒ぎが起きた。警官二人が折り畳み担架を抱えて出てきた。上には黒い布が掛けられ、その下の人型は細かった。老神父はその高さと肩の形を見た瞬間、崩れ落ちそうになった。足りなかった一人は死んでいなかったわけじゃない。もっと奥に引きずり込まれて、後から発見されただけだ。


法医学者が歩み寄り、黒布の端をめくった。眉が深く寄った。何も口にしなかったが、その表情だけで十分だった。地下室の遺体は、ただ死んでいたんじゃない。死ぬ前に扉を開けさせられ、何かを渡させられ、用が済んだ後に処分されたように見えた。


バローロ神父が低く訊いた。「まだ取得物が優先だと思うか?」


「より確信した」俺は言った。「地下室の管理人は最初に殺されていない。最後まで使い倒してから捨てられた。これは怒りじゃない、手順だ」


「ならこの先、面倒なことになるぞ」


「ローマを出てから、面倒じゃなかった日があったか」


彼は何も返さなかった。反論の余地がないことを、最初からわかっていたように。


時間が経つにつれ、院の中の人数は増えていった。だが空気はむしろ冷えていく。衝撃が尽きたからだ。後に残るのは手続きだけ。手続きは公権力の本当の牙だ。怒鳴らない、血も流さない。だが人を一層ずつ剥いで問い詰めていく。


案の定、警官がすぐに歩み寄ってきた。後ろには刑事二人と法医学者が続く。


「まず確認しておく」彼は俺を見て、バローロ神父も見た。「現時点で、あなた方を現行犯とは見ていない。しかし最初に現場に入った者であり、外来グループでもある。全員、正式な調書が必要だ。今夜ここでは終わらない」


「どこへ連れて行く?」俺は訊いた。


「バルセロナだ」彼は言った。「山の上では完全な手続きが取れない。教区も、生き残った関係者と最初の発見者を連れ戻すよう求めている」


「俺たちは生き残った修士じゃない」俺は言った。


「現場関係者だ」即座に返ってきた。「それで十分だ」


文句のない答えだ。俺が同じ立場でも同じようにする。


「車の手配は?」俺は訊いた。


一瞬、直球すぎて意表を突かれたように、彼はわずかに止まってから言った。「分乗だ。一部は警察車両、一部は教区の車に乗ってもらう。あなた方の重車両はここに残して、技術員が外観を確認してから。もう一台も検査が必要だ」


「K7は残せない」バローロ神父が口を開いた。


警官が向き直った。「なぜだ?」


「我々の装備プラットフォームだからだ」バローロは言った。「山上に置いたまま誰にでも解体されるわけにはいかないものが入っている」


「ここは今、事件現場だ」


「だから協力しないとは言っていない」バローロの声は相変わらず平静だったが、その奥の芯が出てきた。「外部確認、封印、伴走での下山、それは受け入れる。だが山奥の辺鄙な修道院の外に置いて、夜明けに教区の人間が半分集まって見物する状況は作れない」


警官は彼を見た。この神父が交渉の使い手なのか、単純に殴りたいだけなのか、測っているような目だった。最後に彼はK7を一度見て、院いっぱいの遺体を一度見て、まず本筋を取ることにした。


「わかった」彼は言った。「封印、警察車両の伴走、バルセロナの指定場所まで直行だ」


バローロがわずかに頷いた。「それが人の言葉というものだ」


俺は笑いそうになったが、堪えた。


点呼が始まった。


警察は全員に身分、国籍、現場入りの時刻、遺体への接触の有無、武器携帯の有無を申告させた。この一巡目は粗い。本当に細かいのは市内でやる。林雨瞳(リン・ユートン)は任務記録を提出するように、淀みなく答えた。葉綺安(イェ・キアン)(シキ)は抱えている保温ボトルを余分に見られた。警員が何かと訊いたので、俺の指示通り、私的な収容用品とだけ答えて、それ以上は言わなかった。相手は納得していなかったが、バローロ神父の書類と俺の視線の前で、強引には出なかった。


エリザヴェータの番になったとき、場が半拍止まった。


「名前」警員が訊いた。


「エリザヴェータ」


「年齢」


彼女は相手を見て、唇をごくわずかに動かした。「五百九十六」


その若い警員は難癖をつけられたと思ったのか、顔つきが一気に険しくなった。俺は横から一言添えた。「冷たいジョークが好きなんだ。成人に見えれば十分だろう」


エリザヴェータがちらりと俺を見た。自分の本当のことを冗談にされたのが気に入らない、という目だった。だが彼女は否定しなかった。今はそういうことをする場面じゃない。


蕾切爾(レイチェル)が名前を答えたとき、声は小さかったが、それなりに安定していた。地元教区の女書記官が横で聞いていて、名前と素性を聞いた瞬間、顔を上げた。その目には色々なものが入っていた。驚き、ためらい、口に出せない連想。俺はそれを見ていたが、手は出さなかった。今すぐ一番急ぎの問題じゃない。だがいずれそうなる。


マリアの申告は最も簡潔だった。補足もなく、説明もなく。警員が食堂に入ったかと訊けば、入ったと答えた。何を見たかと訊けば、死体と答えた。遺体に触れたかと訊けば、触れていないと答えた。他に補足することはあるかと訊けば、ないと答えた。記録担当の警員は明らかに言葉に詰まっていたが、それ以上どうにもできなかった。


バローロ神父の番になると、彼は身分、任務、権限、経路を一息に述べた。速くはないが、鈍い刃をゆっくりテーブルに押し当てるようだった。相手が割り込もうとしても割り込めず、ただ記録するしかなかった。この人が外交官にならなかったのは、本当に惜しい。


俺が最後だった。


「現場に入ってから最初にどこへ行った?」警官が直接訊いてきた。


「食堂だ」


「なぜ?」


「血の匂いが一番濃かったから」


「その後は?」


「厨房、裏口、小聖堂、資料室」


「なぜ資料室に行くとわかった?」


「ここは単純な虐殺じゃないからだ」俺は言った。


彼のペン先が一瞬止まった。


「説明しろ」


「死体の配置が機能的すぎる。入口は足止め点、食堂は制圧点、裏口と厨房は退路封鎖、小聖堂は展示、資料室が目標区域。それに今確認された欠損と地下室の鍵を合わせれば、これをただの殺人現場として扱ったら、向こうの筋書き通りに動かされることになる」


警官は俺を見た。眼差しは友好的とは言えないが、最初の頃の単純な疑いとも違う。別の何かだ。最初はただの容疑者として扱うつもりだったのに、使えるかもしれない厄介者だと気づいたような目。


「前は何をしていた?」彼は訊いた。


「生きていた」俺は言った。


彼は小声で悪態をついて、隣の記録係に今のやり取りを書き留めさせた。


問答の途中で、法医学者から二度目の暫定口頭所見が出た。国境合同検問の時刻、ガソリンスタンドの監視カメラ、俺たちが越境時に残した記録が、最も遅い死者の死亡推定時刻と一致しない。つまり少なくとも、主要な殺戮が行われていた時点で、俺たちはまだ道の上にいたということだ。完全な白とは言えないが、容疑を「直接の実行犯」から「関連する第一発見者」へ引き下げるには十分だった。


その報告が出た途端、警察の銃口が俺たちに向く角度は変わった。だが封鎖はむしろ厳しくなった。実行犯でないとわかれば、もっと多くのことを知っている可能性がある。捜査する側にとって、そういう人間こそ逃がしてはならない。


教区側でも亀裂が生じ始めた。


老神父は教会内部でまず遺失物を確認してから、外部への公表範囲を決めるべきだと主張した。女書記官は、事態はもう隠せる規模を超えていると判断していた。特に消えたのが旧名簿と移転台帳である以上、この一つの辺鄙な修道院だけでは済まないかもしれない。若い助祭は壊れかけた時計みたいに、「地下室に誰かが入った」「フェデリコ神父がいなくなって、また見つかった」「ここは外部の人間が知るべき場所じゃなかった」という言葉を繰り返すだけだった。


その最後の一言を聞いた瞬間、俺は振り向いた。


「外部の人間が知るべきじゃなかった、とは何のことだ?」


若い助祭はぎくりとした。言い過ぎたと気づいた顔で、みるみる青ざめた。老神父がすかさず遮った。「今あなたが知る必要はない」


「ではバルセロナで聞く」俺は言った。


老神父は俺を見た。その目に初めて、純粋な拒絶ではない何かが混じった。みっともない生存本能の気配だ。ここまで来れば彼自身もわかっている。「これは辺鄙な修道院の話に過ぎない」という考えはもう死んだ。問題は面子が守れるかどうかじゃない。まだ一緒に掘り返されていないものが、どれだけ残っているかだ。


夜が深まるにつれ、山の気温がまた一段落ちた。警察が携帯照明を立て、院全体が即席の手術台みたいに白々と照らし出された。遺体袋が一つずつ並べられ、地面のマーカーが増えていく。ファスナーを引き上げる音はどれも短く、乾いていた。小口径銃のボルトが戻るときの音に似ていた。


俺は壁に背をもたせかけて立っていた。手にタバコはない。吸いたいとも思わなかった。こういうときは、肺より頭の方が役に立つ。


エリザヴェータが隣に来た。口を開いていないんじゃないかと思うくらい、声が低かった。「消えたのは紙だけではないぞ」


「他に何が?」


「金属の匂いが薄くなっておる」妾は言った。「普通の銀器ではない。長期間、密閉された空間に保管されていた古い金属だ。それと蠟、革、骨壺の蓋のようなもの。資料室から消えたのは帳簿、地下室から消えたのはおそらく現物であろうな」


「早く言え」


「そなたはあの時、生きている人間の反応を見るのに忙しかった」彼女は淡々と返した。「わかるものと思っていた」


俺は反論しなかった。彼女の言う通りだ。


つまり相手が持ち去ったのは単なる情報じゃない。互いに対応する一式だ。冊子、封印、鍵、地下室の何かの現物。どれか一つだけ持ち去っても意味がない。単独では使いにくく、証明もしにくい。一組ずつ揃えて初めて価値が出る。これは盗難というより、回収に近い。


「バルセロナに戻ったら」俺は言った。「教区の人間と不用意に話すな」


「彼らが自分のどちら側に立っているかわかっていないのを恐れているの?」


「彼らが認めている以上に知っているのを恐れている」


彼女が笑った。ガラスが石を引っ掻くような、冷たい笑い方だった。


夜明け近くになって、警官がようやく手続きを次の段階へ進めた。


「聞け」彼は院の中央に立ち、俺たちと教区の一行に向けて声を張った。「現場の第一次検証は完了した。遺体、物証、技術撮影は引き続き担当者が処理する。第一発見者、関係者、教区代表の全員は、正式な調書作成のためバルセロナへ同行してもらう。コーヒーに招待しているわけじゃない。途中離脱は認めない。口裏合わせも認めない。車両は警察が伴走する。装備と私物は基本検査の後、下山させる。今から班分けを始める」


この言葉が出た途端、老神父が明らかに抗議しようとしたが、バローロ神父の一瞥に押し込まれた。地元教区の女書記官はむしろ肩の力が抜けたように見えた。彼女にとってバルセロナへ戻ることは、少なくとも手続きが引き継がれることを意味する。この屠殺場の傍らで気力だけで踏ん張らなくて済む。


「どう分ける?」俺は訊いた。


警官はリストに目を落とし、俺たちの一行を見た。「バローロ神父がK7を運転、警察が前後につく。二台目はあなた方の人間が運転するが、警員が同乗する。残りの教区関係者は教区車と警察車両に分乗。バルセロナ到着後、別室で個別聴取」


「同乗するのは誰だ?」俺は訊いた。


「刑事一名、警員一名だ」彼は言った。


「構わない」俺は言った。


この程度はまだ面子を立てた扱いだ。本気で締め上げるつもりなら、もっとバラバラに引き離すこともできただろう。


バローロ神父はK7の傍へ行き、鑑識員が最後の外観写真を撮り終えて封条を貼るのを待ってから、乗り込んで計器を確認した。俺は車のドアの傍に立って、灰黒の車体に貼られた白い封条を見ていた。猛獣の口に安物の包帯を何重にも巻いたようだ。見た目は縛れても、本質は縛れない。


ヴィクトリアはシュトゥルムシュライターの外部固定フレームを点検し、誰かに触られた形跡がないか確かめた。林雨瞳(リン・ユートン)はここまで書き留めてきた時刻と出入り記録をもう一度照合し、国境通過の時点まで整理し直した。葉綺安(イェ・キアン)(シキ)は二台目に先に乗るよう指示された。保温ボトルは手放さない。蕾切爾(レイチェル)は乗り込む前に振り返って修道院を一度見た。一晩眠れなかった人間みたいに顔が白かった。実際、一晩眠れていなかった。マリアが最後に動いた。遺体袋が積まれていくのを眺めて、それでも目に何の波紋も立てないまま、俺の傍を通り過ぎるときに一言だけ言った。


「狂信者がやったんじゃない」


「わかってる」


「狂信者ならもっと殺す。ここの連中は時間を節約していた」


俺は彼女を見た。「気づいていたか」


「目は見える」彼女は言った。


この女の言葉はいつも刀の峰みたいだ。鋭くはない、だが重い。


空の端が灰色に滲み始めた頃、山道の下にまた一列の灯りが見えた。増援じゃない。俺たちを迎えに来た車列だ。バルセロナはまだ遠い。手続きはもっと遠い。この夜はまだ始まりに過ぎない。


俺は院の門口に立って、最後にもう一度その修道院を見た。


白壁が照明に照らされて蒼白く浮き上がっていた。皮を剥がれた骨格みたいだ。院の中の血痕はまだ洗われていない。風が吹いても一滴も減らない。数時間前、俺たちはここを休憩地点だと思っていた。少し整えて、息を入れて、ここまでの疲れを一時でも降ろせる場所だと。だがここは休憩地点じゃなかった。事前に中身を空にされた保管箱だ。中にいた人間は全員解体され、箱は掘り尽くされ、蓋と匂いだけが残された。後から来た者が自分でここで何が起きたかを理解するために。


これは単純な虐殺じゃない。


虐殺は結果であって、目的じゃない。


目的は持ち去られた数冊の帳簿の中に、地下室で開けられた錠の中に、最後まで生かされた管理修士の中に、匿名で事前に入れられた通報の中に、誰かが意図して整えた死に方と死の順序の中にある。相手は憂さを晴らしに来たんじゃない。回収しに来た。尻尾を切りに来た。この山から、ある一本の線を根こそぎ引き抜きに来た。


そして俺たちは、その後始末が終わった直後に到着した。


警官が俺に向けて手を上げ、下山の準備を促した。


俺は頷いて、振り返って車に乗った。


K7のエンジンが再び目を覚ました。鉄の鎖を呑み込まされた獣みたいな、低く重い音だ。バローロ神父はハンドルを握って前を見ていた。顔に表情はない。林雨瞳(リン・ユートン)は斜め後ろに座り、手帳はまだ膝の上に開いたままだ。ヴィクトリアは工具箱を足元の固定スロットに押し込んだ。外では警光灯が回り始め、青い光が一閃ごとに修道院の壁面を舐め、俺たちの車窓も舐めた。


二台目の車には、葉綺安(イェ・キアン)(シキ)蕾切爾(レイチェル)、エリザヴェータ、そしてマリアが全員乗り込んでいた。警員が助手席のドアを引いて座った。動作がひどく慎重で、まるで事件そのものより厄介な何かに座り込んでしまわないよう気をつけているみたいだった。


車列が動き出す直前、俺が最後に聞いたのは、山風に切り刻まれた無線機のスペイン語だった。


意味はこうだ。全員下山、バルセロナへ戻れ、正式な取調べを開始する。


上等だ。


山の上で死体を前に呆けているより、街へ戻って生きている人間を相手にする方がいい。死体が教えてくれることには限りがある。本当に何かを隠しているのは、まだ生きていて、まだ嘘をつけて、まだ自分が持ちこたえられると思っている連中だ。


車体が一度沈み、K7が砕石を踏んで、ゆっくりと向きを変えた。

「とても面白い」★四つか五つを押してね!


「普通かなぁ?」★三つを押してね!


「あまりかな?」★一つか二つを押してね!

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