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142.惨劇  1

この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。

食堂から出た時、ちょうど外の風向きが変わった。


山の夜風にはたいした匂いがない。普段は石灰と湿気と枯草、時々古い木が湿って酸っぱくなった匂いが混じる程度だ。あの夜は違った。風が院門から吹き込んで、まず外に停まっている二台の車を舐め、次に俺たちの体を通り抜け、最後に建物の中の血の匂いを丸ごと外に翻した。血を吸い込んだ分厚い布を、全員の顔に思い切り叩きつけたみたいだった。


俺は回廊の陰に立って、手袋を片方だけ外し、外壁の石面を触った。冷たく、乾いていて、戻り湿りがない。数時間以内に雨が降っていないということだ。地面の血痕、靴跡、引きずった跡が残っている。これはいい。死人は証言してくれない。彼らが残したものだけが語る。


林雨瞳(リン・ユートン)がドアの横に立って、俺を一瞥したが何も言わなかった。俺が時間を計算しているのを分かっている。葉綺安(イェ・キアン)はマー・サンニャンの入った保温ボトルを胸に抱えて、シキはニウ・シャオチンの入った保温ボトルを上着の下に押し込んで、背中を壁に当て、姿勢は安定している。ヴィクトリアは厨房の外側の脇扉の前にしゃがんで、指で錠の縁をゆっくりなぞっていた。金属の死体の傷を確認するみたいに。エリザヴェータは建物に入らず、食堂の入口の左側に立って、目を細めていた。血の匂いを嗅いだ後で年代を嗅ぎ分け始めた老獣みたいだった。レイチェルは顔が白いまま、それでも退かずに踏みとどまっていた。マリア修道女は誰よりも静かで、中の遺体を見る目は、壊された機械を見る目だった。


K7は院門の外の少し右側に停まっていた。車頭を下り坂に向けて、いつでも後退して方向を変えられる位置だ。二台目はさらに後ろに停まって、退路を空けていた。バローロ神父はエンジンを切ったが、すぐには降りなかった。まず院の中を二回見て、次に俺を二回見た。一緒に来る間に養ってきた阿吽の呼吸だ。どちらが先に厄介事を見つけたか、今は話すべき時か、それとも銃を抜くべき時かを確認し合う。


銃は抜かせなかった。少なくとも今は。


次の瞬間、山道の先に灯りが点いた。


一つじゃない。連なっている。白い光が木々の隙間を切り裂いて、まず修道院の外壁を照らし、次にK7の側面装甲を照らした。遠くからエンジン音が砕石の上を押し上がってくる。リズムは急いでいるが乱れていない。観光客じゃない。地元の農家でもない。通報を受けてそのまま上がってきた公権力だ。


「地元の警察だ」と林雨瞳が低い声で言った。


「教会の人間も来ている」バローロ神父がドアを押して降りて、黒いブリーフケースを脇に挟んだ。


俺は振り返って全員を見た。


「全員落ち着け」と俺は言った。「葉綺安、シキ、位置を変えるな。保温ボトルは手放すな。林雨瞳、時間を記録しろ。最初の車が停まった瞬間から、全ての出入りを記録する。ヴィクトリア、もう錠に触るな。見たことは全部頭に入れておけ。エリザヴェータ、まず口を開くな。レイチェル、俺の視界の中にいろ。マリア、黙れ。俺が訊く時以外は」


マリアは俺を一瞥して、静かに頷いた。


「修道女にもそういう話し方をするのか?」バローロ神父が院門に向かって歩きながら訊いた。


「生きている人間には大体そうだ」と俺は言った。


彼は低く鼻を鳴らした。笑いなのか咳なのか分からない。


三台の車が、先頭一台後ろ二台で、門の外の空き地に停まった。先頭は地元の警察車両で、ドアが開くと同時に二人の警察官が降りてきた。手はすでにホルスターに当たっている。後ろのバンに警光はないが、ドアにカタルーニャ教区のマークがある。最後の一台は目立たない濃い色の乗用車で、地元教区が急遽呼んだ行政車だろう。


先頭に立つ警官は四十前後で、肩幅が広く、顔が風と煙草で硬い灰色に焼けていた。降りてから車を見て、門を見て、人を見た。三つ目の視線がK7の上で止まり、眉が明らかにひそんだ。当然だ。あの車は修道院に属さないし、山道にも属さない。こんな場所に停まっていれば、場違いな鋼鉄の獣みたいで、誰が見ても最初に疑う。


「最初に通報したのは誰だ?」彼はスペイン語で訊いた。


バローロ神父が一番前に出て、ミサの経文を読み上げるみたいに平静な口調で言った。「私たちが到着した後、院内の異常を発見し、初期捜索を行い、大規模な死亡を確認しました。主要な出入口は封鎖済みで、遺体は移動させていません。通報したのは私です」


警官は彼を二秒見て、俺と後方の人間を見た。特にレイチェルとエリザヴェータのところで一拍余分に止まった。外来者、夜間、辺鄙な修道院、遺体だらけ、来歴の怪しい車が二台。この組み合わせはどの国でも同じように目立つ。


「全員その場に留まれ。両手を見えるところに出せ」と彼は言った。


俺はゆっくりと両手を腰の横まで上げた。高くも低くもない。


二人の警察官が懐中電灯を持って先に入った。白い光が回廊を照らし、食堂の入口の半乾きの血溜まりを照らした時、光が明らかに揺れた。遺体をまだ見ていないのに、体の方が先におかしいと感じていた。本能は目より速い。


教区の人間も降りてきた。年老いた神父、濃い色のコートを着た若い助祭、眼鏡をかけた女性書記官。老神父は足が速かった。ずっと自分に言い聞かせながら来て、あと数歩で誤解を誤解として証明できると思っているみたいだった。こういう人間は何度も見てきた。普段は書類を管理して、祭具を整えて、文書に署名して、世界は棚の中の台帳みたいに年代順に並んで規則通りに施錠されていると思っている。血を目の前にした時、こういう人間が一番先に崩れる。


バローロ神父が手を伸ばして止めた。


「中は準備のない人間が先に入る状態ではありません」


老神父は受け入れなかった。手を払って押しのけ、声が震えていた。「ここは私たちの教区の院舍だ」


「だから先に伝えています」とバローロは言った。


老神父はもう聞かず、直接敷居を跨いだ。若い助祭が続いた。足取りはまだ安定していた。女性書記官も入ろうとしたが、警官が手を上げて遮り、外に立たせた。


俺は止めなかった。ただ半歩横にずれて、一番短く、一番見栄えの悪い視線を開けてやった。


老神父は食堂の外の長廊下に入って、三歩で止まった。


正面は見えないが、人間がいつ先に固まって、それからぶるぶる震え始めるかは分かる。肩が一気に縮んで、頭が半寸前に出た。自分の見たものを信じられなくて、もう一度確認しようとするみたいに。それから右手が本能的に伸びて壁を掴もうとしたが、壁際の血の染みた数珠に触れた。木の珠が掌の中で滑って、ぱらぱらと床に落ちた。


後ろの若い助祭が一歩前に出て、食堂の中の光景を見た瞬間、顔から血の気が引いた。彼の方が正直で、すぐに後退して、踵がドアの敷居に引っかかり、倒れ込みそうになった。唇が二回動いたが、言葉は出なかった。


警官がようやく前の警察官を押しのけて自分で入った。懐中電灯を上げると、光が食堂の奥まで届いた。テーブルと椅子が倒れ、壁に血が飛び散り、鍋や食器が転がっていて、祈禱の姿勢に無理やり整えられた老修道士の遺体がある。一目見て何事もなかったふりができる現場じゃない。あの血の量、あの切り口、あの誰かに見せるために意図的に作られた姿勢は、誰が入っても心の中でまず一歩後退する。


警官は退かなかった。ただ顎を締めて、低く一言罵倒して、横に半歩ずれて部下に奥まで照らさせた。二人目の警察官がドア際の割り切られた遺体を見た瞬間、呼吸が乱れた。三人目はより直接的で、厨房の方向を照らした途端、壁に向かって乾いた嘔吐をした。


老神父がようやく声を取り戻した。叫ばなかった。問い詰めもしなかった。ただ非常に短い一語を吐き出した。胸腔が何かに圧し潰されて絞り出された息みたいに。


「主よ……」


俺は返さなかった。今夜この場所を上から見ている者はいない。仕事を終えた者が残骸を置いていっただけだ。


マリアが俺の二歩後ろに立って、屋内の最初の反応を見ていた。冷酷に近いほど平静だった。感情がないわけじゃない。感情を後回しにする習慣があるだけだ。老神父がやっと壁を支えにして立ち直り、若い助祭が今にも吐きそうな顔をしている時になって、彼女はようやく一言言った。


「ひどい」


彼女が「ひどい」と言うなら、本当にひどいのだ。


警官が出てきた。手袋もまだ完全に着けていないまま、外の二人の警察官に外周を封鎖するよう命じ、法医と刑事部門を山に呼んだ。それから俺たちに向き直り、一人一人の顔を順に見た。誰が一番犯人らしいか、あるいは誰が一番厄介かを探しているみたいに。


「誰が中に入った?」


「私たちだ」と俺は言った。


「全員か?」


「俺、バローロ神父、それと何人か先に生存確認をした。生存者はいない」


「何に触れた?」


「触るべきドアだけ触れた。遺体には触れていないし、位置も変えていない」


「生存者がいないとなぜ分かる?」


「判断できるからだ」と俺は言った。


俺の口調が気に入らないのは分かった。気に入ってもらう必要もない。


「名前」と彼は言った。


周士達(ジョウ・シーダー)


「何者だ?」


「今ここに立っている人間だ」


彼は俺の顔から正式な答えを探そうとしていた。渡さなかった。バローロ神父がこの時ブリーフケースを開けて書類を取り出した。懇願のためじゃない。全員の時間を節約するためだ。


「私たちは教廷が承認した越境行動を執行中で、目的地は地元教区が指定したこの偏院です」と彼は言った。「到着時に院内が屠殺されていることを発見しました。これは外交問題ではありません。少なくとも今はまだ。地元の重大事件として先に扱ってください」


警官は書類を受け取り、素早く捲った。全部は読めないが、印鑑、署名、授権コード、国境合同検問が残した時刻スタンプは見えた。私たちが普通の旅行者でも、手錠をかけて車に押し込めばそれで済む人間でもないことを知るには十分だった。


「全員院の中にいろ」と彼は言った。「誰も立ち去るな。教区の人間が身元確認に入る。警察が現場検証する。お前たちは待て」


「分かった」と俺は言った。


彼は俺がこんなに素直に応じるとは思っていなかったようで、眉がまた少し締まった。多くの場合、協力することは抵抗より相手を不安にさせる。協力するということは、たいてい自分がすでに一度計算して、自分の立場が保てると分かっているということだからだ。


俺は自分の人間の方を向いた。


「位置を変えるな」と俺は言った。「俺の指示がなければ余分なことを一言も言うな。誰かに訊かれたら名前だけ答えろ。後は俺を待て」


林雨瞳はスマートフォンと紙のノートを両方取り出して、最初の入場者の時間を記録し始めた。無駄な動作のない仕事ぶりで、現場を分と秒に切り刻む機械みたいだった。ヴィクトリアはドアから少し離れて、錠にはもう触れず、ただ目で全ての出入口をスキャンした。機械への理解は人間への理解より信頼できる。現場に偽装された損傷、後付けの痕跡、意図的に作られた破損があれば、彼女には見える。葉綺安とシキは動かず、左右で保温ボトルを守っていた。まだ開封されていない砲弾を二発守るみたいに。レイチェルは壁に寄りかかって、目が安定していないが、まだ踏みとどまっていた。エリザヴェータは両手をポケットに戻して、自分には若すぎる芝居を見ているみたいな表情だった。


地元教区の女性書記官は最終的に中に入った。最初はかなり落ち着いていたが、食堂で二体目の遺体を見た瞬間に固まった。血が怖いんじゃない。身元確認が怖いのだ。誰が誰かが分かる。その死んだ人間が普段何を担当していたか、昨夜何をしていたかが分かる。こういう人間にとって、遺体は数字じゃない。職位で、名前で、毎週同じ書類に繰り返し現れる署名だ。そういう打撃は血より遅く来るが、より深い。


院の外にどんどん灯りが増えた。第二陣の警察車両、法医車、技術捜査車が山道を一台ずつ上がってきた。地元警察が黄色い封鎖帯を張って、院門、駐車区画、二台の車の周囲を全部囲んだ。K7は特別に二回確認された。若い警察官が装甲と側面の架台を近くで見ようとしたが、バローロ神父の一瞥で引き戻された。


「それはあなたの事件現場じゃない」と彼は言った。


警察官は自分の上司を見た。上司は何も言わなかった。それで十分だった。


法医は痩せた長身の中年女性で、髪をきつく束ねて、箱を提げて歩く姿が銃を持っているみたいだった。入る前に一言だけ訊いた。「最初に入ったのは誰だ?」


「私たちだ」と俺は言った。


彼女は頷いて、それ以上訊かなかった。本当に仕事をする人間は分かっている。最初に入った者が遺体を無闇に動かすような馬鹿でない限り、後から驚いて叫ぶだけの人間より役に立つ。彼女は手袋とマスクをつけて、助手を連れて入り、すぐに食堂と回廊の間に消えた。


俺は石柱に寄りかかって、地元警察、教区の人間、法医が次々と入場するのを見ていた。手は出さなかった。こういう時に現場を急いで掌握しようとすれば、後ろめたいことがあるように見える。俺が欲しいのは主導権じゃない。観察する権利だ。彼らに手順通りに一回りさせれば、それまで隠れていた人間や事柄が自分から出てくる。


案の定、二十分後に最初に出てきたのは教区の女性書記官だった。


書類室から出てきた顔が紙みたいに白く、手に灰の染みた一枚のリストを握っていた。紙の端が激しく震えている。警察官を先に探さず、自分の仲間も先に探さず、直接老神父を見た。


「なくなっている」と彼女は言った。


老神父は聞き取れなかったみたいだった。「何が?」


「封印棚の第二層と第三層から、何部かが。それと地下室の鍵箱が空になっている」彼女は唾を飲んだ。一語発するたびに喉が削れていくみたいだった。「訪問調査簿、移転簿、保管封条、それと……古い名簿が」


老神父の顔が一気に崩れた。


警官がすぐに前に出た。「どんな名簿だ?」


女性書記官は彼を見た。唇が乾いていた。この情報を警察に話すべきかどうか考えているみたいだった。バローロ神父は遠くない場所に立っていて、助け舟も出さず、止めもしなかった。これは意図的だ。地元の教会に自分で口を開かせる方が、俺たちが代わりに話すより重みがある。


「修道院が歴年にわたって受け入れ、移転し、一時保管した記録です」と女性書記官は最終的に言った。「一部は……総教区の書類室に長期保管するのが適切でない項目を含んでいます」


「適切でないとはどういう意味だ?」と警官が追及した。


彼女は答えられなかった。あるいは、答えが大きすぎて、この院の中で直接言う勇気がなかった。


俺は彼女の顔を見ながら、頭の中でもう一ピースを嵌め込んだ。


単純な虐殺じゃない。通りすがりの狂人でも、単純な宗教的な憂さ晴らしでもない。リストを持って来ている。誰を先に殺すか、誰を後に残して訊くか、どの棚を開けるか、どの冊子を取るか、どの地下室に入るか、全部順番があった。死人は副産品だ。あるいは主目的を隠す分厚い布だ。


法医は中に四十分近くいてから出てきた。マスクを顎まで下げて、眉が深くひそんでいた。まず警官を探し、二人で院の隅で低く話した。警官は話の途中で俺たちの方を振り返った。視線が明らかに変わっていた。緩んだわけじゃない。「犯人かもしれない」から「少なくとも殺した直後に通報した連中じゃない」に変わっていた。


俺は近づいた。近づきすぎなかった。


警官は俺を一瞥して、半秒迷ったようだったが、最終的に口を開いた。「初期判定では、第一陣の死者の死亡時間は少なくとも六から八時間前。中にはそれ以上のものも。最後の一陣もお前たちが到着するより前だ。新しい事件じゃない」


「つまり俺たちがやったわけじゃない」と俺は言った。


「お前たちに完全に問題がないとは言っていない」と彼は冷たく返した。


「今すぐ信じてもらおうとは思っていない」と俺は言った。「ただ一つだけ知っておいてもらいたい——ここには時間差で行動した人間がいる。まず制圧して、次に物を取り、最後に清場した。単純な殺人じゃない」


法医がそれを聞いて顔を上げた。「中を見たのか?」


「見た」


「あなたの判断は半分正しい」と彼女は言った。「死因と死亡時間の差異が大きく、確かに同一の殺戮ではない。一部の遺体に拘束傷、制圧痕、遅延性失血があり、死ぬ前に長時間圧力をかけられた者もいる。現場に移動の跡もある」


「もう半分は?」俺は訊いた。


彼女は手袋を乱暴に引き剥がし、語気を硬くして言った。「取得物の話でしょ。それを証明するのは資料室と地下室の欠損であって、私の管轄外よ」


「十分だ」俺は言った。


彼女がちらりと俺を見る。反感はない。むしろ黙認に近い。プロが嫌うのは素人仕事であって、結論が一致した相手じゃない。


警官は報告書をいったん仕舞い、振り返って無線機から続々と入る通報の処理に戻った。鑑識員たちは写真を撮り、距離を測り、血痕を標示している。修道院全体が、屠殺場から事件現場へと少しずつ変わっていく。この二つは大きく違う。屠殺場には感覚しか残らない。事件現場には順序が残る。俺が必要としているのは、その順序だ。


バローロ神父がそこへ歩み寄ってきて、公文書ケースを胸元に収めながら、声を潜めた。


「教皇庁には先に報告を入れた」


「返答は?」


「地元の手続きに従え、警察と張り合うな。教区からはバルセロナで上位の者が引き継ぐ。それと——」一拍置いて、「全員、調書を取るよう求められた」


「全員?」


「全員だ」


俺は頷いた。おかしくはない。外国人、教会の権限、越境、辺鄙な修道院での虐殺——どれか一つを取り出すだけでも連行の理由になる。それが今、全部重なっている。バルセロナへ連れて行かれない方がおかしい。


「K7はどうする?」俺は訊いた。


「外観検査のみで封鎖する。分解はさせない。移動式教皇庁装備プラットフォームで、国際的な機密事項が絡むと言っておいた」


「信じたか?」


「信じていない」バローロは言った。「ただ、地元警察とバチカンを同時に敵に回したくないだけだ」


実際的な答えだ。悪くない。


院の反対側で、突然どよめきが起きた。若い助祭が誰かに支えられて出てきた。顔から血の気が失せているのに、手には鍵束をしっかり握ったまま、口の中でスペイン語を繰り返していた。早口すぎて、俺には「全員ここにいるわけじゃない」という数語しか聞き取れなかった。


もう少し近づいて、はっきり聞こえた。


「全員ここにいない……一人足りない……一人足りない……」


警官が眉をひそめて訊いた。「誰が足りない?」


若い助祭が顔を上げた。氷水から引き上げられたような顔色で、視線が激しく泳いでいる。「地下室を管理していた老修士です。フェデリコ神父。ここにいない。鍵も合わない。地下室を誰かが開けたはずです」


俺とバローロ神父は視線を交わした。


エリザヴェータは少し離れたところに立っていた。まるでこの言葉をずっと待っていたかのように、淡々と言った。「言ったであろう。血の匂いが足りぬと。一人、あるいはそれ以上足りぬとな」


警官はすぐに部下を地下室入口の確認へ向かわせた。老神父はもはや立つことさえ覚束なく、壁に手をついて唇を震わせている。女書記官は目を閉じ、頭の中の書架を端から端まで引っ繰り返すように、他に消えたものがないか確かめようとしていた。


俺は地下室へは向かわなかった。その場に立ったまま、修道院全体をもう一度見渡した。


入口の最初の絞殺死体は警告であり、足止め点だ。食堂の二体は、尋問の途中で処理された最初の組。厨房と裏口の二体は退路を塞ぐため。小聖堂の二体は展示だ、裁きの形をした侮辱。宿舎の数体は最後の掃討。資料室の棚は特定の段だけ開けられていた、無差別の捜索じゃない。地下室の鍵は一本足りない、管理人も一人足りない。これは一団が乗り込んで暴れたんじゃない。手順通りに、流れに沿って、死体を隠れ蓑にした仕事をやり遂げた連中の痕跡だ。


林雨瞳(リン・ユートン)が隣に来て、手帳を開いて見せた。


「地元警察の最初の車が止まってから今まで、出入りした人員、時刻、所属——全部記録済み」彼女は言った。「それと、国境合同検問の時刻と、私たちが通過した車のナンバー記録。行程を証明するには十分なはず」


「よくやった」俺は言った。


「もう一つ」声をひそめて、「さっき警察の無線で聞こえた。匿名の通報があったかどうか調べているって。私たちが入れた通報じゃなく、もっと早い一本。内容は一言だけ——『山の修士たちが全員死んでいる』」


俺は視線を手帳から食堂の入口へ戻した。

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