136.レイチェルの証言 3
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
地下の作業場で見た記号は、ナチスのものだけじゃなかった、と彼女は言った。もっと古いものが混じっていた。ドイツ語じゃないものもあった。ラテン語でもないものもあった。文字にすら見えないものもあって、むしろ多くの死者の意志を一つの命令に釘で打ち付けたみたいな形をしていた。あの人たちは死体を動かす方法だけを研究していたんじゃない。戦争の意志が肉体を離れた後も、保存して、駆動して、別のものに再び装填できるかを研究していた、と。
「一人の人間を蘇らせるんじゃない」彼女は言った。「ある種の命令を、生かし続けること」
この一言で、俺の奥歯が締まった。
ゾンビよりたちが悪い。ゾンビはまだ、一つの結果だ。だが彼女が言っているのは、戦争のオペレーティングシステムみたいなものが、一九四五年から誰かにこっそりバックアップされ続けて、皮を替え、サーバーを替え、旗を替えながら、一度も本当にシャットダウンしていないという話だ。
部屋の中で誰も彼女を遮らなかった。
彼女がある言葉を口にするまでは。
Sternkind。
ワイスマンのある計画の中で繰り返し出てきた呼び名だ、と彼女は言った。正式な名称とは限らない。むしろ彼が私的に使う呼び方に近い、と。何人かの子どもたちの服には星が縫い付けられていた。標識のようでもあり、病的な勲章のようでもあった、と。
俺の手の甲の筋が一度、跳ねた。
ワイスマンの顔はまだここには正式に現れていない。だがレイチェルの口からその言葉が出ただけで、部屋の冷たい光が一段、刺さるようになった。
テーブルの後ろの年かさの司祭が、ごく低い声で聞いた。
「自分の手で縫ったのか?」
レイチェルは顔を上げて彼を見た。目が半秒、空になった。一瞬、またあの場所に引き戻されたみたいに。
「ときどきは」彼女は言った。「自分でやることがあった。あの人は……好きだったから」
好きだった。
この言葉が出た瞬間、部屋全体が、見苦しいほど静かになった。
なぜなら、首謀者が必要に迫られてでも、命令に従ってでも、効率のためでもなく、好きだからやっていたなら、それは単純な悪じゃない。病気だ。
俺は何も言わなかった。
口を開いたら、この部屋にもう一套の清掃手続きが必要になる気がしたから。
供述は十一時近くまで続いた。質問が尽きたからじゃない。レイチェルの体力が限界に達したからだ。最後のお湯はとっくに冷めきっていて、彼女の声も乾き始めていた。バローロは適切なタイミングで進行を切り上げた。欲張らず、無理やり絞り出そうともしなかった。それは慈悲じゃない。専門性だ。証言をどこまで押し込んでいけば、出てくるのは破片と誤りだけになるか、あいつにはちゃんと分かっている。
手続きが終わると、主テーブルの後ろの人間たちが順に立ち上がった。録音機材が止まり、赤いランプが消えた。部屋全体が、処置を終えたばかりの機械みたいに、待機状態に戻った。
バローロが立ち上がり、レイチェルの隣に歩み寄った。声は低い。
「今日はここまでだ」
彼女はうなずいた。手はまだカップの上に置いたままで、一瞬、離すのを忘れたみたいに。
エリザヴェータが最初に動いたが、立ち位置のせいで女職員がドアを開けるのを待つしかなかった。顔色はまだ白い。でも目の奥は、さっきよりも深くなっていた。もっと底の見えない場所へ、一段沈んだみたいに。テーブルの後ろの人間たちには何も言わなかった。ただレイチェルが連れ出されてきたとき、半歩だけ彼女の方へ寄った。触れはしない。ただ、少しだけ近くに立った。
今回は、誰も止めなかった。
供述が終わったからだ。
手続きというのは、自分が機械に見えすぎないように、ちょうどいいタイミングで少しだけ人情を施す方法を、ちゃんと知っている。
俺たちも後に続いて外に出た。廊下は部屋の中より少し暗かった。誰かがようやく、人間の目は検査用の照明じゃないと思い出したみたいだ。
俺は一番後ろを歩いた。
廊下を出る直前、銀縁眼鏡の老神父が俺を呼び止めた。
「周士達」
振り返った。
「なんだ」
彼は俺を見た。レンズの向こうの目に、古い疲れがある。
「ベルタスは、お前が台湾を離れる前に、確かに連絡を入れていた」彼は言った。「あの電話がなければ、今日の傍聴にお前の席はなかった」
俺はじっと彼を見て、すぐには返さなかった。
これは自慢でも謝罪でもない。どちらかといえば、不本意な説明だ。意味は単純だ。お前がここに立てているのは、力ずくで押し通してきたからだけじゃない。下の誰かが先にドアを叩いてくれていた。
俺は息を吐いた。ポケットの中の紙切れを握り潰したくなった。
「じゃあ今の俺は何だ」俺は言った。「地獄からの書留郵便を、教廷がサインして受け取ったってことか?」
彼は数秒俺を見てから、言った。
「受け取りではありません」
「じゃあ何だ」
「確認です」
この答えは十分に気持ち悪かった。
そして十分に、洗練されていた。
ベルタスの一言で俺が仲間になったわけじゃない。教廷が下の連中に顔を立てたわけでもない。俺が突然、何か選ばれた存在に格上げされたわけでもない。ただある老いぼれが俺が台湾を出る前に、俺の名前を上に一度突っ込んでいた。上がそれを見るかどうか、どう見るか、見た後で引き続き観察するかどうか、それは黒衣とネクタイの連中が自分で決めることだ。
俺は笑った。
今度は本当に、怒りが笑いに変わった種類の笑いだ。
「汚いことを、本当に層を重ねてやるのが得意だな」
彼は返さなかった。ただ書類を閉じた。今日はもうこういう人間と話す言葉が残っていない、という閉じ方だ。
証言区画を出ると、バローロが外で待っていた。
手に黒い表紙の冊子が増えていた。さっきの間に別の何かを受け取ったらしい。廊下の光が横から顔に当たって、あの灰白色の顔が、燃え残った石膏みたいに見えた。
「十分聞いたか?」彼は言った。
「だいたいな」俺は言う。
「じゃあ戻って休め」
「お前たちと地獄のラインは、いつからだ?」
彼は俺を見た。目に波紋はない。
「起点を知る必要がないくらい、前からだ」
「うまいことを言う」
「なだめているわけじゃない」
「分かってる」俺は言った。「自分を特別だと思うな、という話だろ」
バローロは、うなずいた。
「そうだ」
俺は彼を見て、さっきのスーツの連中よりこの老いぼれの方が、少しだけましだと思った。いい人間だからじゃない。冷酷さに砂糖をまぶさないからだ。手続きが優しいふりをすることも、天の父親がこれを全部知った上でただ眉をひそめるだけだとも、あいつは言わない。ただ、世界がこれだけ汚れているという事実を受け入れて、自分のやり方で前に進むだけだ。
こういう人間は腹が立つ。
でも少なくとも、嘘をつかない。
立ち去ろうとしたとき、バローロがもう一言付け加えた。
「今夜から、内側の動きが速くなる」
「どんな動きだ?」
「教廷自身のものだ」彼は言った。「お前が口を挟む必要はない」
この言葉は信じた。
今日のレイチェルの供述から、もう推測しなくていいことが多くなった。ナチスは死の灰から蘇ったんじゃない。灰は最初から消えていなかった。金の流れは戦後に繋がれたんじゃない。戦前から誰かが密かに供給し続けていた。地獄が突然介入したんじゃない。ずっとそこに一本の線があって、ただ普段は見せないだけだった。ならば教廷が次に何をするか、俺みたいな外の人間が計画を手伝う必要はない。
だが、口を挟まなくていいというのは、見えないということじゃない。
そして俺はますます確信していた。この内城で本当に恐ろしいのは、誰かが地下でゾンビを何体育てているかでも、ワイスマンの病んだ顔がときどき画面に映ることでもない。
本当に恐ろしいのは、この場所がずっと前から地獄への電話のかけ方を知っていて、それを切った後で何事もなかったように振り返り、こう言えることだ――
では、続けましょう。
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