130.受付 1
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
先導車は基地外側の積み下ろし用スロープ脇に停まっていた。車体は長く高く、八人分の厄介ごとをまるごと飲み込もうとしている黒い鉄の棺桶みたいだった。
運転席のドアを引いたとき、空はまだ完全には明けていなかった。空気は冷たく、地面は湿っている。遠くでK-7のエンジンがすでに暖機を始めていた。あの低い振動は数十メートル離れていても足の裏から這い上がってくる。トレーラーの暖機を聞いて物流を思い浮かべるのが普通の人間だとすれば、俺の脳裏に浮かぶのは、バローロ神父という二百センチ超の黒い石碑が、どういうわけかトレーラーの運転免許を持っていて、あの化け物を自分で運転して南下するという頭痛の種だった。
それだけで十分すぎる。
車に乗り込み、地図板、手袋、予備マガジン、通信イヤホンを前席に放り込んだ。助手席にはすでに人がいた。
林雨瞳は背筋を伸ばして座り、膝の上にルートクリップボード、修道院停留リスト、通信周波数表、二枚重ねた地図を広げていた。一枚は幹線道路、もう一枚は教廷が用意した安全拠点の分布図だ。目の下のクマはそのままだが、手は驚くほど安定している。この数日ほとんど眠れていないことが、彼女にとっては事務上の小さな問題に過ぎないみたいだった。
「車列順序は変わらない」彼女は顔を上げずに口を開いた。「私たちが先頭。K-7が二番手。護衛車が三番手。各停留時間は四十分以内。神父の別命がない限り」
キーを差し込んだが、エンジンはかけなかった。
「先に読め」
彼女は指でリストの一番上を押さえた。
「第一停留地、チェンストホヴァ外縁、聖ベルナルド修道院。表向きの理由は朝食、燃料補給、交代警備と簡易医療確認。実際は最初の身元照合ポイント。あそこの人間が、私たちが予定ルートで南下しているかどうかを確認する」
「二番目」
「オパヴァ国境付近、聖ルカ旅客院。短停。書類交換、車列の外観処理。一部のナンバープレートと標示が入れ替わる」
「三番目」
「ウィーン郊外の森、聖ミカエル修道院。時間が延びる可能性あり。車庫、簡易工房、地下倉庫があって、K-7のタイヤ、ブレーキ、ロック点の全検査ができる」
「四番目」
「アルプス峠手前の聖ワレリウス避難院。天候次第で停まるかどうか決める。主な機能は吹雪をやり過ごすことと、山道の通行可能時間を待つこと」
「五番目」
彼女は最後のページをめくった。
「北イタリア境界、聖アガタ女子修道院。最終目的地ではないが、教廷の正式保護ルートに入る前の最後の整理ポイントになる。ここから先は、外縁警戒、接触方式、食事の供給まで、全部が教廷のペースに切り替わる」
俺は頷いた。
意味は単純だ。前半はまだ車列が南下しているように見える。後半に入ると、俺たちは教廷が敷いたパイプラインの中に少しずつ押し込まれていく。俺たちが先導しているんじゃない。俺たちがまだ先導していると思わせてもらっているだけだ。
後部ドアが開いたり閉まったりして、他の連中が次々と乗り込んできた。
最初に乗ったのはレイチェルだ。動作はまだ遅いが、最初の数日みたいに一歩一歩が見知らぬ地面を踏むような感じはもうない。濃いグレーのタートルネックに黒いパンツ、上には体に合っていない濃い色のコートを羽織っていた。袖はまだ少し長めで、指先の半分を隠している。彼女は一番奥には縮まらず、二列目の窓際に座り、まず俺を見て、林雨瞳を見て、それから視線を前方に落ち着かせた。まだ警戒しているが、この車の中で誰の声が一番意味を持つかは、もう分かっている。
エリザヴェータが続いて乗り込み、自然に隣に座った。ぴったり寄り添うんじゃなく、レイチェルが息苦しくならない程度に、でも彼女が少し首を傾ければすぐ目に入る距離を選んでいた。今日は全身黒で、清潔で、冷たい。この数日の夜、後棟の部屋のベッドの傍らで壊れかけていた人間とは別人みたいだった。それでいい。あの顔のまま乗り込んできたら、この道中はもっと最悪になる。
シキが二列目の反対側に滑り込み、自分の小さなバッグを抱えて、異様に静かにしていた。ニウ・シャオチンは何も言わない。それもいい。南下初日に、冥界の使いみたいな声を車内で聞く気はない。
三列目は少し騒がしかった。
葉綺安は先に荷物を後ろに放り込み、それから予備ライフルを一番外側に横置きして、座ってシートベルトを締めた。今日は副ドライバーで、交代の時間になれば前に出てくる。マー・サンニャンは口を開かない。今日は生きている人間のことを管理したくない気分らしい。
ヴィクトリアが最後から二番目に乗り込み、細長い工具箱二つと銃器整備パックを三列目の足元に押し込んで、隅に座るなり拳銃のスライドを分解し始めた。今座っているのが先導車であることも、整備室であることも、彼女には関係ないらしい。最初から最後まで誰も見ない。それでいい。銃が銃である限り、バネがバネである限り、この女は誰より安定している。
最後に乗ってきたのはマリアだ。
乗り込み方からして気に入らない。普通の人間みたいにドアをまたいで座るんじゃない。何か軽すぎるものが冷気と金属の匂いを連れて三列目に滑り込んでくるみたいに、刀鞘がまず扉枠に当たって小さな音を立て、それから彼女が落ち着いた。あの氷みたいに青い右目が、乗り込んだ瞬間から俺から離れていない。
「懐かしいわね」彼女はシートベルトを締め、礼拝前の小さな感謝みたいな笑みを浮かべた。「前にあなたと同じ車に乗ったとき、ここまで人が多くなかった」
俺はエンジンをかけた。
「懐かしくない」
「分かってるわ」彼女は言う。「それが懐かしい部分なのよ」
クラッチを踏み、ギアを入れる。
林雨瞳は前方を見たまま、最初の通信チャンネルをイヤホンに切り替えた。
「K-7、こちら一番車。感度確認」
無線が半秒置いてから、バローロ神父の石壁みたいな声を返してきた。
「二番車、受信」
その声だけで、K-7の運転席に座っている光景が浮かんだ。二百センチ超、黒い祭服の下に鋼板を積み上げたような体、左手でハンドルを握り、右手の傍に鉄装丁の聖書。あんなものがトレーラーを自分で運転して南下してくるとなれば、普通の人間は近づきたくないだろう。
ハンドルを切り、車を基地から出した。
バックミラーの中で、K-7がゆっくりとついてくる。その後ろに護衛車。
車列が形になった瞬間、頭の中に浮かんだのは一つだけだ。これは護送じゃない。八種類の厄介ごとを先導車に詰め込んで、後ろにトレーラーを運転する狂った神父を付けて、どこが先に爆発するか見物するやつだ。
出発して十分も経たないうちに、マリアが始めた。
「ねえ、周士達」彼女は三列目に寄りかかって、声は小さいのに耳の後ろに針を刺すみたいに正確だった。「あなた今、何のつもりなの?ドライバー?保母?臨時保護者?それとも品行要矯正の危険な男性サンプル?」
俺は前を見続けた。
「そんなに死にたいなら、今すぐ路肩に停めてやろうか」
「ダメよ」彼女は笑う。「神父が言ってたでしょ、あなたは手癖を綺麗にしておけって。私はそれを見張る役なの」
「見張りじゃない。汚染だ」
「ありがとう、自分では結構有能だと思ってるわ」
誰も乗らない。
それがかえって彼女を元気にした。
後ろから少しずつ前に身を乗り出してくる。俺が振り向いて一発で鼻っ柱を砕けない、絶妙な位置に収まりながら。
「神父はかなり遠回しに言ってたわよ」彼女は言う。「私が評価するなら、あなたの問題は暴力でも戦術でもない。一番の問題はね——自分が火の中から引っ張り出したものを、自分が管理し続けるべきだと勘違いするところよ」
手もぶれない。車も傾かない。
「お前の問題は口がついてることだ」
「刀もね」彼女はご機嫌に付け足した。
「一緒に飲み込んどけ」
「それはあなたが手伝ってくれるかどうか次第ね」
葉綺安は後ろで目を閉じて、何も聞こえていないふりをしている。シキは窓の外に顔を向けた。レイチェルは動かなかったが、バックミラーから見ると、肩が少し前より強張っている。エリザヴェータも何も言わない。目が半分冷えただけだ。マリアが嫌いなのは当然で、説明するまでもない。
マリアはまだ続ける。
「そういえば」彼女は言う。「あなたが本当に境界線を気にしてるなら、私が規範を一式作ってあげましょうか?ベルト数本、固定点二つ、書面での保証書もつけて。そうすれば急に文明人っぽくなれるかもしれないわよ」
俺は淡々と返した。
「まず自分にマスクを作れ」
「ダメよ、布教に支障が出る」
「お前のはそれを福音とは呼ばない」
「じゃあ何て呼ぶの?」
「病気だ」
彼女はさらに嬉しそうに笑った。
「そうね」彼女は言う。「あなた、前もそう言ってたわよね。SMのコスプレ趣味の変態って。覚えてる?」
「覚えてる」俺は言う。「今となっては、あの判断は正しかったと思ってる」
彼女はほとんど満足げにため息をついた。
「よかった。忘れてたらどうしようかと思ってたの」
車内の空気が少しずつ悪くなっていく。
大喧嘩みたいな悪さじゃない。誰かが神経病みの細い針でずっとタイヤに刺し続けてくるような悪さだ。これが一番厄介だ。一発殴れば残りの道中が別の面倒になる。殴らなければ、ずっと喋り続ける。
次の一言を通信ノイズで潰してやろうかと思い始めたとき、林雨瞳がようやく口を開いた。
振り向きもせず、前方のルート図を見たまま。
「修道女」
マリアが少し止まった。
林雨瞳の声は里程を読み上げるときと同じ温度だった。
「そんなに暇なら、今すぐ次の三つの修道院の照合パスワード、駐車順序、交代警備表、無線バックアップ周波数、引き継ぎ合言葉を全部渡すわ。全部暗記できなかったら黙ってて」
車内が半秒、完全に静まった。
余光でマリアが一度瞬きするのが見えた。
珍しい。
この女が怯えたわけじゃない。仕事量を棍棒代わりに顔面に叩きつけてくる方式に、一瞬処理が追いつかなかっただけだ。
林雨瞳はまだ終わっていなかった。
「それと」彼女は付け加えた。声の温度は変わらない。「これ以上ノイズを出すなら、休憩ポイントの通報リストからあなたの名前を消す。そうなったら修道院に入るたびに、門番に自分で身分を説明して」
三列目が静かになった。
ヴィクトリアでさえスライドから目を上げて、この一言を認めるみたいな顔をした。
マリアは二秒沈黙して、それからごく小さく笑った。
「分かった」彼女は後ろに寄りかかる。「こっちのほうが怖い。好きよ」
林雨瞳は無視した。
次のルート紙をめくって、そのまま距離を報告し続ける。
「第一停留地まで残り一時間二十分。右前方のインターチェンジを過ぎたら二号線に切り替え、公開料金所を避けて。K-7は車体が大きいから、幹線を通ると目立ちすぎる」
「了解」
車は南へ進み続ける。
バックミラーの中で、K-7は黒い鋼鉄の怪物みたいに静かに後ろに圧しかかっている。あれを運転しているのは、アーメンを言い、聖書を諳んじ、人の品行を審査しながらトレーラーを操る異端審問局の神父だ。そんな話、普通の人間には信じてもらえない。でも今、あいつは俺の後ろにいる。
ハンドルを握り、前方の道路が一本ずつ南へ展開していくのを見ていた。
リストには第一停留地がある。
その後ろに第二、第三、第四がある。
車の中には、それぞれ違う思惑を持ち、互いに折り合いが悪く、それでも今だけは一緒に走るしかない連中が詰まっている。
そしてレイチェルは俺の二列後ろに、静かに、清醒に、この道が最終的に自分をどこへ連れて行くのかをまだ決めていないまま座っている。
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