127.生存者 1
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
車列が一台ずつ門をくぐっていく。誰も口を開かない。エンジン音、ブレーキの擦れる音、タイヤが砂利を踏む音——そのどれもが人の声よりずっと清潔に聞こえる。口を開けば、今夜のあの匂いが一緒に吐き出される。ホルマリン。腐肉。血。湿った石灰の壁。そして、フックに吊るされていたものたち。
基地に戻った時、夜はまだ明けていなかった。
俺は誰にも、あの光景を二度と口にさせたくなかった。
K-7が最後に入ってくる。シュトゥルムシュライターはまだプラットフォームに固定されたままで、外装は灰まみれ、局所に弾痕があり、装甲板の縁がいくつか擦れて白くなっている。ヴィクトリアが機体から這い出してきた時、顔色は半分死んでいるようだった。地面に足をつけた瞬間、まず固定架を確認し、次に冷却管を触って破損がないことを確かめる。余計な言葉は一言も発しない。
リン・ユートンが車のヘッドライトの後ろに立ち、まだ野戦無線機を抱えていた。目の下は黒ずみ、唇はひび割れている。一晩中、座標報告と周波数切り替えを止めなかったのだろう。俺を一瞥して頷いただけで、口は開かない。
カミラが車を降りた時はもっと簡潔だった。顔は鉄板のように沈んでいる。怒りじゃない。疲労でもない。見すぎてしまい、罵倒することすら力の無駄に思える表情だ。
マレクが部下を率いて台帳、書類箱、鉄製引き出しを丸ごと持ち帰った中身、黒い帳簿資料が入った帆布袋三つを降ろす。手が震えている者がいる。怪我じゃない。今まで堪えていた震えが、ようやく出始めただけだ。
あの少女は、俺が上着で包んだまま連れ帰ってきた。
基地に着いても、上着を外させなかった。
彼女は本館後方の臨時に片付けられた小部屋に収容された。病室じゃない。病室は人が多すぎて明るすぎる。そしてまた別の分類と番号付けの場所に似すぎている。あの匂いをもう一度彼女に纏わせたくなかった。部屋には行軍ベッドが一つ、テーブルが一つ、布を被せたランプが一つ、熱湯の入った洗面器、そして女性医療スタッフが二人だけ。
医療スタッフの一人が俺の上着に手を伸ばし、それを捲って中の衣服と傷を確認しようとした。
俺はその手首を押さえた。
「直接捲るな」
彼女は一瞬呆然とし、俺を見た。
「切れるところから切れ」俺は言った。「上着はそのままにしておけ。まず呼吸、体温、外傷、脱水を確認しろ。目を開けた時に、自分の胸元のあの布切れを見せるな」
医療スタッフはそれ以上聞かず、頷いた。
処置が始まっても、俺は扉口から離れなかった。
少女は行軍ベッドの上で身を縮めていた。今にもばらけそうな薪束のように軽い。灰黒色の髪がこめかみに貼り付き、毛先は枯れたように黄ばんでいる。姿勢が奇妙だ。丸くなるわけじゃない。無意識に重心を後ろへ引き、両足をわずかに交差させ、両手で自分の腕を掴んでいる。誰かが近づけば、そのまま壁の中に縮み込もうとするような構え方だ。右手に古い傷があり、明らかにそこを庇っている。背中の刺青番号が衣服の隙間から一瞬見えたが、俺はそれ以上見なかった。
エリザヴェータが扉の外に立っていた。
手がまだ震えている。
今夜、地下二層の時点ですでにおかしくなっていた。三層では意地だけで崩れるのを堪えていた。死体を見慣れていないわけじゃない。問題は死体じゃない。並べ方、保存の仕方、使い方の問題だ。あの場所は人間を人間として扱わなかった。材料と番号と用途と耐性区間に分類した。ここまで持ちこたえただけで、もう十分だ。
「休め」俺は彼女に言った。
彼女は動かず、中のベッドを見つめていた。
「長官」声が酷く低かった。「彼女は、生きておる」
「わかってる」
「妾はてっきり……あそこにはもう、生きた人間など残っていないと思っておりました」
俺はその言葉を引き取らなかった。
俺も同じことを思っていたからだ。
シキは廊下の反対側の弾薬箱に座り、頭を下げ、異様なほど静かにしていた。ニウ・シャオチンは出てこない。イェ・キアンは壁に寄りかかり、目を閉じ、呼吸がゆっくりだった。マー・サンニャンも声を出さない。これはむしろ正常だ。地底のああいう場所は、生きた人間が耐えられても、陰差が長居したがる場所じゃない。二人がすでに引いているということは、あそこが本当に穢れていたということだ。
カミラが入ってきた時、まずベッドを見て、次に俺を見た。
「生きてるか」
「今のところは」
「喋れるか」
「まだわからない」
彼女は数秒見つめ、扉の外に向かって刃の背のように平坦な声で命令した。
「この区画を空けろ。不要な人間は出て行け。警戒は倍にしろ。この部屋に近づいて余計な質問をする奴がいたら、明日は崩落口の死体を素手で掘り出させる」
誰も口答えしない。
こういう時、脅しはむしろ人を安心させる。少なくとも命令がある。手順がある。掴める線がある。
俺は書類袋をリン・ユートンに渡した。
「三つに分けろ」俺は言った。「第一束は原本の台帳と黒帳。第二束は技術資料と輸送コード。第三束は地下から持ち帰った識別物、腕章、印記、印章。混ぜるな」
「わかってる」彼女は言った。
「読めるが盗みにくい索引を一部作れ」
彼女は俺を一瞥した。目が乾いていた。
「最初からそうするつもりだった」
俺は頷いた。
これが彼女と組む理由だ。言葉が少ない。時間が省ける。
ヴィクトリアが来たのは思ったより遅かった。シュトゥルムシュライターを封鎖庫に収め、K-7の後軸とプラットフォームの蝶番を確認してから、ようやく建物に入ってきた。入ってきた時、手にはまだ機械油が付いていた。
ベッドの少女を見て、一言だけ言った。
「思ってたより軽そうね」
「測ったのか」
「目がまだ見えてる」
彼女は保温カップをテーブルに置いた。俺のためじゃない。ベッドの少女のためだ。お湯に少量の塩と砂糖を溶かしたものだ。
口は悪いが、やることには抜かりがない女だ。
医療スタッフが「とりあえず安定した」と言うまで、俺は扉口から離れなかった。
出る前に、ベッドの少女が一度だけ目を開けた。
短かった。
だが十分だった。
その目は助けを求めていない。感謝でもない。恐慌でもない。もっと質の悪いものだった。近づくものは全て次の番号付け、次の引きずり、次の手術をもたらすかもしれないと判断し、先に引き、先に信じないことに慣れきった目だ。
俺は二秒止まり、ベッドの横へ戻った。
彼女は俺を見た。動かない。
俺は彼女が理解できる言語で、できるだけ短く言った。
「名前」
彼女は答えなかった。
俺は待った。
扉の外で誰も喋らない。灯りは暗い。熱湯の白い湯気がゆっくりと立ち上っている。
しばらくして、彼女の唇が動いた。
声はかすかだった。長い間この機能を使っていなかったような声だ。
「レイチェル(Rachel)」
俺は頷いた。
「そうか。レイチェル」
彼女は俺を見た。これが新しい番号じゃないかを確かめるような目だ。
「今はそれ以上答えなくていい」俺は言った。「まず生き延びろ」
俺は下がり、振り返って出て行った。
その瞬間から、部屋の中にようやく一つの名前ができた。地牢から引き上げた生きた証拠品ではなく。
だが名前は物事を軽くしない。重くする。
名前があるということは、彼女が資料じゃないということだ。物証じゃない。付属品じゃない。人間だ。そして人間が生きたまま連れ出された以上、台帳の全ての数字はもはや単なる数字じゃない。
その夜、基地はコンクリートを流し込まれたようになった。
誰も騒がない。誰も酒を飲まない。食堂は開いていて、テーブルには熱いスープがあったが、ほとんど誰も手をつけなかった。地下から戻ってきた何人かの兵士がそこに座り、碗の中の油膜を見つめ、飲み込むべきか吐き出すべきか判断できないような顔をしていた。フォークを落とした者もいたが、自分でも気づかなかった。
俺は清潔な上衣に着替え、血の染みた方を焼却樽に放り込んだ。
潔癖症だからじゃない。
あの汚れた黄色い布を覆っていた上衣だからだ。誰かに拾い上げて見られたくなかった。誰かの馬鹿がそれを戦利品、記念品、歴史標本として扱うことが我慢できなかった。あれは誰にも評論される資格のないものだ。
夜明け後、マレクが第一回整理済み物品リストを俺の机に持ってきた。
俺は三十分かけて読んだ。
読めば読むほど、はっきりしてくる。
地下から持ち帰った台帳は二層構造になっている。上層は正規の帳簿だ。修繕、燃料、薬品、電線、排水設備、地下換気、歴史建築維持、道路補修、展示区周辺整備。一行一行が監査に直接出せるほど綺麗だ。綺麗すぎる。人に見せるために演じているような綺麗さだ。
下層が本物だ。
会社名が違う。宛名が違う。登記国が違う。資本金は笑えるほど少ないのに、業務範囲は馬鹿げているほど広い。石材洗浄をやりながら地下冷却ポンプも請け負う会社。慈善財団でありながら高消耗医療液も処理する団体。名目上は展示場照明を供給し、実際は四半期ごとに軍規格蓄電ユニットを配送する会社。さらに資金を分割し、各種合法的維持費に洗い替える専門のペーパーカンパニーまである。
もっと汚いのは印章だ。
普通の供給印じゃない。
俺はいくつかの支払い承認ページの隅に、バチカン内部システムでしか使われない内部管理識別コードを見つけた。正式な機関印じゃない。もっと奥のものだ。特定部署が正規手続きを迂回するために残した短縮コードのようなものだ。読める者には、その金がどのパイプから流れ出たかがわかる。
これは偶然じゃない。
一、二人の腐敗聖職者が作り出せる規模でもない。
長年稼働してきたシステムだ。金を管理する者がいる。資金洗浄する者がいる。合法的隠れ蓑を提供する者がいる。物資を搬入し、死体を外に出さず、名前を消す責任者がいる。
夜明けまで読み続けたが、目は少しも眠くならなかった。
目を閉じれば、三層のあの扉の列が勝手に開くからだ。
本当に会議に呼ばれたのは夜明け後じゃない。丸一日を挟み、さらに夜になってからだった。
カミラが俺の待機を知らないはずがない。
わざと引き延ばしたのだ。
いくつかのものは、まず自分で噛み砕き、暴怒の中で見間違えていないか確認する必要があった。いくつかの人間は、先に隔離しておかないと誰かが先に引き金を引きかねなかった。いくつかの情報は、これ以上確認できないところまで確認してからでないと、テーブルに乗せられない。
それはわかる。
だから急かさなかった。
二日目の深夜、零時近くになって、ようやく扉が叩かれた。
三回じゃない。二回だ。カミラ側の習慣だ。
扉を開けると、彼女の伝令兵だった。
「隊長が会議室にお呼びです」
「他には誰が」
「リン・ユートン、ヴィクトリア、マレク。それと……行けばわかると」
俺はガンベルトを締め直し、彼について歩いた。
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