126.人類悪 3
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
B1まで退いた時、荷捌き場の照明はまだついていた。
冷たい白色。
硬い。
手術台の上で人に影を作らせないような光だ。
床はさっきの短い戦闘が残した通りだった。木箱が倒れている。フォークリフトが斜めに停まっている。台車が軌道の端に引っかかっている。傭兵の死体があちこちに転がり、うつ伏せのものも、目を開けたまま死んでいるものもある。自分が誰のために門番をしていたか、死ぬ直前まで理解していなかったような顔だ。
空気は火薬、軽油、血、そして地下から上がってくるますます重い臭いで満ちていた。
何かがおかしい。
静かすぎる。
B1がこんなに静かなはずがない。
カミラも明らかに気づいていた。
人員エレベーターを出た瞬間、銃口を左側の調度区へ向けた。
「マレク、ライン展開」
「了解」
マレクの部下が即座に散開した。左翼が荷捌きホームを封鎖。右翼が短軌と貨物エレベーターを封鎖。中段が人員エレベーターを守る。残りが調度台、事務室、出荷記録区をもう一度掃く。
俺は少女を下ろさなかった。
軽すぎる。不安定すぎる。右膝はほとんど体重を支えられない。B2からB1のこの短い距離を歩いただけで、額に薄い汗が浮き、呼吸が乱れ始めていた。彼女はずっと堪えていた。一声も上げなかった。この堪え方がよくない。体に染み込みすぎている。声を上げても意味がないと、とっくに知っている人間の堪え方だ。
エリザヴェータが俺の左を歩き、片手で銃を持ち、もう片方の手はいつでも少女を受け取れるように構えていた。
今の彼女はB2にいた時より安定している。楽になったからじゃない。やるべきことがあるからだ。
多くの人間がそうだ。
前へ向かってやれることがある限り、見てきたものに脳を引き裂かれずに済む。
ニウ・シャオチンが最前に出た。マー・サンニャンが最側面についた。二人の陰差がB1に入った瞬間、全身がさらに張り詰めた。
ニウ・シャオチンが鼻を動かし、低く言った。
「ここの死の気配がおかしい」
俺は返した。
「どうおかしい」
「さっきは新しい死やった。今は何かに引っ張られとる」
その言葉が落ちた瞬間、俺の後頸に冷たいものが走った。
風じゃない。
直感だ。
俺は少女をエリザヴェータに預けた。
「しっかり支えてくれ」
彼女が頷いた。
俺は二歩前に出て、傭兵の死体の一体の傍らにしゃがんだ。
胸に弾痕が三つ。血はすでに黒ずみ始めている。首が歪んでいる。目が半開きだ。どこからどう見ても、完全に死んでいる。
だがその指が、動いていた。
痙攣じゃない。
ゆっくりと曲がっていた。
水に浸かって腐った虫が、ようやく何かに再び繋がったような動き方だ。
「全員、死体に注意!」俺は怒鳴った。「地面のものを近づけるな!」
次の瞬間、B1全体が目覚めた。
人間じゃない。
死体だ。
さっき俺たちが仕留めた傭兵たちが、一体ずつ床の上で痙攣し始めた。先に肩が震える。手が掴みかかる。それから首が後ろへ硬く折れ、腱が乾いた後に無理やり引き戻されるような音が鳴る。
カミラの顔色は変わらなかった。ただ即座に撃った。
最初の一発で、半身を起こしかけていた一体の頭蓋骨を完全に吹き飛ばした。
だがそいつはすぐには止まらなかった。
頭の一部が消えたことを知らないかのように、両手で地面を押して前へ這い続けた。
「脊柱を撃て!」俺は怒鳴った。
マレクの部下の火力が瞬時に下へ向いた。
もう生きた人間を相手にしているんじゃない。
壊れた部品を解体している。
B1が一気に荷捌き場から屠殺ラインに変わった。死んで間もない傭兵の死体、B2の階段口から押し上がってくるナチスゾンビ、貨物エレベーターの隙間から這い上がってくる失敗作が、一斉にこの層へ押し寄せてくる。
最初に動き出したのは傭兵の死体だ。
近いからだ。死んで間もないから、動きも速い。
胸を撃たれた傭兵の一体が体を起こし、顔の半分をまだ床に引きずりながら、砕けた顎を引きずって一番近い爆破手の足に噛みつこうとした。爆破手の反応は遅くなかった。一足でそいつの頭を床に踏み込んだ。マー・サンニャンの長槍がすぐ側面から刺し込まれ、脊椎を貫いて水泥の床に縫い止めた。
ニウ・シャオチンはさらに徹底していた。
半分しか起き上がれていない、まだ完全に繋がっていないものを専門に狙う。体を低くし、ナイフは後頸、脇の下、耳の後ろだけを狙う。B1の混乱の中で、まるで野菜を刻むように動いている。衝動じゃない。慣れだ。人間じゃないこういうものの解体の仕方を、俺たちより遥かによく知っている。
「右後方!」エリザヴェータが突然叫んだ。
振り返ると、短軌方向に停まっていた貨物籠車の後ろから、二体のゾンビが何かを引きずって這い出てきていた。
死体じゃない。
爆弾だ。
口に咥えた古い手榴弾。
しかも一個じゃない。
二体それぞれが一個ずつ咥え、首には針金が巻かれている。途中で自爆しないようにするためだ。
俺は銃口を下げ、一体の膝を砕いた。もう一体はマレクの部下が脛を薙ぎ払い、二体一緒に貨物籠車の横に転がった。
「そこから離れろ!」俺は叫んだ。
轟音。
一発目が先に爆発した。
貨物籠車ごと吹き飛んだ。鉄条の破片が荷捌きホームの縁に叩きつけられ、火花が飛び散った。二発目が少し遅れて、横の箱の山を爆散させた。木片と箱の中身が一緒に飛び出し、汚れた雪のように舞い散った。
距離が十分あった。
死者は出なかった。
だがこれが意味することは一つだ。下のものは単純に上へ這い上がってきているんじゃない。放たれているのだ。
下で誰かが、あるいは何かが、使えるものを全部上へ送り込んでいる。
カミラが調度場の中央に立ち、鋼のような声で言った。
「引きずられるな!台帳を先に確保しろ!」
そうだ。
台帳。
黒い帳簿の資料。
今回下まで来たのは、人を連れ出すためだけじゃない。これも一緒に持ち出さなければならない。
俺はエリザヴェータと部下二人を連れてB1の調度事務室へ飛び込んだ。
さっきは半分しか見ていなかった。今改めて見ると、さらに多くのものがある。
壁一面の出荷ボードだ。日付、ロット番号、コード、受取先の略称が並んでいる。机の上に開かれているのは普通の入出荷伝票じゃない。二重帳簿だ。表の層には機械部品、整備用オイル、建材と書かれている。下の引き出しに鍵をかけて隠してある層が、本物だ。
俺は机の横の鉄製キャビネットを一蹴りで倒した。
扉が弾け飛んだ。
中は仕切りごとに台帳、封筒、フィルムケースが詰まっている。
一番上の一冊は輸送記録。次が修繕記録。その下が資金の流れ。ペーパーカンパニー。保管法人。修繕名目。附属財団。さらにその下には、もう偽装する気もない数ページがあり、対照欄に特定の教会機関のコードネームが直接書き込まれていた。
エリザヴェータがその一冊を手に取り、表紙を一瞥してから俺を見た。
「全部持つか」
「字があるものは全部持て」
彼女は何も聞かず、その層を丸ごと回収袋に掃き込んだ。
俺は別の引き出しをこじ開けた。
中に写真があった。
古いものと新しいものが混在している。
白黒写真には戦時の月台、囚人車両、白衣、将校が写っている。新しいものは同じ場所、同じ軌道、同じ地下入口で、周囲の人間の服装が変わっているだけだ。機械設備だけを単独で撮ったものもあり、現代のフィルムを使っている。こういうものが外に出れば、誰も記憶喪失のふりはできない。
全部袋に詰めた。
ニウ・シャオチンが扉口から振り返って怒鳴った。
「早よせえ!外がどんどん増えとる!」
俺は顔を出して確認した。
誇張じゃなかった。
B1全体が死人で溢れかえっていた。
さっき撃ち壊した傭兵の死体は、動けるものが全部這い始めている。B2の階段口からはまだ押し上がってくる。さらに厄介なのは貨物エレベーターの方向だ。さっきまで閉まっていた厚い扉にいつの間にか亀裂が入り、中から鎖が床を引きずる音と肉が鉄板に叩きつけられる音が続いている。さらに重い打撃音もある。
手じゃない。
頭だ。
何かが自分の骨で扉を叩いている。
カミラが撃ちながら俺たちの方を一瞥した。
「あとどのくらいだ!」
「二分!」俺が返した。
「一分しかない!」
いい。
これがカミラらしい。
俺は最後の二つのフィルムケースと振込証明の束を袋に詰め、机の上の小型タイプライターの横にあった印章も持っていった。こういう小物が時として台帳より効く。特定の印章は、押された瞬間から一本の脈を永遠に洗い落とせなくする。
「行くぞ!」
事務室を出ると、爆破手はすでにB1に最後の爆薬を配置し始めていた。
ホームの主梁に二組。
貨物エレベーターのシャフト口に一組。
人員エレベーター外壁に一組。
短いレールの接続点に二組。
外部搬出スロープ下の柱に二組。
最後の大出力は、地上の入口建築の耐荷重点と、偽装地坪の下に温存する。
マレクがしゃがみ込み、導火線を繋ぎながら報告する。
「下層、全ライン接続完了。B2扉裏、接続済み。B1主区画、接続完了。外壁分は地上での起爆待ち」
「上等」カミラが言った。「最後の区画で死ぬな」
口ではそう言いながら、自分が一番危ない側へ前に出る。
貨物用エレベーターのシャフトが、とうとう破られたからだ。
爆薬でじゃない。
内側から叩き割られた。
厚い扉が外側へ捻じ曲がる。中から最初に溢れてきたのはゾンビですらない。形のわからない塊だ。大量の死体、骨、古い軍服、鉄線を一つの塊に縫い合わせ、何か得体の知れないやり方で動かしている。奴らは人間のように歩かない。転がり、飛びかかり、余計な手足で床を掻きながら前へ進んでくる。
「くそ」マレクでさえ悪態を吐いた。
B3の連中より遥かに醜く、そして速い。
俺は一発目で、その塊の外側についていた頭を一つ撃ち飛ばした。無意味だった。そいつはそれでもこちらへ転がってくる。ニウ・シャオチンがそのまま踏み込み、刃を肉塊の真ん中に突き立て、一気に下へ引き裂いた。刃は深く食い込む。開いた隙間から、囚人服を着たふくらはぎが半分と、未爆の手榴弾が一つ、床に転がり落ちた。
「近寄るな!」彼女が吐き捨てる。
マー・サンニャンは突きではなく、叩きに切り替えた。こういうものは遠くへ弾き飛ばす。それが一番だ。近づきすぎると、中に何が詰め込まれているのか、誰にもわからない。
B1全体の火線が、人員エレベーターへと収束し始めた。
崩壊ではない。
絞り込みだ。
人員エレベーターが地上に戻る最短ルートだ。貨物用エレベーターは遅く、途中で詰まる危険も高い。階段のラインは長すぎる。負傷者、資料、少女を抱えて戻るのは、自分から死地へ歩いていくようなものだ。だからエレベーターを取るしかない。
俺は一度少女を振り返った。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




