125.悪意 1
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
俺はB3の扉に手を押し当てた。
冷たい。
普通の地下室の冷たさじゃない。長年日の光を見ず、底で何かがずっと息をし続けている冷たさだ。まるで誰かが地牢一層分を死に水に漬け込み、その湿った冷気を機械で少しずつ吸い上げているようだ。
俺は振り返った。
カミラが右後ろに立っている。銃はすでに肩に上げている。顔色は刃のように冷たい。マレクの部下が後ろに二列に並んでいる。さらに後ろはB2とエレベーターラインを守る封鎖位置だ。エリザヴェータは俺の左に立ち、顔はまだ白いが、手は安定している。ニウ・シャオチンはその横で、身を少し低くして、今にも飛び出しそうな小さな獣のようだ。マー・サンニャンは最も真っ直ぐに立ち、長槍を斜めに構え、穂先は微動だにしない。
余計なことは何も言わなかった。
扉を開けると、階段が現れた。
下へ続いている。
かなり急だ。
両側の壁面はB2の白壁じゃない。ここは粗いコンクリートで、古い型枠の木目が残っている。後から誰かが補修した。防湿層も塗った。さらにその上に、何かが描かれている。
文字じゃない。
符だ。
黒。赤。褐色になるほど深い。歪んだ線、円、逆さに書かれた祈祷文、ドイツ語の略語、そして俺には読めない奇妙な印が、層を重ねるように刻まれている。まるで誰かがこの階段に呪術を一層ずつ封じ込めていったようだ。
「死人の道を祭道に使うとは」ニウ・シャオチンが壁を一瞥して、静かで冷たい声で言った。「えげつない連中や」
「下にいるのは死人だけやない」マー・サンニャンが言った。
俺が先頭を行く。
懐中電灯は遠くに向けない。足元と曲がり角だけを照らす。こういう場所で光を広げすぎると、自分が的になる。
階段は長くない。
踊り場が二つ。
三つ目の踊り場を下りれば、B3だ。
底に足が届く前に、匂いが先に来た。
死臭だ。
新しくない。
湿気、古い血、黴、排水溝、火薬、そして焦げた毛髪にしかない臭いが混じっている。
もう一段下りた瞬間、右側の暗闇から鈍い音が響いた。
何かが鉄扉に頭を打ちつけているような音だ。
また一回。
もう一回。
俺は手を上げ、全隊を止めた。
イヤホンには短い呼吸音だけが響いている。
それから、引きずる音が来た。
一つじゃない。
いくつもある。
俺は声を落とした。
「接触準備」
ニウ・シャオチンはすでにナイフを抜いている。マー・サンニャンの長槍が半寸前へ滑り、穂先が階段口に向く。エリザヴェータが身を低くし、銃床を肩窩に押し当てる。カミラとマレクの部下が後方で素早く射撃扇面を広げた。
俺は二つ数えた。
階段口左側の鉄柵扉の向こうから、最初のものが激しく飛び出してきた。
人じゃない。
かつては人だったかもしれない。
今は違う。
古いドイツ軍の野戦服を着ている。布地は腐り落ちて、ほとんど布切れだけが残っている。胸には朽ちかけた徽章が縫い付けられている。顔の半分は腐り落ち、もう半分は干からびている。眼窩に眼球はなく、濁った白い薄膜だけが残っている。顎は縫い直されたようで、縫い目は粗く乱れている。両手の爪は全て抜け落ち、黒ずんだ骨節と肉だけが残っている。飛び出してきても叫ばない。息もしない。ただその腐った顔を上げ、まっすぐ俺に向かって飛びかかってきた。
俺は引き金を引いた。
胸に二発。
止まらない。
三発目は頭に。
それでも倒れない。
そいつは慣性に逆らうように二歩前に進んだ。見えない糸で引かれた腐った人形のようだ。エリザヴェータが短点射を補い、頭蓋を完全に吹き飛ばした。それでようやく鉄柵に倒れかかった。
すぐ後ろから二体目、三体目が続いた。
同じ制服。腐り方が違う。
顔の皮が丸ごと胸まで垂れ下がり、歯が剥き出しになっているものがいる。左腕が明らかに別人のものを縫い付けたものがいる。首に鉄の輪をはめ、鉤十字と奇妙な符文が刻まれているものもいる。
「頭は確実じゃない!」俺は怒鳴った。「脚を撃て!脊椎を撃て!」
後ろの火力がすぐに変わった。
普通の生きた人間じゃない。
胸を撃っても止まらない。頭を撃っても一発で仕留められるとは限らない。なら先に機動力を奪い、それから解体する。
マレクの部下が前列の二体の膝を砕いた。ニウ・シャオチンがすぐに飛びかかり、一足でその一体の肩を踏みつけ、ナイフを耳の後ろから突き刺し、横に引いて頭と脊椎を一緒に断ち切った。黒い粘液と古い血が彼女の腕の半分に飛び散った。見向きもせず、ナイフを引き抜いて次に向かった。
マー・サンニャンはもっと直接的だった。
そういうものと絡み合わない。長槍は首、眼、脊柱の接合点だけを狙う。刺し込む。手首を返す。引き抜く。毎回無駄がない。乾いている。穂先が触れたものは、近づくことすらできずに一体ずつ糸の切れた木偶のように倒れた。
最初の波は多くなかった。
七体。
だがこの層が人間の住む場所じゃないことは十分すぎるほどわかった。
B3の床に降り立ち、懐中電灯で前方を一掃すると、廊下全体が見えた。
ここは本当に地牢だ。
比喩じゃない。
左右両側に牢房が並んでいる。鉄柵。厚い扉。覗き窓。開いている扉もある。閉まっている扉もある。扉全体が外側に膨らんでいるものもある。中のものが長期間叩き続けた痕だ。床には引きずった痕、血痕、爪痕が全て残っている。天井は低い。配管が剥き出しで、古い蒸気管と新しい電気ケーブルが混在している。一定間隔で黄白色の防爆灯が吊るされ、廊下を病院と処刑場の混血児のような光で照らしている。
奥には黒い分岐路が見える。
「単一の層じゃない」リン・ユートンの声がイヤホンから断続的に入ってきた。「下の反響が乱れすぎて正確には判断できない。ただ、前方に少なくとも主通路が二本と、もっと広い空間が一つある」
「わかった」
カミラがいくつか手信号を出した。
第二隊がすぐに二組に分かれた。マレクが左側十五人を率いて第一牢区を制圧する。カミラ自身が十五人を率いて右側と主廊下中央を制圧する。俺の第一隊は引き続き最前線だ。
この方が安定する。
地下では人数が多いのは必ずしも有利じゃない。詰まる。乱れる。射線を互いに塞ぐ。だがここは小部屋の清掃じゃなく、地牢を打ち抜く作戦だ。ラインを塞ぎ、出口を封じ、補射する人間が十分にいなければならない。
前へ十メートル進んだところで、右側三番目の牢房が突然弾け飛んだ。
爆発じゃない。
扉ごと吹き飛ばされた。
黒い塊が中から飛び出してきた。
高さは二メートル近い。肩幅が広い。皮膚は縫い合わせた麻袋のようだ。胸には鉄釘と呪符の布切れが打ち込まれている。右腕は左腕より一段長く、指は犬の爪のようだ。頭蓋は異常に歪んでいる。口の中は砕けた歯と黒い血で満ちている。
実験の失敗作だ。
しかも一体じゃない。
俺はすぐに膝を狙って撃った。体全体が揺れたが、倒れない。それどころか、さらに奇妙な姿勢で斜めに飛びかかってきた。ニウ・シャオチンが真正面から迎え撃った。正面からは受けない。まず横に切る。飛びかかりをかわした瞬間、ナイフをその脇の下から上へ送り込んだ。刃が入る感触が悪い。濡れた木材と筋膜が混ざったものを突いているようだ。そいつはまだ死なず、逆手で一振りし、ニウ・シャオチンを壁に叩きつけそうになった。
エリザヴェータの銃声がその一振りより半拍早かった。
二発が肩関節に入った。
マー・サンニャンが続けて槍尖を補い、喉仏の下から一突きで貫いた。穂先が後頸から突き出た瞬間、そいつは全身の回路が一度に切れたように轟音を立てて倒れた。
後ろから二体目の失敗作が出てきた。
今度は突進じゃない。走ってくる。
速い。
両足の長さが違うのに、走り方は狂犬のように地を這う。まっすぐ後列の兵士の足に飛びかかった。その兵士の反応は遅くなかった。銃口を下げて短く掃射し、顔の半分を吹き飛ばした。それでもそいつは抱きついてきて、脛当ての縁に噛みついた。
「引き離せ!」俺は怒鳴った。
カミラの部下が一蹴りでそいつを弾き飛ばした。マレクが連射を補い、胸腹を完全に破壊した。だがそいつは死ぬ直前まで口を開け続け、歯が床を引っ掻いて耳障りな音を立てた。
その兵士の顔色がすっと白くなった。
怖いんじゃない。
痛いんだ。
ニウ・シャオチンが脛当ての縁を一瞥した。
「噛み込んどる」
「縛れ」カミラは素早く言った。「止血して後段につけ。前には出すな」
安心させる時間は無駄にしない。今はその時じゃないからだ。
第一段廊下がまだ制圧されていないうちに、第二波が来た。
今度は牢房からじゃない。
もっと奥からだ。
十数本の足音が床を引きずりながら、一斉にこちらへ向かってくる。
俺は灯りを前方に向けた。そして見た。
ナチスのゾンビだ。
一列に並んでいる。
軍服を着ているものがいる。囚人服を着ているものがいる。何も着ておらず、縫合跡と焼き印だけが残っているものもいる。顔は全部壊れている。口が全部おかしい。金属線で顎を無理やり縛られているものがいる。口に布を詰め込まれているものがいる。歯の間に黒いものを噛んでいるものもいる。
三体目を見た瞬間、脳が先に反応した。
布じゃない。
手榴弾だ。
「下がれ!」俺は怒鳴った。「手榴弾だ!」
声が終わる前に、先頭のゾンビが猛然と頭を上げた。
口の中に古い手榴弾を噛んでいる。安全ピンはない。安全レバーは針金で口の端と首の鉄輪に引っかかっている。顎がもう少し緩めば、あるいは頭を正面から吹き飛ばせば、それが爆発する。
こいつはゾンビ本体よりよっぽど性質が悪い。
俺は瞬時に交戦規定を変えた。
「頭を撃つな!脚を撃て!横から撃て!先に倒せ!」
廊下の中が一変した。
上半身を狙う癖のある連中が全員、銃口を無理やり下げさせられた。最前列の自爆ゾンビの脚が一斉に薙ぎ払われ、何体かが前のめりに倒れた。手榴弾はまだ口に咥えたまま、口の端から黒い血が滲んでいる。後ろのゾンビがそれらを踏み越えて押し寄せてくる。場面は一気にミンチ機のように気持ち悪くなった。
ニウ・シャオチンが倒れた鉄椅子を掴み、自爆ゾンビの顔面に叩きつけ、手榴弾ごと壁の角に叩き込んだ。マー・サンニャンはもっと綺麗だった。長槍を側面から喉の下に差し込み、頭を横に弾き飛ばし、槍身でそのまま薙ぎ倒す。口がこちらを向かないように。
だが間に合わないものは必ず出る。
右側で脚を撃ち抜かれたゾンビが、床を這いながら前へ進んでいた。誰もが射角を失ったと思った。次の瞬間、そいつは顔を床に叩きつけた。
俺は一言だけ怒鳴った。
「伏せろ!」
爆発音は大きくない。
だがこの狭い廊下では、十分だった。
通路全体が正面から鎚で殴られたようになった。爆風、鉄片、砕けた骨、壁の破片が一緒に飛んだ。最前列の三人が直接壁に叩きつけられた。俺の耳が一瞬鳴り、視界が白んだ。戻ってきた時、鼻の中は火薬と腐肉が焦げた匂いで満ちていた。
「人数確認!」
「一隊、異常なし!」
「左翼、二名負傷!」
「右側、戦闘可能!」
「爆破手、健在!」
よかった。
死者はいない。
全員が十分に早く伏せたからだ。
俺は地面から身を起こし、最初にエリザヴェータを確認した。
彼女は半跪みになっていた。肩と顔の側面に肉片と黒い血が付いている。重傷じゃない。だが全身が、あの爆発によってもっと深い場所まで揺さぶられているようだった。耳じゃない。神経だ。前に広がるゾンビの残骸を見つめ、指先が一瞬、意思に反して震えた。
俺は歩み寄り、肩を一度叩いた。
「こっちを見ろ」
彼女は目を上げた。
眼差しが半秒空白になり、それから焦点が戻った。
「妾は大丈夫じゃ」彼女は言った。
「大丈夫じゃなくても後でいい」俺は言った。「今は銃をしっかり握れ」
彼女は一度息を吸い、頷いた。
いい。
まだいる。
カミラの側はすでに隊形を立て直していた。
彼女の部下は硬い。爆発が収まった瞬間、補射すべき者は補射し、引くべき者は引く。誰も無駄に動かない。マレクはさらに徹底していた。口にまだ手榴弾の半分を咥えたゾンビの死体を空の牢房に蹴り込み、扉を音を立てて閉めた。中でもう一度くぐもった爆発音がして、鉄柵が外側に膨らんだ。
「これからは口がおかしいやつを見たら、まず顎を折れ」彼は言った。
「正解や」ニウ・シャオチンがナイフの黒い血を振り払った。「このクソどもほんまに発想がえぐいで」
「発想じゃない」カミラが言った。「実験だ」
彼女は前方のさらに暗い通路を見た。目つきは前方に突き刺さる針のようだ。
「進む」
俺たちはさらに三区画の牢区を押し進んだ。
道中、さらに多くのものが見えてきた。
鎖がまだ吊るされたままの牢房がある。壁に名前が刻み尽くされているものもある。ドイツ語。ポーランド語。ヘブライ語。子供が爪で乱雑に引っ掻いた線もある。床には時折、引きずった血痕が現れ、ある厚い扉の前で消えている。ここはかつて人を閉じ込めるだけの場所じゃなかった。加工場だ。選別場だ。まず閉じ込め、選び出し、送り出す——そういう場所だった。
最も気持ち悪いのは、多くの場所が八十年前のままの姿じゃないことだ。
最近交換されたばかりの錠がある。
新しい照明がある。
牢扉の奥にプラスチックのバケツと現代規格の薬箱が置かれているものまである。
誰かがずっと使い続けていた。
再起動じゃない。
継続だ。
廊下の中ほどに守衛室があった。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




