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124.アウシュヴィッツ地下実験室 2

この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。

マレクが半数をB1の守備に残し、残り半数で荷捌き場全体と下送路の入口を清掃する。カミラ自身が主力を率いて俺と一緒にB2へ降りる。俺を信用していないわけじゃない。こういう場所では、彼女も目を全部預けるつもりはないということだ。


貨物用エレベーターは使わなかった。


あれは遅すぎる。棺桶みたいでもある。


人員用エレベーターと予備階段を使った。


俺、カミラ、エリザヴェータ、牛小琴、マー・サンニャンが先に乗る。後続は後から続く。エレベーターの扉が閉まると、中は静かだった。ケーブルが動く低い唸り声だけが響く。


誰も喋らない。


全員が待っている。


俺はずっと手を銃の上に置いていた。


そして扉が開いた。


その瞬間、俺は悟った。これは地下倉庫を叩きに来たんじゃない。


俺たちは別の何かに入り込んだ。


エレベーターの正面の壁。


二メートル高の廊下の突き当たり。


巨大なナチスの鉤十字が、黒く光っていた。誰かが定期的に塗り直しているかのように。壁の両側には一定間隔で旗が掛かっている。赤。白。黒。整然と並んでいる。残留物じゃない。遺跡でもない。展示だ。ここが誰の場所かを、生怕別人不知道とばかりに見せつけているようだ。


廊下は清潔だった。


清潔すぎた。


床は古い灰色の方形タイル。壁は冷たいほど白い。照明はB1より明るく、温度はさらにない。空気には消毒液、ホルマリン、そしてその底に押し込められた血の匂いが混じっている。


後ろで誰かが冷たい息を吸い込んだ。


怖いからじゃない。


吐き気がしたからだ。


カミラの顔が一瞬で沈んだ。


驚きじゃない。嫌悪だ。元々冷たいその顔が、今は刃物で一皮削ぎ落とされたようになっている。


「進む」彼女は言った。


俺たちは廊下を前へ進んだ。


最初の部屋の扉は開いていた。


中は一目でわかった。


十数台の解剖台。


全部金属製。排水溝付き。拘束帯付き。台の上には空のものもある。何かが横たわっているものもある。完全な人間の形じゃない。いくつかの死体はすでに切り開かれている。胸腔が開いている。肋骨は折れた柵のようだ。内臓は残っているものもある。ないものもある。床には乾いた血と新しい血が混ざり合っている。色が違う。見ただけでわかる——ここは八十年前にしか使われていたわけじゃない。


匂いがさらに強くなる。


血。薬品。脂肪。そして腹を裂いた後にしか出てこない、熱い肉が冷えていく臭気。


エリザヴェータが一瞬止まった。


ほんの短い間だ。


だが俺には見えた。


死体を怖がる人間じゃない。ここまで戦い続けて、死人は彼女にとって何でもない。だがここは違う。扉の前に立ち、あの台、排水溝、器具架を目で流した瞬間、何かに後ろから引っ張られたように、全身が固まった。


俺は低い声で呼んだ。


「エリザヴェータ」


彼女は我に返り、短く応えた。


声がいつもより掠れていた。


カミラが一瞥して、何も言わずに前へ進んだ。


今は聞く必要のないことがある。聞いても意味がない。


二番目の部屋は悪夢に近かった。


ホルマリン培養槽が一列に並んでいる。ガラスは厚い。液体は黄白色がかった緑色だ。照明が当たると、部屋全体が死人の眼球の中に浸かっているように見える。槽の中に何かがある。人の形に見えるものもある。もう見えないものもある。四肢が逆に繋がれている。脊椎が外側に反っている。頭蓋が異様に大きい。手足が余分に生えているが育ちきっていない。半身だけの胴体が液体の中でゆっくりと揺れているものもある。


誰かが悪態をつき始めた。


俺たちの側からじゃない。


カミラが連れてきた兵の一人だ。一目見ただけで顔が青ざめ、顔を背けて嘔吐した。


カミラの声は銃より硬かった。


「吐いてもいい。足は止めるな」


その兵は何とか堪えた。目が兎のように赤くなっていた。


ニウ・シャオチンが槽の前に立ち、冷たく二秒見た。


「このクソども、死ぬんが遅すぎたんや」


マー・サンニャンは何も返さなかった。


ただ銃をより強く握り直した。


俺はあの培養槽を見ながら、背中が少し冷えるのを感じた。怖いからじゃない。整然としているからだ。槽一つ一つに番号がある。メンテナンス日付がある。台座の配管は今も繋がっている。これは残された展示品じゃない。継続的に管理されているものだ。


カミラも明らかに気づいていた。


顔色がさらに沈む。


「進む」


三番目の部屋。


扉は半分しか開いていない。


だが匂いが先に出てきた。


死体安置所の匂いじゃない。


屠殺場だ。


冷蔵庫が完全に閉まっておらず、血水が排水溝に溜まり、鉄のフックに何かが吊るされて揺れている——そういう匂いだ。


俺は銃口で扉を全開にした。


中にいる全員が一瞬止まった。


部屋は長い。


天井にはスライドレールが架かっている。その下に一列のフック。フックには人が吊るされている。一人二人じゃない。何体も連なっている。死んだ豚のように。半分剥がされたまま、続きを待っている家畜のように。乾ききった死体もある。まだ比較的新しいものもある。爪先が下を向いている。頭が力なく垂れている。床の血溝は排水口へと流れ、乾いてはまた新しい血に覆われている。


後ろで本当に堪えられなくなった人間がいた。


若い兵士が膝をついた。口を手で押さえ、涙が先に出てきた。臆病なんじゃない。普通の人間の脳みそが、ここまで来たら自分で拒絶反応を起こすだけだ。


カミラの顔色が完全に落ちた。


その兵士を根性なしと罵倒しなかった。


慰めもしなかった。


ただ二歩前に進み、吊るされた人間が埋め尽くす部屋を見渡して、氷のような声で言った。


「全部、目に焼き付けろ」


誰も応えなかった。


応える必要もなかった。


この場所は自分で目に刻まれていくからだ。


エリザヴェータが今度こそ震え始めた。


かすかに。


だが見えた。


扉の脇に立ち、顔はホルマリンから引き上げたばかりのように白い。手はまだ銃を握っているが、指の関節が力を入れすぎて青くなっている。俺は彼女の横に行き、視界の半分を遮った。


「大丈夫か」


彼女は前を見たまま、二秒経ってから言った。


「……奴らが何者か、妾は知っておる」


その言葉は薄かった。


紙のように薄かった。


俺は追わなかった。


今は聞く時じゃない。


こういう場所でこういう答えが口に出されると、隊全体が変わる。


カミラも聞こえていたようだ。横目でエリザヴェータを見て、やはり何も聞かなかった。ただ口を開いた。


「B2に守衛はいない。安全だからじゃない。この層そのものが守衛だからだ」


その通りだ。


鉤十字の旗が埋め尽くす。解剖台が並ぶ。奇形体が漬けられている。人間が連なって吊るされている。銃口は要らない。ここに入ってきた全員に向かって、この場所自体が語りかけているからだ——下にはもっと深いものがある。これは入口の廊下に過ぎない、と。


マレクの部下がB2の各廊下と部屋の扉を素早く確認し始めた。


生きた守衛はいない。


即応できる火力もない。


あるのはさらに多くの番号、さらに多くの閉じた扉、清空されながらも清潔に保たれた部屋だけだ。


清潔すぎる。


誰かがいつか人が下りてくると知っていて、それに備えているような清潔さだ。


リン・ユートンの声が再びイヤホンに入ってきた。


「下で止まりすぎ」


「B2に守衛はいない」俺は言った。「でも空じゃない」


「良い知らせには聞こえない」


「最初からそんなもんじゃない」


彼女が半秒沈黙した。


「今、下の電力消費分布を引き直した。B3から先、信号が汚くなってる。もっと多くの分層、もっと多くの扉があるみたい。気をつけて」


「了解」


俺は通信を隊内に切り替えた。


B2の廊下の突き当たりに、下への道がある。


エレベーターじゃない。


より厚い金属扉があり、その奥に下り階段が続いている。横には古い番号プレートがある。黒地に白文字。


B3


文字は小さい。


だが壁の鉤十字よりずっと重く見えた。


俺は扉の前に立ち、下から風が吹いてくるのを感じた。


もっと冷たい。


もっと臭い。


B2の消毒液とホルマリンで押さえ込まれた臭いじゃない。生と死が混ざり合った臭いだ。湿気も混じっている。焦げたものの匂いも混じっている。死体の穴の傍で誰かが儀式をして、燃料を注いで火をつけたような匂いだ。


ニウ・シャオチンが口の端を舐めた。


「下、穢れとるで」


マー・サンニャンが扉を見て、いつもより低い声で言った。


「穢れだけやない。怨嗟がこもっとる」


陰差の二人がそう言うなら、下は単なる実験の残骸じゃない。


カミラが俺の横に来た。


B3の標識を見る目は、井戸を覗き込む目のようだった。


彼女は振り返り、素早く命令を下した。


「第二隊は八人残してB2のエレベーターと上行ラインを死守しろ。マレク、この層を完全に封鎖しろ。後ろから何一つ這い上がらせるな。残りは呼吸装置、ショートライト、ドア封止ピンを整備。地下通信は短距離周波数に切り替え。間延びさせるな」


「了解」


「エリザヴェータ」彼女は彼女を見た。「まだ持つか?」


エリザヴェータは顔を上げた。顔は白いが、眼差しはまだそこにあった。


「耐えてみせよう」


「なら下で震えるな」


「……わかっておる」


カミラは俺を見た。


「ジョウ・シーダー、下はあんたが先頭を切れ」


「いい」


俺はマガジンを押し込み直し、チャージングハンドルを引いて薬室に弾を送った。


後ろの連中も最後の装備確認を始める。


フラッシュライト。サブウェポン。小型爆破。予備弾。呼吸マスク。マーキングロープ。


B2のあの三部屋の匂いはまだ鼻腔に張り付いている。だが今は誰も振り返らない。全員の視線がB3の扉に吸い寄せられているからだ。


あの下こそが、本物の奈落だ。


そして今回の、命がけの始まりだ。


俺は手を上げ、ドアノブに置いた。

「とても面白い」★四つか五つを押してね!


「普通かなぁ?」★三つを押してね!


「あまりかな?」★一つか二つを押してね!

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