124.アウシュヴィッツ地下実験室 1
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
蓋板が開く音は静かだった。
扉じゃない。
長すぎるほど陽の目を見なかった骨の関節が、ようやく誰かにこじ開けられたような音だ。
冷気が下から吐き出されてくる。乾いている。硬い。機械油と埃、それからどうしても洗い落とせない古い薬品の匂いが混じっている。墓穴の匂いじゃない。施設の匂いだ。下が完全に死に絶えているわけじゃない。ただずっと、閉じ込められていただけだ。
俺が先に降りる。
鉄梯子が坑壁に固定されている。狭い。両側は古いコンクリートだ。表面には防湿塗装が施され、後から何度か補修されている。懐中電灯で照らすと、異なる年代の修繕跡が見える。誰かがずっとこの下送路を維持し続けてきた。ただ、ひっそりと。蛇を飼う人間が、床の下に何かが息をしていることを他人に知られたくないように。
最初の踊り場に足をつけた時、俺は手で合図を出した。
二番目は牛小琴。
彼女はシキの体を借りて着地し、動きはいつもより軽く、そして冷たかった。少女が階段を降りる動作じゃない。手練れが坑道に入る動作だ。彼女は俺を一瞥して、一言だけ言った。
「下、人の気配がすんで」
「わかってる」
三番目はマー・サンニャン。
イェ・キアンの体を引き継いでから、全身がより真っ直ぐになった。より安定した。地面に打ち込まれた鉄の槍のようだ。着地すると、まず四隅を確認し、次に頭上、それから後方の退路を確認した。余計な言葉は一切ない。
最後はエリザヴェータだ。
着地しても声一つ出さない。ただ銃のスリングを肩にもう一度しっかりと締め直した。顔に表情はない。眼差しは灯りより冷たい。
爆破手は蓋板を半開きのまま残した。後続の大隊が入れるように。
俺が第一隊を率いて下へ向かう。
通路は長くない。二十メートル余り。突き当たりに重厚な工業用扉がある。扉の外に見張りはいない。カメラが直接向いているわけでもない。だからといって安全というわけじゃない。ただ相手が、外の偽装で十分だと思っているか、あるいは誰かがここまで辿り着けるとは思っていなかったかのどちらかだ。
俺は扉の脇に張り付き、二秒間耳を澄ませた。
中から音がする。
金属の車輪が床を転がる音。誰かが怒鳴っている。言語がバラバラだ。一種類じゃない。フォークリフトのバック警告音の短い鳴動もある。
俺は牛小琴を見た。
彼女は口の端を歪めた。
「生きた人間や。それもぎょうさんおるで」
俺は手でカウントダウンした。
三。
二。
一。
爆破手は爆薬を使わなかった。ドアロックの構造を切り開いただけだ。次の瞬間、俺は扉を蹴り破った。
B1が一気に明るくなった。
自然光じゃない。倉庫灯だ。冷たい白色。天井に何列も並んで吊るされ、荷捌き場全体を屠殺ラインのように照らしている。
広い。
想定より広い。
左側は荷捌きホームとスライドレール。右側は積み上げられた木箱、ドラム缶、梱包済みの金属ケース。中央は調度場だ。フォークリフト、台車、半開きのケージカート、番号付きのパレット——全部が乱雑の中に秩序を持って並んでいる。奥には荷受け用の短い軌道と昇降プラットフォームも見える。
敵は想定より質が低かった。
精鋭じゃない。
一目でわかる、金で雇ってきた門番だ。装備がバラバラ。制服もバラバラ。動きもバラバラ。煙草を吸っている奴が何人か。箱を運んでいる奴が何人か。木箱の上でトランプをやっている奴が二人。本当に銃口意識のある奴は半分にも満たない。
だが反応はそれなりに早かった。
扉が開いた瞬間、何かあったとわかった。
最初に振り返った男がまだ叫び終わらないうちに、俺は撃った。
短点射。
三発。
喉。胸。肩。
倒れた。
右側の警戒ポジションにいた機関銃手が掩体の後ろに縮もうとした瞬間、エリザヴェータの銃声が先に来た。制圧じゃない。排除だ。弾丸が眼窩から入り、後頭部が血煙を上げて鉄骨に叩きつけられた。
「右、制圧じゃ!」彼女が低く吼えた。
牛小琴が飛び出した。
シキの体で走り出した時、そこには妙な凄みがあった。体は小さい。だが速度が異様に速い。箱の側面から側翼を突こうとした最初の傭兵は、銃を水平にする前に牛小琴に木箱の隙間へと叩き込まれた。次の瞬間、ナイフが顎の下から上へ突き刺さる。音はない。ただ血が木板の隙間から外へ流れ出るだけだ。
マー・サンニャンはもっと綺麗だった。
追わない。
ラインを断つ。
警報ボタンの方向へ飛びかかろうとした傭兵が、調度場中央の黄黒警告ラインを踏んだ瞬間、マー・サンニャンはもうそこにいた。イェ・キアンの体はもともと背が高く、リズムを掴んだ彼女が動き出すと、直線で射出された鉄の部品のようだ。長槍を一突き、その男を壁際に縫い止める。一捻り、引き抜く。男が滑り落ちる。警報には指一本触れられなかった。
俺は前突組を率いて中央の調度場を一直線に切った。
こういう場所で一番怖いのは人数じゃない。相手が箱と車両の間に潜り込んで時間を稼ぐことだ。火力ポイントを広げられたら面倒になる。だから最初の一波で必ず粉砕しなければならない。
俺は歩きながら撃った。
左。右。前。
判断に与える時間は半秒だけだ。
フォークリフトの後ろに隠れた傭兵が俺に向けて連射してきた。俺は止まらず、フォークリフトごと掩体として突っ切った。横の二人が補位して銃を抑え込み、相手の頭を上げさせない。俺は車体側面から銃口を突き出し、エンジンカバーに沿って相手の胸を撃ち抜いた。
血が車輪に飛んだ。
フォークリフトはまだ空転している。
誰かが叫び始めた。ドイツ語じゃない。俺の知っている訛りでもない。パニックになった時に初めて出てくる言語は、どこにでもある。こういう連中は腐るほど見てきた。金をもらって門番をするのはできる。本物の地獄に入るのは、無理だ。
調度場の右後方で、二人がようやく重火器を据え付けた。
古い機関銃。十分使える。十分うっとうしい。
だが立ち上がりが遅すぎた。
「右後方、重火器!」俺は怒鳴った。
エリザヴェータはすでに金属ケースの列の後ろに半跪みになっていた。俺には何も返さない。スコープの中で呼吸を一つ整えただけだ。次の瞬間、機関銃の副射手の頭が後ろへ吹き飛び、そのまま倒れた。主射手が本能的に引き金を引こうとした。牛小琴がもう側面から飛び込んでいた。
一足で機関銃の脚架を踏みつけ、ナイフを肋の下から突き入れ、そのまま上へ抉り上げる。
機関銃手は缶切りで開けられたように後ろへひっくり返った。
火力ポイントが沈黙した。
その時、後続の第二隊も入ってきた。
カミラの声が先に届く。
「マレク、左翼を封鎖。三組は私と一緒に中段を制圧。残りは出口を塞げ、一人も下へ逃がすな」
彼女が人を率いて入ってきた瞬間、リズムが変わった。
俺たちは刃先だ。
彼女の部下は鉄槌だ。
二つが合流した途端、B1に残っていた抵抗など持ちこたえられるはずがない。
マレクが左翼十五人を率い、荷捌きホームに沿って一気に押し進んだ。部屋を清掃するんじゃない。ラインを清掃する。死角、コンテナの裏、レール際——全部最短の火力で引きずり出した。反対側ではカミラ自身が人を率いて中央を制圧した。大声を上げる必要もない。彼女が立つ場所に火力が集まる。昇降プラットフォームで逃げようとした最後の傭兵たちは、ボタンに触れる前に一まとめに撃ち倒された。
B1全体。突破から制圧完了まで、十分もかからなかった。
床には箱の破片、薬莢、ひっくり返った台車、そして傭兵の死体が散乱している。
一人の傍らを踏み越えた時、胸に仮の身分証が下がっているのが見えた。名前は血で滲んでいた。その下には手書きの食券が一枚。こういう細部が全てを語っている。こいつらは忠義で動いていたわけじゃない。労働者だ。警備員だ。金をもらって地獄の門番をしていた雑兵だ。
だから死ぬのが早かった。
カミラが俺の横に来て、場内を一通り見渡した。
「B1、制圧完了」
「緩すぎる」俺は言った。
「この層は私たちを止めるためにあるんじゃない」彼女は奥の貨物用エレベーターを見た。「荷物を下に運ぶためにある」
俺も見えていた。
貨物用エレベーターは大きい。人を乗せるやつじゃない。物を運ぶやつだ。箱を。生き物を。あるいは死体も運べる類のやつだ。
その横に人員用エレベーターが一台ある。
扉は閉まっている。
表面は普通の灰色に塗られ、標識は何もない。普通であればあるほど、気持ち悪い。
林雨瞳の声がイヤホンから入ってきた。
「地上外周、異常なし。大規模接近は確認されていない。シュトゥルムシュライター、待機継続。そっちの状況は?」
俺は人員用エレベーターを見た。
「B1を制圧した。これから下へ向かう」
「了解」
ヴィクトリアが割り込んだ。
「耐荷重が不明な場所で大型爆破はやめて。上で私がシュトゥルムシュライターを下に送って助けに行くなんてことはしないから」
「安心して待ってろ」俺は言った。
「ずっと安心してるわよ。死にそうなのはあんたたちでしょ」
いい。
地上はまだ安定している。
カミラはすぐに配置を決めた。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




