113.シュトゥルムシュライター 2
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
コアエリアへの道は、長くなかった。
だが一メートルごとに、誰かが戦争を圧縮して詰め込み、鋼と血と火薬と死体で満たしたみたいだった。
B2のメイン通路の右側から切り込んでいく。足元は濃いグレーの滑り止め塗装、両側の壁面は病院でしか使わない死んだ白、頭上の蛍光灯が一本ずつ前へ延びて、全員の影を短く硬く床に押しつけている。空気には硝煙、消毒液、それにもっと古くて重い何かが混じっている。皮革の手袋、葉巻の灰、古い機械油が一緒になって、肺に絡みついて離れない。
工場の匂いじゃない。
時代遅れだが死んでいない戦争の嗜好を、今日まで飼い続けてきた人間の匂いだ。
前方三十メートル先に、最初の封鎖があった。
砂袋でも掩蔽物でもない。厚い鋼板と実験室のドア枠を溶接して塞ぎ、二つの射撃口と擲弾兵が投擲できる上部の隙間だけを残してある。左の壁面後方には交差射撃が組まれ、右の高所には固定火力点がある。黒い装甲板が半面を覆い、外形は鋼座に跪かせた棺に近い。人型でも車両でもない。ただ火を吐ける鉄の棺だ。
一目で見て取れた。あれは急造じゃない。
最初からここを守るために置かれている。
「接触。」俺は低く言った。
次の瞬間、向こうが先に撃ってきた。
試し撃ちじゃない。連続した制圧射撃だ。7.62と、さらに重い口径が混ざって叩きつけてくる。白い壁が弾けて石粉の筋になる。最初の榴弾が俺たちの前方の壁角に着弾し、爆風が巻き上げた破片がシャベルみたいに一人のポーランド兵を壁に叩きつけた。
「掩蔽! 右高火力点を潰せ!」俺は叫びながら、左側の試験台の陰に飛び込んだ。
マレクの人間の動きは速い。A.K.-DUCHは化け物を見て固まる新兵じゃない。化け物を見ると顔が険しくなり、銃の精度が上がる部隊だ。二名がすぐ右側の低い掩蔽物に圧し込み、AKの短点射を上方の射撃口に向けて叩き込む。別の一人が負傷者を後退させ、さらに一人が煙幕手榴弾を投げ込んで視線を遮断しようとした。
煙が上がりかけた瞬間、最初の敵が正面封鎖の後方から圧し出てきた。
リヴァイアサン装甲擲弾兵だ。
以前、地上で見たような寄せ集めの装備じゃない。この一団は装甲が厚く、胸甲、肩甲、腹部全てに一層ずつ溶接された深黒色の鋼板が重なっている。旧式の防爆甲と何らかの実験室製の金属を組み合わせ、外面には粗いドイツ語の文字が刻まれている。ヘルメットに完全なフェイスガードはなく、二本の細いスリットだけが残り、その奥から赤い光が滲んでいる。全員の肩に短管の擲弾発射器が掛けられ、歩みは速くないが安定している。押し寄せてくるのが兵士じゃなく、歩く機械の一群みたいだ。
「正面に三、後方にまだいる!」エリザヴェータが俺の右後方で言った。声は低く、献立を読み上げているみたいだ。
俺は掩蔽物の縁から身を乗り出し、三発連続で撃つ。最前列の擲弾兵の首と脇の接合部を狙う。一発目で装甲の一片が削れ、二発目は弾かれ、三発目で全身が少しよろける。それだけだ。あいつはそのまま擲弾を持ち上げる。
葉綺安が先に動いた。
躱すんじゃなく、掩蔽物の後ろから直接踏み出した。馬三娘が上がってからの体の立ち方は、普段より真っ直ぐで、一本張り詰めた槍みたいだ。手の中の長槍を一振りすると、穂先が床を削って火花を引き、その身体はすでに最前列のリヴァイアサン装甲擲弾兵の射界の中に入っていた。
弾が当たる。本当に金属板に当たるみたいに。
誇張じゃない。チンチンと弾かれて外へ飛ぶだけだ。
後ろの二人のポーランド兵はその光景を見て、明らかに全身が半拍止まった。だが軍人としての素質が助けた。声も上げず、俺を振り返りもせず、ただ一段強く火線を前へ押し出した。
葉綺安の槍先は、その擲弾兵の喉甲の下縁に刺さり、勢いに乗って引き倒す。相手はまだ倒れていない。左腕が鉄鎚みたいに彼女に向かって振り下ろされる。彼女は退かない。槍の石突きを下へ押さえ、相手の肘関節を力ずくで引っかけ、肩を沈めて、装甲を纏った人形全体をひっくり返した。
「前へ!」俺は叫んだ。
希と牛小琴は、ほぼ同時に飛び出した。
希の目つきは、B2に降りた時よりさらに冷えていた。血走っているんじゃない。何か見慣れすぎたものを見た後、顔に残るのが薄く今にも裂けそうな自制だけになった、あの表情だ。手の中の刃が落ちる時、斬るというより執行するみたいだ。最初の一撃で半完成品のゴーレムの胸腔を砕き、次の一撃で横の量産型の頭を打ち飛ばす。金属部品、セラミック板、骨に似た素材、黒い液体が一緒に弾け飛び、彼女の顔の半分を汚した。
牛小琴が上がってからの彼女の前への圧し方は、工事機械に近い。祖霊の山刀は型を見せるためじゃなく、断ち切るためにある。別のリヴァイアサン装甲擲弾兵の肩窩に刃を食い込ませ、抜かずにそのまま下へ押し倒す。相手がまだ銃を上げようとすると、牛小琴は膝に蹴りを入れる。装甲板が歪み、人が跪く。続く二撃目が、首から兜の半分ごと削り飛ばした。
右高の鉄の棺の火力点が、その時向きを変えた。
前面装甲板の隙間に赤い照準線が灯ったと思うと、次の瞬間、重口径の曳光弾が焼けた釘みたいに上から掃射してきた。壁、床、掩蔽物の縁が全部叩き潰される。移動しようとしたポーランド兵の一人が、右脚を根元から撃ち抜かれ、転がりながら戻ってくる。口は閉じたまま、ただ奥歯を死ぬほど噛み締めていた。
「あれは抑えられない!」マレクが後方に怒鳴った。
「わかってる。」俺は返し、イヤホンに切り替えた。「右高の固定火力点、鉄の棺型だ。RPGがまだあるなら、今が使い時だ。」
イヤホンに銃声と人声が数発混じり、それからカミラの声が入ってきた。いつも眠そうで、実は誰より覚醒しているあの声だ。
「見えてる。」
二秒後、もう一言。
「私の射線上で死ぬな。」
頭を下げた瞬間、左側の支路から足音が迫ってきた。
敵じゃない。カミラが自ら人を連れて切り込んできた。
彼女の入り方はシンプルだ。怒鳴り声も、見得もない。前の二人の隊員が短い火力を出して左の射撃口を抑え、その後ろからカミラがRPG-7を受け取り、片膝をついて、肩に当てて、照準を合わせた。一連の動作が、何百回も繰り返してきたみたいに無駄がなく、余分な呼吸一つない。
見せ場を作っているんじゃない。
手練れだ。
「頭を下げろ。」彼女は言った。
ロケット弾が飛び出した瞬間、通路全体が一度だけ白く光った。
爆発は開花じゃなく、打撃だ。右高の鉄の棺の火力点が鋼座ごと吹き飛ばされ、装甲板が外へ翻り、内部の機械骨格と血肉が絡みついた内張りが直接炸裂し、半分がまだ痙攣している。高所の火力が止んだ瞬間、通路全体の圧力が一気に緩んだ。
「押し込め!」俺はすぐに立ち上がった。
今度は誰も止まらない。
マレクが先頭で掩蔽物を越え、二人のポーランド兵が前へ手榴弾を投げ込み、葉綺安が残りのリヴァイアサン装甲擲弾兵二体を正面から圧し、希が懐に切り込む。部隊全体が、無理やり押し込まれた鑿みたいに、最初の封鎖口を貫いた。
後方の量産ゴーレムたちも、その時一斉に動き出した。
一か所から来るんじゃない。両側の観察窓、試験台の裏、吊り架、搬送レールの脇から、一体ずつ目を覚ます。大きさはまちまちだが、構造はほぼ同じだ。金属の脊椎、剥き出しの鉚釘関節、人型の胸腔に嵌め込まれた発光するコア、顔面は古い磁器と骨材を無理やり組み合わせた死んだ顔。自我があるようには見えない。統一された信号で起動させられた道具に近い。
道具も、数が増えれば人を殺せる。
一体のゴーレムが右側の作業溝から這い出し、ポーランド兵の一人の背中に飛びついた。機械の両手が肩に食い込む。その男が振り向く暇もなく、エリザヴェータが消えた。
本当に消えた。
走るのが速いんじゃなく、俺の視野の中で人の形が霧散した。暗紅色の血霧になって、床と壁の縁を伝い、滑り抜けていく。その光景は、どんな意味でも、普通の戦場の認識の中に収まる代物じゃない。次の瞬間、その血霧はすでに横の扉から飛び出してきた別の人型の敵兵にまとわりつき、装甲の継ぎ目を伝って上へと這い上がり、肩の後ろで一気に膨らんだ――
さっきは距離を置いて見ていた。今回は初めて、近くで、あの「口」をはっきりと見た。
人間の口腔じゃない。
何かを強引に拡大して、引き伸ばして、生えるべきじゃない位置に生やした七鰓鰻の口に近い。愛嬌も、優雅さも、一切ない。ただ幾重にも内側へすぼまる鋭い歯と、湿った血の色の組織だけがある。それが相手の首に噛みついた。骨の残った管を解体するみたいに。血が一気に噴き出し、敵は悲鳴を上げかけて、声が半分で途切れた。
俺は手の中の銃が、本当に半拍遅れた。
怖いからじゃない。あの光景があまりにも直接的すぎて、脳がまず理解を拒絶してから、強制的に受け入れさせられたからだ。
背後の若いポーランド兵もそれを見ていた。顔が寒気に撫でられたみたいに真っ白になったが、崩れはしない。ポーランド語の悪態を一つ吐き、残りの二体のゴーレムにマガジンを丸ごと叩き込んだ。
エリザヴェータが地面に降り立った時、口元にはまだ血がついていた。
手の甲でそれを拭い取る。その表情は狂気でも、美でも、作り物の高貴さでもない。ただ純粋な嫌悪感だ。
「これも不味いのう。脂が多すぎるわ。」牛乳の品評でもするような口調だった。
そう言って足元の死体の手首を踏み砕き、顔を上げて前方を見る。「次じゃ。」
その一言で、カミラの側の人間まで半秒黙り込んだ。
どうやら今夜は、相当機嫌が悪いらしい。
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前方の第二火力線が収縮し始めた。両側の生産槽からさらに多くの量産ゴーレムが這い出し、その後ろに本物の鉄の棺が二体続いている。今度は固定式火力点じゃない。歩く重装ユニットだ。棺を縦に立てて関節を取り付けたような外殻で、下半身は太く短く、一歩ごとに床が震える。正面装甲は理不尽なほど厚く、中央に細い観測スリット、両側に重火器と破砕アームが伸びている。
「RPGはまだあるか?」俺は聞いた。
「一発。」カミラが返す。
「二体目に取っておけ。」俺は言った。「一体目は俺が引きつける。」
言い終わるが早いか、俺は位置を変えた。
英雄気取りじゃない。あいつの注意を引かなければ、後ろの人間が火線で分断されるだけだ。
ひっくり返った台車の陰から転がり出て、鉄の棺の観測スリットと膝の接合部に連続で点射する。貫通は期待していない。向きを変えさせればいい。狙い通り、そいつはすぐに葉綺安側から俺の方へ火線を移した。重い弾が台車と床を叩き、砕けた金属が雨みたいに顔へ弾いてくる。身を低くして左側の操作台に沿って滑り、場所を変えて、また撃って、また引く。
葉綺安は意図を汲んだ。
声を上げず、鉄の棺が横を向いた隙に右から切り込む。長槍を下から上に向けて側面装甲の接合部に差し込んだ。穂先が入った瞬間、機体全体が震えた。鋼を刺したんじゃなく、内部の何か本当に重要なものを刺したみたいに。返しの一撃が来る。破砕アームが轟音と共に床に叩きつけられ、コンクリートに穴を開ける。葉綺安はその一撃をまともに受け、二歩後退した。ブーツの底が床に白い跡を二本刻んだが、体勢は崩れない。
そこへ希が側面に回り込んだ。
鉄の棺が腕を上げるのを見て、あの理不尽な厚さの装甲を見て、彼女の全身が一瞬だけ固まった。
怖いんじゃない。
思い出したんだ。
俺には、彼女が誰のことを思い出したかわかる。
こういうもの、押し寄せてくるこの重さ、人間を素材や障害物みたいに踏み潰していくやり方。それだけで記憶の中のある顔を引き戻すには十分だ。目の奥の凶光が一気に立ち上がる。立ち上がるのが速すぎて、あと一秒このまま前に行かせたら、戦っているんじゃなく、炎に飛び込んでいくとわかった。
俺は一歩踏み出し、左手で彼女の肩を押さえた。
力は入れていない。ただ、確かに。
彼女が振り返る。目つきが刃だ。
「今じゃない。」俺は言った。
四文字だけ。
胸が一度大きく上下して、何も返さない。だが奥歯が、ゆっくりと緩んだ。それから頭を下げ、歩き方を変えた。正面からの強行突破を、側面への切り込みに切り替える。それでいい。今は記憶と決算する時じゃない。今は、この工場をぶち壊す時だ。
「カミラ!」俺は怒鳴った。
「二体目、見えてる。」
「壁際の根本を狙え、胸じゃない!」
「黙ってろ。」
第二発のRPGが飛び出した時、俺は希と一緒に金属製の操作台の陰に身を伏せていた。
火箭弾は葉綺安の前方をかすめ、信じられないほど正確に二体目の鉄の棺の右側脚部基座と壁面の接合部に命中した。正面を抜いたんじゃない。だが片側の支持構造を吹き飛ばした。鉄の棺全体が左へ傾き、重火器が制御を失って掃射し、自分側の人間と量産ゴーレム二体をまとめて引き裂いた。マレクはすぐに機を掴み、観測スリットと関節部への集中射撃を指示する。手榴弾が二発、めくれ上がった破口に押し込まれ、爆発が内部の肺葉に似た、あるいは冷却袋に似た何かを丸ごと外へ引きずり出した。
一体目の鉄の棺も、もう限界だった。
葉綺安の槍が深く入り続け、牛小琴が側後方から一閃して外付け弾倉を断ち切り、希の最後の一撃がすでに裂けていた胸部装甲に叩き込まれた。中から飛び出してきたのは単なる部品じゃない。管線に絡まった灰白色の圧縮組織の塊で、臓器と機械を詰め合わせて無理やり機能させたみたいなコアだ。それがまだ痙攣していた。見ていて、苛立つ。
「この場所、本当にどうかしてる。」ポーランド兵の一人が低く呟いた。
誰も反論しなかった。
事実だからだ。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




