108.ポーランドゲリラのもてなし 2
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
俺たちは一人ずつ立ち上がる。安っぽいプラスチックの椅子が床と擦れて嫌な音を立てる。A.K.-DUCHの連中も動き始めたが、突然銃を構えて距離を詰めてくるのではなく、極めて秩序立って包囲を収縮させてきた。二人が先に外へ出てルートを確認し、二人が厨房とサイドドアへ回って最終クリアリングを行う。もう一人が、どこから持ってきたのか医療キットを提げて、俺たちのテーブルに放り投げた。
「道中で使える」
今度口を開いたのはマレクではなく、彼より若い男だった。医療キットを置くとき、俺の肩の、かさぶたができては裂けた傷口に一瞬視線を止めたが、余計なことは言わず、ただキットを少し前へ押しやった。
俺は短く「ああ」と言って、礼の代わりにした。
マクドナルドを出ると、外の冷気が刃の背みたいに顔を叩いた。さっき暖房と油とコーヒーに誘い出されていた、わずかな人間らしさが、一瞬で吹き飛ぶ。駐車場の灯りはまだついていて、俺たちのタトラもまだそこにある。ただ、周りには見知らぬ人間が数人増えていて、すでに車頭とシャーシの点検を始めている。誰かがポータブルの作業灯を立て、黄色い光がエンジンルームを照らし出すと、蒸気と白煙が一緒に噴き出してくる。半死半生の巨獣に野戦手術を施しているみたいだ。
ヴィクトリアが足を止め、二秒ほど見つめる。
マレクは彼女が立ち止まるのを予想していたかのように、振り返りもせず一言投げる。
「まだ生きてる。お前もな。まずは自分の整備だ」
ヴィクトリアは眉をひそめたが、最終的には歩き続けた。
A.K.-DUCHは、俺たちを元の車で移動させなかった。
それは意外じゃない。あのタトラは今、目立ちすぎる。「チェコ国境をぶち抜いてきました。どうぞ捕まえてください」というネオンサインを背負って走るようなものだ。
駐車場の反対側に、目立たない車が二台停まっている。濃い色のバン一台と、いつドアが落ちてもおかしくないほど古い箱型トラック一台。外見はどちらもボロボロで、道端で拾ってきた民間車みたいだが、近くで見れば手が入っているのがわかる。タイヤは交換され、サスペンションは補強され、窓には内側から遮蔽が施されていて、後部座席と荷台のスペースも整理し直されている。
「二台に分かれる」マレクは言う。「お前たちはバラバラになりすぎず、かといって固まりすぎるな。周は俺と同じ車だ」
俺が口を開く前に、林雨瞳がこちらを見た。
何も訊かない。ただ見る。
意味は明確だ。お前が決めろ。
俺は軽くうなずく。
「わかった。雨瞳、綺安、ヴィクトリア、小琴は一台。エリザヴェータは俺と一緒だ」
エリザヴェータが片眉を上げる。ようやくまともな判断をしたな、とでも言いたげな表情だ。俺は無視して、バンのスライドドアを引いて中に潜り込む。
車内には、古いフェルトと銃油と湿気が混ざった匂いがした。いい匂いではないが、俺たちのタトラに充満していた軽油と焦げ臭さに比べれば、まだ人間の文明に近い。
ドアが閉まると、外の駐車場の灯りが大部分遮断され、車内にはダッシュボードと前席の無線機から漏れる微かな光だけが残る。マレクが助手席に座り、名前も知らない運転手がエンジンをかける。その動作は、ボロいバンを運転しているのではなく、一つの撤退ルートを起動しているような無駄のなさだ。
もう一台もほぼ同時に動き出す。クラクションも鳴らさず、余計なライトも点けず、二台は前後に並んで駐車場を滑り出し、ポーランドの、まだ目覚めていないような灰色の夜の中へ再び溶け込んでいく。
俺は窓際にもたれ、曇ったガラス越しに外を眺める。
高速道路、インターチェンジ、工業地帯の縁、低い倉庫群、遠くの煙突、冷たい風に押し潰されて形も分からない防風林の列が、次々と後ろへ流れていく。こういう時のポーランドは、チェコと大して変わらない。どちらも冷たく、硬く、工業時代が腐り落ちた後に残った骨組みの匂いがする。違いがあるとすれば、こちらの骨組みの方が大きく、そして重いことだ。地面の下全体に、まだ腐りきっていない何かが埋まっているような重さがある。
「俺たちをマークしてから、どれくらいになる?」俺はふいに訊いた。
マレクは振り向かない。
「十分な時間だ」
「気持ち悪い答えだな」
「今日は機嫌がいいと思え」
俺は口の端を歪めようとして、裂けた唇が引っ張られて痛みが走り、すぐに笑いを引っ込めた。
「国境からか?」
「違う」マレクは言う。「A1に入ってから、正式に俺たちの視界に入った」
「あのマクドナルドは?」
「ノードだ」彼は言う。「補給拠点であり、監視拠点であり、時として接触拠点にもなる」
「つまり、偶然俺たちを見つけたわけじゃない。最初から、南から生きて這い上がってくる奴を待っていたってことか」
「そんなところだ」
彼の答えは実にあっさりしていて、俺は逆に悪態をつく気も失せた。これが真実だからだ。運命でも偶然でもない。この連中が自分たちの縄張りに十分細かい網を張り巡らせていて、俺たちが血まみれのまま、その網の目のど真ん中に突っ込んできただけなのだ。
エリザヴェータが横から、淡々と一言付け加えた。
「言い換えればじゃな。そなたは飢えた難民がマクドナルドを見つけたと思うておったが、奴らの目には『移動する高リスク情報パッケージ』に見えておったということじゃ」
「お前、どうしてもそうやって棘のある言い方しかできないのか?」
「そなたの意識を明瞭に保ってやっておるのじゃ」
俺は窓の外を見つめたまま、エリザヴェータには何も返さなかった。
言っていることは、その通りだからだ。
車列は幹線道路を離れ、細い道へと切り込んでいく。最初はまだマシな二車線の舗装路、やがてもっと狭い支道になり、街灯も減っていった。道端には時おり低い平家や廃工場の小屋が姿を見せるだけで、あとは人を丸ごと飲み込みそうな黒い林が続く。地面には雪が残っているが、一面真っ白ではなく、タイヤの轍と泥にかき混ぜられた汚い灰色のシャーベットだ。バンのタイヤがそれを踏み砕くたび、鈍い音が響き、それが妙に安心させる。少なくとも、道がまだ続いている証拠だから。
奥へ進むほど、工業廃墟の気配が濃くなっていく。
それは鼻で嗅ぐ匂いではなく、目で見てわかる痕跡だ。半分崩れたコンクリートの壁、ちぎれた搬送管、放棄されたサイロ、黒く錆びた鉄骨。それに、もともと鉱山施設なのか、何かの付属建屋なのか判別もつかない構造物が、林と空き地の間に乱雑に突き刺さっている。きれいに片付けられていない大型の死体——昼間に来ればもっとはっきり見えるだろう。だが今は暗さゆえに、その輪郭だけが浮かび上がり、むしろ地面の下からゆっくりと牙を生やして這い出してくるように見える。
「もうすぐだ」マレクが言う。
前の車がスピードを落とし、俺たちの車もそれに続く。ヘッドライトが半ば倒れかけた鉄条網を照らし、その横には錆びすぎて文字が判然としない古い警告板が立っている。さらに奥には、火災に遭ったのか、もともとそういう色なのか判断もつかない低いコンクリートの建物がある。屋根は半分落ち、外壁には枯れた蔦が絡んでいる。通りがかりに見ても、二度見する気にはならない典型的な廃倉庫だ。
車が停まったとき、俺の鼻をついたのは湿った土の匂いだった。
新しい土の匂いではない。長年陽の光が当たらず、コンクリートと鉄錆に閉じ込められた湿気の匂いだ。前の車からはすでに何人かが降りていて、抑えた懐中電灯の光が廃墟の側面にある崩れかけたスロープを照らしている。その場所はもともと地下の貯蔵区画かメンテナンス坑道に下りるためのランプだったのだろう。外には廃オイル缶や壊れた木箱が雑然と積まれている。A.K.-DUCHの二人が歩み寄り、左右に分かれてガラクタをどかすと、陰の中から厚い鉄扉が現れた。
映画みたいなカッコいいギミックなんてない。
錆と水と泥、それに一見普通だが、明らかに手入れが行き届いた外付けの南京錠があるだけだ。
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