106.境界線 4
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
廃材場を抜ける間、車速が落ちざるを得なかった。こういう場所は重型車両に最も致命的だ。次の廃鉄の山の下に、コンクリートの塊や折れたレールが埋まっているかなんて、永遠に分からない。だが葉綺安はこういう最悪の路面と生まれながらの因縁でもあるみたいで、避けるべきは避け、避けられないものは直接踏み潰した。彼女の手の中で、この車は逃げているというより、地形と本気で殴り合っているようだった。
「左前に開口部」エリザヴェータが言った。「出たら直進百メートル、維修線に乗れ」
「了解」
車が廃材の陰から飛び出した瞬間、前方に小型赤外線トリップワイヤーが一列に光った。
胸の奥が沈んだ。
「罠だ!」
葉綺安の方が俺より速かった。何も聞かず、ハンドルを思い切り左へ切った。トラック全体が横滑りしながら、そのトリップワイヤーの直前を擦り抜けた。次の瞬間、元々俺たちの正面だった地面が轟然と炸裂した。大爆発じゃない。指向性破片地雷が順次起爆して、砕けた鋼と石塊が扇状に俺たちの右側を掃った。半秒遅れていたら、右前輪と運転席が丸ごと削り取られていた。
「見事!」俺は前へ向かって怒鳴った。
葉綺安は返事の代わりにクラクションを一度鳴らした。ロバの鳴き声みたいに壊れた音で、言葉よりずっと生意気だった。
旧鉄道維修線に乗った時、後続との距離が少し開いた。だがこの距離が一時的なものだと分かっていた。本当に厄介なやつはまだ来ていない。
リヴァイアサンには道は要らないからだ。
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東向追撃群の第二追猟授権が車載ネットワーク上で点灯した時、前線の軍警車列は阿吽の呼吸で道を譲り始めた。
勇敢だからでも、命令に従ったからでもない。
見たことがあるからだ。
暗闇の中で熱特徴をほとんど持たない状態で、ガードレール沿い、排水溝沿い、鉄道の法面沿いを並走して車列に追いつく様を。敵でも味方でも関係なく、道を塞ぐものは片っ端から弾き飛ばし、引き裂いていく様を。そして特定の熱源と高エネルギー痕跡を嗅ぎつけたら、狂犬の群れみたいに最後まで噛みついて離れない様を。
追撃群の車長がヘッドセットで受け取ったのは、馬鹿げているほど短い命令だった。
「車間距離を維持せよ。第二追猟組と同線に入るな」
説明はなかった。
必要もなかった。
東向維修線の監視カメラがすぐに目標トラックを捉えた。老朽化したTatraは暗視画面の中で熱を帯びた廃鉄の塊みたいに見えた。タイヤが鉄道の砕石と枕木を踏むたびに鮮明な熱痕が残り、荷台の重火器はまるで明々とした囮だった。軍警の追撃車は遠くからついていくだけでいい。予定された封鎖方向へ追い込めばいい。
本当に追いつく必要があるのは、維修線の両側の暗い法面と排水構造から浮かび上がってきた三つの冷たい輪郭だ。
第二追猟組。
車灯もない。無線もない。完全な道路すら必要としない。赤外補助映像で時折跳ねる核心部の小さな暗熱だけが、あれが影じゃないことを証明している。
前線の車長は、その三つが常軌を逸した速度で鉄道と平行する低地を滑り込んでいくのを見て、喉仏を明らかに動かした。
心の底から願った。あのトラックの火力がもっと凶悪であればいいと。
あいつらを全部、粉々にしてくれればいいと。
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旧維修線は思っていたよりずっと酷かった。
元々並行していた複線のうち一本はとっくにバラバラに解体されて、散らばった枕木と突き出た固定座しか残っていない。もう一本は残っているが、レールは錆びて黒ずみ、間に腰の高さの雑草が生い茂っている。俺たちのトラックは今、道に沿って走っているんじゃない。レールに半分乗りながら、横の砕石帯を強引に走っている。枕木を踏むたびに脊椎が一節ずつ削られる気がした。
だがこういう場所には利点がある。道が狭く、両側に暗い法面が多いから、普通の追手車両は迂闊に近づけない。
欠点も同じくらい明白だ。
車を必要としないものには、格好の場所になる。
右側の法面を一瞥した。何も見えなかった。
静かすぎる。
後ろの車灯はまだあるのに、追手はもう猛然と詰めてこないし、機関銃の火力も急に減った。この静けさは銃声よりずっと嫌だ。自分たちで死にに来るのをやめて、別のものに引き継がせる気だからだ。
「右側に何かいるか?」俺は聞いた。
エリザヴェータが助手席のサイドミラーで側面を確認した。「サーモには映らぬ」
「なら、いるってことだ」
「同意じゃ」
葉綺安が前で言った。「急に怪談みたいなこと言わないでくれる?」
「お前は運転してろ」俺は言った。「化け物が来たら俺が先に挨拶してやる」
荷台が一瞬静まった。
それからシキが少し上の空で、でも少し真剣な声で言った。「まさかプラハから逃げ出すことになるとは。共産党統治の時代だけかと思ってた」
俺は一瞬固まって、危うく笑い出しそうになった。
林雨瞳が横でRPGを支えながら、買い物リストを読み上げるみたいな口調で言った。「おめでとう。一回の旅行で二通りの楽しみ方ができた。お得ね」
今度は本当に吹き出してから、二人に向かって怒鳴った。「旅行記は後で書け!」
前のエリザヴェータの一言がその笑いを断ち切った。「前方五百、跨線橋の遺構。通過時、左側の高所が最も危険じゃ」
言い終わると同時に、左側の法面の頂上で火が灯った。
銃口炎じゃない。ロケットの尾炎だ。
「頭を下げろ!」俺は怒鳴った。
葉綺安が車頭を思い切り右へ切った。タイヤが砕石を削って制御を失いかけた音がした。対装甲ロケットは正面には当たらず、左上から車頭を掠めて、十数メートル先の軌道交差構造に直撃した。爆発で錆びついた分岐器と手すりが全部吹き飛び、鉄の塊が散弾みたいに車の屋根へ降ってきた。
シキが悲鳴を上げて、両手を前に突き出した。重力シールドは完全展開せず、透明だが光を歪めるほど重い斜めの板みたいになって、荷台上部に落ちてくる鉄片の一部を強引に逸らした。一番大きな鋼板がシールドの面を滑って外へ飛び、隣の法面に突き刺さった。
「もうほとんど持たない!」彼女の顔は蒼白で、歯まで震えていた。
「十分だ!」俺は怒鳴り返して、機関銃を左側の法面頂上へ向けて押し込んだ。
射手の姿ははっきり見えない。橋の残骸の後ろで輪郭が一瞬閃いただけだ。大口径弾が飛んで、鋼梁の外側全体に火花が弾けた。当たったかどうか関係なく、短点射を二発続けて、その高地全体を誰も頭を出せない死角にした。
「前方に障害物!」エリザヴェータがまた叫んだ。
頭を下げると、軌道の上に爆発で歪んだ旧車両のフレームが横たわっていた。
この距離で重型車両は止まれない。
「撞き抜けろ」エリザヴェータが言った。
「最初からそのつもりだ」葉綺安が言った。
減速しなかった。
車頭が真正面から突っ込んだ。その瞬間、歯が全部砕けるかと思った。廃車両のフレームはまず前へ押し出されて、それからTatraの自重とエンジントルクで完全に裂けて、車頭の両側へ割れていった。フロントガラスの右上角にクモの巣状の白い亀裂が走り、バンパーの半分が吹き飛んだ。だが俺たちは通り抜けた。
後から追いついた最初の迎撃車はそうはいかなかった。俺たちが開けた穴を通ろうとしたが、車幅と角度が合わず、前輪がめくれ上がった車両フレームの骨組みに嵌まって、車体ごと斜めに軌道脇へ転がった。
よしと言う前に、右側の法面の下から何かが俺たちと並走し始めた。
車灯じゃない。
地面に張りついて滑るように移動する三つの黒い影が、廃草と砕石の間を跳ねては地面に吸いつくように前進している。肉眼が勝手に見落としそうになるほど速い。銃口が完全に向き直る前に、その一つが法面の傾斜を利用して直接車尾へ飛びついた。
「後ろ!」シキが声を裏返らせて叫んだ。
あいつが荷台の後部板に着地した瞬間、車全体が一度震えた。間近で見ると、工場区で見たものよりさらに生き物離れしていた。外殻は半溶けした装甲と骨格を間違った形に圧縮したみたいで、頭部に完全な顔の構造はなく、裂け目みたいなセンサーのスリットが一本あるだけだ。着地して安定した瞬間、前肢が一番近くにいたシキへ向かって伸びた。
俺が銃を向ける前に、林雨瞳が先に動いた。
RPGは使わなかった。この距離でRPGを使えば自殺だ。
横にあった取り外したばかりの短機関銃を掴んで、あいつの胸にほとんど密着させて一連射した。弾丸があいつを大きくよろめかせた。同時にシキが両手を外へ突き出して、さっき収めたばかりの重力偏向場を見えない鉄鎚みたいにあいつの側面へ叩きつけ、車尾から直接吹き飛ばした。
まだ死んでいなかった。
俺が銃を向けて短点射を補い、車の後ろで転がる胴体を半分吹き飛ばしてやっと止まった。
「見事!」俺は林雨瞳に向かって怒鳴った。
彼女は短機関銃を放り捨てて、またRPGを掴み直し、何もしなかったみたいに平坦な声で言った。「あと二体」
左右を掃った。
本当にまだいた。
しかも一体は左側法面のさらに高い位置まで登っていて、明らかにより良い飛びかかり角度を待っている。もう一体は車尾を追わず、前方へ突っ走っていた。直接俺たちの車頭を切るつもりだ。
「エリザヴェータ!」俺は怒鳴った。
「見えておる」彼女は言った。「前方三百で維修線を抜けて村道に接続する。右折後に開けた区間がある。奴らはそこで装甲を出してくるじゃろう」
「なぜ分かる?」
「妾でもそうするからじゃ」
俺は口の端を歪めた。
実にあの人らしい答えだ。
「なら、こっちから先に準備してやる」俺は言った。
機関銃の銃口を前へ押し込み、ひしゃげた車頭と半分しか残っていないフロントガラス越しに、維修線の出口を見据えた。遠くの暗闇の向こうに、より広い路面の反射がうっすら見えた。
開けた場所。
装甲車。
上等だ。
ようやく、取っておくべきだったシキのシールド、出番を待っていたRPG、そして思い切りぶっ放すべき大口径火力が全部同時に出番を迎える時が来た。
足元の新しい給弾帯を蹴ってヴィクトリアに渡した。「この後一通り撃つ。過熱したら交換してくれ」
「言われなくても分かってる」
「お前の口から『分かってる』って聞きたかっただけだ」
「黙れ」
俺は一度笑って、また扳把に手を置いた。
車頭が轟音と共に維修線の出口を突き抜け、折れた柵を踏み越えると、視界が一気に開けた。前方は二車線の田舎道で、道端には低木と畦道、そして時折黒く沈んだ倉庫が一棟二棟。月光と遠くの工業光害が地平線を汚れた白に染めている。さらに遠く、より低く、より重く、焦らないエンジン音が右前方からゆっくり押し寄せてきた。
普通の車じゃない。
輪式装甲だ。
しかも一台じゃない。
「来た」林雨瞳が言った。
俺にも見えた。
右前方の道路交差点から、BTR型輪式装甲車が転がり出てきた。月明かりの中で、砲塔付きの鉄の鮫みたいな車体がゆっくり角度を合わせてくる。急いで突っ込んでくるわけじゃない。自分が十分硬いと知っているものが、道の真ん中に腰を据える準備をしているだけだ。
「BTR」林雨瞳がもう一度言った。
「目は見えてる」俺は言った。
「脳みそがあるとは限らない」彼女が冷たく付け加えた。
シキが横で思わず吹き出した。
言い返している暇はなかった。エリザヴェータがすでに前から命令を出していた。「正面を向けてから撃て。林雨瞳、早まるな。周士達、後方の歩兵と左翼の車を押さえろ。葉綺安、車頭の角度を保て、逸らすな」
「了解」葉綺安が歯切れよく答えた。
俺はまず後方に適切な長さの点射を叩き込んで、ずっとついてきた迎撃車二台を迂闊に近づけないようにした。それから車頭を、路中央へ切り込んでくるBTRに向け直した。
砲塔が回り始めた。
「シキ」俺は言った。
「分かってる」彼女が深く息を吸い込んだ。五臓六腑を全部絞り出すみたいに。「正面だけ五秒だけ!」
「五秒あれば十分だ」俺は言った。「あの世に行くには十分な時間だ」
口から出た瞬間、我ながらいい台詞だと思った。
それから前のBTRが先に撃ってきた。
主砲じゃない。同軸機関銃だ。赤い鋼の縄みたいな火線が真っ直ぐ引っ張られてきて、俺たちの車頭、フロントガラス、ボンネットを叩いた。金属の破片が乱れ飛んだ。シキが両手を猛然と前へ突き出した。重力シールドが見えない分厚いガラスみたいに車頭の前で斜めに張り出した。最も直線的な弾道の一連が逸れて、両側の路面と棚架の骨組みに火花を散らした。
「今じゃ!」エリザヴェータが怒鳴った。
林雨瞳はとっくに半跪きになっていた。荷台に打ち込まれた鋼の杭みたいに微動だにしない。RPGを肩から持ち上げて、照準の動きに一切の無駄がない。その一秒、車全体がまだ高速で揺れていたのに、彼女だけが静止していた。
俺が「見事」と言う間もなく、彼女は引き金を引いた。
尾炎が一瞬、荷台全体を眩しい白に染めた。火箭が曳煙を引きながら真っ直ぐ飛び出して、俺たちの車頭のすぐ上を掠めて、BTRの左前側面に思い切り叩きつけられた。爆発は映画みたいにすぐに花開くわけじゃない。装甲を本気で凹ませる、固く低い炸裂音の火球だ。BTR全体が明らかに左へ傾いて、前輪周辺から黒煙が噴き出し、砲塔の回転速度が一気に落ちた。
「当たった!」シキが叫んだ。
「爆発してない、喜ぶのは早い!」俺はほとんど本能で返してから、すぐに主砲を受創した前輪と運転席に向けて短点射を二発叩き込んだ。
大口径曳光弾が夜の中で二本の赤熱した鋸みたいに走って、BTRの前半分に直接食い込んだ。一発目はRPGで既に歪んでいた左前輪周辺の装甲をさらに引き裂き、二発目は前面視察窓と操縦区画の外層護板を思い切り削って、眩しい火花の束を散らした。あの鉄の亀はすぐには止まらなかったが、車頭全体がふらつき始めた。前脚を折られてまだ突っ込もうとしている猪みたいに。
「輪軸が歪んだ」林雨瞳が前を見つめながら、相変わらず冷たい声で言った。「まだ突っ込んでこれる」
「なら度胸を叩き潰してやる」俺は怒鳴り返して、銃口をさらに下げた。
BTRも伊達じゃなかった。砲塔が一度止まった。誰かに思い切り蹴られたみたいに半瞬固まってから、次の瞬間に無理やり角度を戻してきた。主砲じゃない。より激しく、より密な同軸の火線が正面から掃ってきた。今度は角度がより正確で、弾丸が鉄の鞭みたいに俺たちの車頭の真正面を叩いた。シキの両腕はまだ前に張り出していたが、重力シールドが一層ずつ揺れた。透明な厚ガラスが大槌の下で震えているみたいに。
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