105.鋼鉄のゴーレム 3
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
「E-22とG-04は封口を維持せよ。内院には入るな」彼は言った。
参謀の一人が聞き間違えたかと思った。「長官、中で交戦が起きています」
「分かっている」ヘラクは言った。「だが中にあるものが何か分からない。前列の軽装ユニットを三十メートル退かせろ。繰り返す、無装甲の小組をあの内扉に貼りつかせるな」
参謀がまだ聞こうとした時、外線からより短くより急迫した報告が入ってきた。リヴァイアサン外掃ユニットが目標点に接触、他ノードに外周射界の開放を要請。
ヘラクは一秒目を閉じて、また開いた。「全部退け。場を空けろ」
戦術車の中で誰も喋らなかった。この言葉が何を意味するか、全員が分かっていたからだ。国家機構は封じることも、囲うことも、遅らせることもできる。だが特定の局面で、本当に噛みついてくるのは決して自分たちじゃない。
外層廊道の銃声が突然一拍止まった。この種の静止が一番恐ろしい。終わったんじゃない。もっと大きなものが来るからだ。次の瞬間、煙塵の向こうに厚甲の輪郭がゆっくりと現れた。街区で遠くから見ていた時みたいな巨大な影じゃない。今それは、二人が並んでやっと通れる外廊の突き当たりに立っていた。胸部の厚甲が廊道灯の反射光を吸い込んでいる。頭部のフィルターマスクの下に顔はない。冷たく硬く、人を侮辱するほど平静だ。突っ込んでこない。怒鳴りもしない。ただ左手の長柄破障斧を地面に引きずって火花の筋を引き、それから右腕の大口径火器を持ち上げて、俺たちの内扉に向けた。
シキの声に初めて震えが混じった。「あれは私には防げない」
「防がなくていい」エリザヴェータが言った。
その言葉が落ちた瞬間、ヴィクトリアの方から極めて重い固定音がした。金属同士がぶつかる音じゃない。何かの獣が自分の骨を一節ずつ噛み合わせたような音だ。機体胸部の灯り全体が一気に跳ね上がり、背部の放熱脊が同時に開いて、白い霧が蒸気ボイラーの弁を全開にしたみたいに噴き出した。地面が一度揺れた。爆発じゃない。重量が再分配されている。
振り返ったその一瞬、ヴィクトリアの半分の顔が操縦区画の内側から投げかけられる計器光で白く染まっているのが見えた。口の端に血がついている。自分で噛み切ったのか、どこかの同期圧力で震わされたのか分からない。だが目の奥は今まで見たことがないくらい冷えていた。
「退け」彼女は言った。
エリザヴェータは一言も無駄にせず、即座に左へ退いた。葉綺安が俺を横へ引き倒した。俺たちがその直線から離れた瞬間、外のリヴァイアサンが先に撃った。大口径弾頭が内扉の右半分に直撃して、厚い鋼板がそのまま凹んだ。維修井全体が響いた。同じ瞬間、あの魔偶が動いた。
ゆっくり立ち上がったんじゃない。
ずっと抑え込まれていた怪物が、台座から直接もぎ取られたみたいに飛び出した。
右脚が先に落ちた。その重さで地面の石炭滓と塵が一面跳ね上がった。左脚が続いた瞬間、機体全体はすでに半歩分の突進勢いを乗せて内扉へ向かっていた。ヴィクトリアは扉から優雅に出ていくつもりなんて最初からなかった。扉を最初の敵にするつもりだった。厚い鋼の内扉が魔偶に丸ごと撞き飛ばされ、扉板が回転しながら外廊に飛び込んで、ポジションを入れ替えようとしていた最前列の二人を直接壁に叩きつけた。煙塵が収まる前に、右腕の大口径機関砲がすでに吠えていた。連射じゃない。極めて短い二点だ。一点目で外廊突き当たり左側の掩体と後ろにいた人間をまとめて引き裂いた。二点目はあのリヴァイアサン厚甲の上半身に直撃して、あいつの体を半歩後退させ、斧柄が地面にさらに長い火花の筋を引いた。
倒れなかった。
これが本当に背筋を凍らせるところだ。
あいつはただ肩を一度上げた。受力を再分配するみたいに。それからその厚甲のまま前へ圧してきた。ヴィクトリアも待たない。魔偶の左腕重機関銃が先に掃い、右腕機関砲が補う。機体は一切守らない。敵より大きな重量と、より粗暴な火力で、この細長い維修井を自分の屠殺ラインに変えるだけだ。壁、灯り、配管、残骸の扉、装備——魔偶が一歩踏み出すたびに全部が歪み、砕け、ねじれた。決闘じゃない。純粋な工業的暴力だ。
俺たちは後ろからついていった。あいつの代わりに戦うためじゃない。あいつが打ち開けた空間を拾っていくためだ。エリザヴェータが俺たちを壁沿いに移動させ続けた。魔偶の真後ろの直線には絶対入らないようにしながら。あいつの跳弾一発、飛び散った破片一つ、弾片の一欠片でも人間の腰を両断できる。外層廊道はすぐにヴィクトリアの魔偶に踏み抜かれ、前方は内院に繋がった。あの死んでいた廃場が今、街全体から同時に注目されているみたいだった。外周の射線、遠くの探照灯、重車の移動、さらに別の角度から切り込んでくる追手——全部がここへ向かって絞り込んでくる。
本当のリヴァイアサンの追撃が、ここから始まった。
内院の北角、半崩壊した壁の後ろから第二の厚甲が突然飛び出した。先の先遣とは違う。より重く、背後に短距離榴弾射出架を引いている。出てきた瞬間から近づいてこなかった。まず高爆弾を二発、俺たちと魔偶の間の空き地に打ち込んだ。爆発は大きくないが、地面を飛び石だらけにするには十分だった。シキが二度目のシールドを力ずくで張って、一輪の破片を俺たちから逸らしたが、その衝撃で彼女は膝から崩れ落ちた。俺は彼女の首根っこを掴んで掩体の後ろへ引き込み、顔を上げた時、ヴィクトリアが魔偶の進路を変えるのが見えた。元々追っていた外廊のやつじゃなく、北角の榴弾厚甲へ斜めに切り込んでいく。判断は正しい。あいつを先に潰さなければ、奪車ポイントに近づくことすらできない。
魔偶が断裂した排水溝を跨いだ時、下盤全体が崩れそうなほど揺れた。それでも突っ込んだ。左腕の重機関銃が榴弾厚甲の頭部と胸甲の継ぎ目を一路圧し続けて、相手に体を横にさせるしかなくさせ、右腕の機関砲は最後の十数メートルで射撃をやめて、武器ごと体当たりの杭として横に叩きつけた。武器が打ったんじゃない。機体全体の重量と前進の運動量が一緒にぶつかっていった。北角の厚甲はその場で半分ひっくり返り、榴弾射出架がぐちゃぐちゃに歪んだ。ヴィクトリアは二度目の機関砲を撃たなかった。魔偶を操って、そのまま踏みつけた。鋼鉄が厚甲を押し潰す音で、胃の中が一度縮んだ。
「奪車ポイントはどこだ!」俺はエリザヴェータに向かって怒鳴った。
彼女はひっくり返ったコンクリート杭の後ろに隠れながら、外周を一瞥した。「東側の物流プラットフォームじゃ!外に二台停まっておる。一台は動く!」
その言葉が落ちた直後、より明るくより急迫した火線が南側から切り込んできた。小銃じゃない。普通の機関銃でもない。BTR車載火力が外周で射界を確保した。弾道が魔偶の左側外装甲に当たり、溶接機が弾けたみたいな火花が一面に散った。ヴィクトリアはその制圧射撃に押されて機体を右に強引に切り返した。背部の放熱脊から吹き出す白い霧が瞬時に激増した。胸の奥が沈んだ。あの位置は致命的だ。連続して打ち込まれたら、装甲が持つかどうかの問題じゃない。機体全体の熱交換が限界まで追い込まれる。
エリザヴェータはその一瞬を無駄にしなかった。手を一度切った。「行け!あいつの右後ろの死角を伝え!」
全員が掩体から飛び出して、魔偶が撞き開けた砕けた壁と歪んだ鋼架に沿って東側物流プラットフォームへ向かって走った。距離は長くない。だが崩れ落ちた工場全体を突き抜けるみたいだった。地面は爆発でめくれ上がったレンガ、断鋼、電纜、誰のものか分からない部品だらけだ。半分まで走った時、背後から全く嫌な金属の爆発音がした。撃ち抜かれたんじゃない。高圧熱管が強引に破裂した音だ。
俺は一度振り返った。
魔偶の右後背、主動力ユニット外側に近い放熱口が、BTRが斜めから打ち込んだあの一輪の火力で丸ごと吹き飛ばされていた。本来厚甲の中に封じられているはずの導流板と耐熱グリルが剥き出しになっていて、白く青みがかった蒸気が亀裂から激しく噴き出していた。ヴィクトリアも即座に感知したようだった。機体の動きが微かに、しかし確かに一拍詰まった。その一拍で、南側の最初に現れたリヴァイアサン厚甲が再び突っ込んできた。長柄斧が横に薙いで、魔偶の左肩外装甲に恐ろしいほど深い亀裂を刻んだ。
口の中が灰と火薬の味で一杯だったが、それでも本能で怒鳴っていた。「ヴィクトリア!」
彼女は振り返らなかった。魔偶が逆手で一拳を叩き込み、その厚甲を残骸の壁に叩きつけ、右腕機関砲が至近距離でその胸甲に二発補って、ようやくあいつを後ろへ吹き飛ばした。だが俺には分かった。魔偶の動きがもう違う。遅いんじゃない。どんどん急いている。熱交換が制御を失ったと分かっていて、燃え尽きる前に残りの一秒一秒を全部使い切ろうとしている機械みたいだ。
東側物流プラットフォームに駆け上がった時、確かに二台の車があった。一台は前輪が折れた工兵用半装軌車で完全に廃車。もう一台は重型後方支援トラックで、車体にはまだ幌架の台座がついていて、車のドアには流れ弾が何か所か穴を開けていたが、エンジン部分は見た目まだ無事だ。エリザヴェータが運転席側に直接飛びついた。俺と葉綺安は反対側のドアを引いた。車内の二人のうち一人はすでに衝撃で絶命していて、もう一人はまだ息があったが、もう俺たちと所有権を争える状態じゃなかった。
エンジンをかける前の数秒、魔偶はまだ後ろで俺たちのために火力を吸い続けていた。
しかも本当に全部の追手を自分に引きつけていた。
BTRがプラットフォームの方向へ前進し始めた。外周の軍警数組は魔偶と同じ直線に入るのを嫌って両側に逸れた。リヴァイアサンの残った厚甲は単独で突っ込まなくなり、車載火力に合わせて掩体を伝いながら圧してくる打ち方に切り替えた。この打ち方が一番タチが悪い。すぐに仕留めようとしているんじゃなくて、じわじわと最悪のポジションへ追い込んでくる。
葉綺安が運転席に滑り込んで、配線を一本引き抜き一本繋ぎ、低く毒を吐いた。俺が動くかと聞こうとした時、彼女はすでに皮膜を剥いた導線を下へ押しつけていた。エンジンが二度咳をして、それから鉄の棒で突き起こされた獣みたいに、肺から黒煙を一塊噴き出した。
動く。
だがその時、ヴィクトリアが乗り込んでこなかった。
彼女は魔偶を操ってプラットフォーム前方の半崩壊した斜面に一歩踏み上げ、機体全体を追手とトラックの間に横たえた。背後の打ち抜かれた放熱口はもう白い霧から火花混じりの熱波に変わっていた。それが何を意味するか、彼女が分からないはずがない。分かっているから、まだ自分を焼き殺していないこの残り時間を使って、最後の遮断をしている。
俺は車から飛び降りて、彼女に向かって怒鳴った。「乗れ!」
操縦区画が半分開いた。ヴィクトリアは過熱した白い霧を吹き出し続けている機体の胸部から俺を見た。口の端の血がさっきより濃くなっていた。声は恐ろしいほど平静だった。
「乗らない」
「お前、何を——」
「放熱口が割れた」彼女は言った。「導流部品がない、密封リングがない、交換用の羽根組もない。あと二分動かしたら、メイン動力が噛み死ぬ。今ここに丸ごと置いていけば、まだ別の使い道がある」
俺は一瞬固まって、次の瞬間には理解した。
走らせるんじゃない。
解体だ。
彼女は操縦区画から飛び降りた。着地した時、膝が明らかに一度折れたが、力ずくで立ち直って、俺と葉綺安に向かって怒鳴った。「車を近くにバックさせろ!早く!主砲、重機関銃、ロケット全部外す!持ち出せるものは全部持ち出す!」
胸の奥で爆発しそうだった熱が、彼女のその一言で、もっと冷たくて硬いものに叩き直された。そうだ。これが正解だ。この機体はポーランドまで生きて走れない。なら、こいつの牙を一本残らず引き抜いて俺たちの車に移植し、死んだ後も俺たちの道をこじ開けさせるまでだ。
プラットフォームの外側では、リヴァイアサンとBTRがまだ上へ向けて噛みついてきている。トラックのエンジンはすでに動いていて、ハンドルも葉綺安の手の中で息を吹き返していた。シキは車の側面に寄りかかって大きく息をついている。牛小琴が残していった重力の余震がまだ彼女の手首を震わせていた。林雨瞳はすでに荷台へ先に飛び込んで、後でロケットを据え付けるのに最適な位置を探している。エリザヴェータは迫ってくる外周の火光を一瞥して、冷たく言い放った。
「三分じゃ。三分後は、外し終わろうが終わるまいが、発つ」
俺はプラットフォームの前縁に横たわる魔偶を見た。背部の放熱口が裂けた肺みたいに熱い霧を噴き出し続けている。それから、すでに武器の固定ピンに飛びついているヴィクトリアの背中を見て、奥歯を噛み締め、主砲支架の下にある最初のロックに手をかけた。
ここからが、本当に命を削る解体作業だ。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




