105.鋼鉄のゴーレム 2
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
「封装匣を渡して」
俺がずっと背負ってきた転接匣を渡した。彼女は外側の油布を外して、中の細長い調準片を取り出し、扉の脇の亀裂のように見えた縦溝に嵌め込んだ。それから半月形の真鍮鍵を裏返して、背面の細かい歯片を第二の隠し孔に押し込んだ。扉の中からまず極めて低い共鳴音がして、続いて遠く深いところから機械が噛み合う音がした。扉が開く音じゃない。工場の床下に何十年も埋まっていた何かが、人に呼び起こされた音だ。
鋼扉が内側に開いた時、最初に目に入ったのは灯りだった。
電灯じゃない。金属網に覆われた、旧圧力系統で微かに発光を維持している作業灯が何盞か。前方の空間を抑制した明るさで照らしている。明るくはない。だが輪郭を見るには十分だった。そして輪郭を見た瞬間、肩の疲労が別のものに塗り潰された。
あれがそこにいた。
飛び抜けて背が高いわけでも、伝説の怪物みたいに大きいわけでもない。本当に恐ろしいのはその比率だ。機体全体が、狭い工業空間に突っ込んで封鎖口を踏み砕き、市街で短距離暴走するために専門設計されたような形をしている。下盤が重く、骨格が厚く、肩が外に張り出していて、背面には派手な装飾は一切なく、ほぼ過剰なほど実用的な放熱脊が二組と外接加圧管の取付位置があるだけだ。右腕は取り外し可能な大口径機関砲で、左側には重機関銃架と、工業用の破障器を改造してきたとしか見えないロケット誘導レールが掛かっている。胸部装甲板に紋章はない。ただ操縦区画の下縁近くに、浅く刻まれた古い文字が一行あった。
V. J. pro případ poslední.
ヴィクトリアはその文字を見つめたまま、何も言わなかった。
チェコ語は分からない。だが大体の意味は読めた。ヴィクトリアへ。最後の場合に使え。
「祖父はやっぱり、一切無駄にしない人ね」彼女は低く言った。
機体前方の台座下部にメイン動力心を運び込んで初めて、なぜこの魔偶がこんな場所に隠されていたか分かった。これは長期稼働のための兵器じゃない。封印された破城槌だ。取り付けの工程には「優雅さ」の欠片もない。硬く、正確で、容赦のない機械的噛み合わせが続くだけだ。ヴィクトリアは台座の前に半跪きになり、メイン動力心外殻の六つのカートリッジを腹部装甲下方の嵌め込み溝に合わせながら、俺に半インチ上げるよう指示し、林雨瞳にはフラットバーで底部の固定扣を外すよう指示した。あの心臓が本当に滑り込んだ瞬間、機体全体がまず一度息を吸い込んで、それからゆっくりと全身にその息を吐き出し始めた。
最初に灯ったのは背部の放熱脊の縫い目だ。
次は左腕内側の圧力表示ストリップ。
三番目は胸腔の奥深く、極めて暗い円形の起動灯。
ヴィクトリアは右側の作業台に上がり、旧配電盤を開けて、これまで持ち運んできたチェーン液と起動節輪を順番に接続した。その動きは千回見てきたみたいに速かった。だが彼女がこの機体に触れたことがないのは知っていた。熟練じゃない。血と、記憶と、あの老人がすべての必要な手順と順序を図面と刻印と構造の中に残しておいて、彼女が今日ここまで辿り着いた時に自然に取り出せるようにしておいたものだ。
エリザヴェータは手を貸さなかった。鋼扉の内側に短い銃座を組み、残りの爆裂物二つを殿を務めるのに最も適した二か所に置いた。彼女はずっと黙っていた。外の遠くから最初の衝突音が届くまでは。
試探じゃない。重量物がコンクリートの囲い壁に当たった音だ。
彼女が振り返って俺を見た。「咬みついてきておる」
俺は扉の脇へ行き、隙間に耳を当てて二秒聞いた。外でまず曖昧な怒鳴り声がして、続いて金属工具が素早く抉る音、足音が散開する音、短い無線の交信音。軍警か?おそらく。だが俺をより不快にさせたのはそのリズムだ。安定しすぎている。怖気づきながら無理やり封鎖している連中じゃない。俺たちの残した痕跡を一つ一つ辿って、正しい扉を一層一層ここまで探り当ててきた連中の動き方だ。
「リヴァイアサンも来た」林雨瞳が突然言った。
誰も「なぜ分かる」とは聞かなかった。彼女はただ分かる。
ヴィクトリアが作業台から飛び降りた。手にはまだ戻していないレンチを持っていた。「あと七分」
エリザヴェータが鋼扉を一瞥してから俺を見た。「七分は守れる。だが一度起動したら、二度目の調整はない」
俺は一格一格と蘇っていく機体を見上げた。胸部の起動灯はもう暗赤から橙白に変わっていて、背部の放熱脊から最初の極薄い白い霧が吐き出され始めている。こういう時の「もう少し待て」「もう少し見極めろ」は全部無意味だ。
「なら調整なんてするな」俺は言った。「この七分を生き延びたら、後はあいつに任せる」
外で二度目の衝突音がした。今度は囲い壁じゃない。外層の鋼扉だ。続けて一連の銃弾が外のどこかの鉄板に当たって、空の缶に雨粒が叩きつけるみたいな音を立てた。エリザヴェータが手を上げて、全員が各自の位置に散った。俺は内扉の右側に残り、シキは左後ろにしゃがんだ。彼女の呼吸がもう普段より浅くなっていた。牛小琴が出てくる。林雨瞳は低い作業台の後ろに伏せて、銃口を内扉の斜め前に向けた。葉綺安は最前線には立たなかった。彼女はまだ完全に動き出していない機体の左脚外装甲に背を預けて、眠っている獣が起き上がるのを待っているみたいに立っていた。
三度目の衝突が落ちた時、外層の何かがついに割れた。
音が入り込んだ瞬間、維修井全体が一度震えた。続いてより鮮明な足音、二組、三組、それぞれ別の方向に散開していく。誰かが命令を出しているが、言葉は聞き取れない。リズムだけ読める——両側を封じろ、主口を圧せ、重装を待て。次の瞬間、外層廊道の灯りが何かに一度掃われた。高輝度の観測ヘッドが壁に沿って掠めた。エリザヴェータは急いで撃たなかった。今火線を見せれば内扉の角度を教えることになると分かっていた。
扉を破りに来たのは人間じゃない。油圧破障器だ。
一撃目で外層鉄扉が変形した。二撃目でヒンジの半分が断ち切られた。三撃目で、灰塵と朝風と遠くの軽油の匂いが混ざった冷気が一気に流れ込んだ。外層廊道に三つの人影が現れた。混成装備を着た二人は軍警特殊部隊に見えた。もう一人はより厚く、より重く、ヘルメットの形状も全く異なっていた。完全なリヴァイアサン装甲擲弾兵じゃない。だがあの先遣外掃には十分近い。
エリザヴェータはあいつらがもう半歩踏み込んでから撃った。
最初の一発は胸を狙わなかった。最前列の人間が手に持つ油圧破障器の加圧シリンダーを狙った。鋼製のシリンダーが白い霧を噴き出して、最前列の人間が反動で一瞬よろめいた。林雨瞳の二発目がすぐ続いて、右側の人間の肩と首の境目に直接刺さった。後ろへ倒れながら撃ち返そうとしたが、弾は全部天井に飛んだ。続けて細長い維修井全体に火花、破片、跳弾、怒鳴り声が一斉に詰め込まれた。こういう場所での交戦に英雄的な姿勢なんてない。誰が半秒だけ顔を出すかで、一欠片減るかが決まる。
シキは最初の制圧射撃が飛び込んできた時に、牛小琴の重力シールドを力ずくで張った。俺の目の前の空気が突然粘くなったみたいだった。俺の肩に当たるはずだった弾頭が数発、空中でわずかに逸れて、壁の縁を掠めて飛んでいき、歯が浮くような引っかき音を残した。シールドを展開した瞬間、彼女の顔から血の気が半分引いた。こめかみには極細の汗が浮いている。これは魔法じゃない。命で弾道と綱引きをしているんだ。
「三秒!」彼女は奥歯を噛みながら言った。
俺は飛び出して短点を二発、左側から切り込もうとしていた影を外廊下へ押し返した。エリザヴェータは盾と反撃で相手の角度が乱れた隙に、爆裂物の一つを地面に沿って滑らせた。あの塊は外層廊道を転がり込んで、次の瞬間にその空間全体を金属片と灰煙に変えた。大爆発じゃない。だが最前列を地面に釘付けにするには十分だった。
「あと五分」ヴィクトリアが後ろで言った。
彼女はすでに機体胸部の半開きの操縦区画に這い上がり、両手を旧式の同期環に差し込んでいた。車を運転しているんじゃない。自分とこの機械の反応リズムを同調させているんだ。機体背部の放熱脊から吐き出される白い霧がどんどん濃くなり、胸部の灯りも橙白から燃え盛るような輝度に変わっていく。空間全体に低く安定した振動が生まれ始めた。長く蓋をされすぎた鍋が、ついに蓋を押し上げようとしているみたいだ。
外の敵も、ここがただの隠れ場所じゃないことに気づいたようだった。無線が一気に慌ただしくなり、より重い足音がこちらへ向かってくるのが聞こえた。軍警が踏めるような音じゃない。装甲だ。本物の厚甲だ。
第601特殊部隊群東向制御支隊はこの一連の交戦と異常熱信号を受けても、すぐには内部へ圧力をかけなかった。ヘラク中佐は戦術車の中で、送られてきたばかりの熱像図を見ていた。その顔色はどの通信兵よりも険しかった。その図で一番目立つのは外廊の交戦じゃない。さらに奥深くで安定して温度を上げ続ける巨大な熱源だ。位置は固定されているのに、輪郭がゆっくりと変形している。火災じゃない。市政ボイラーの逆圧でもない。何かの眠っていたシステムが強制起動されているように見える。
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