104.泥を這うような逃亡 1
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
メイン動力心が台座から離れた瞬間、俺はすぐに分かった——こいつは最初から、人間が抱えて走ることなんて想定して設計されていない。
重すぎる。しかも重さが均一じゃない。死んだ鉄の塊みたいに素直に下へ落ちる重さじゃなくて、内部にまだ構造があって、バランスウェイトがあって、俺には説明できない何かの慣性がある。抱き上げた瞬間、こいつは半拍遅れてから全部の重さを俺に預けてくる。まるで中の何かがまだ生きていて、殻の中で自分の居場所を探しているみたいだ。ヴィクトリアと左右で支えながら機械室を退いた瞬間、腕の筋肉がすぐに悲鳴を上げ始めて、指の関節が圧迫されて白くなった。外殻はまだ籠もった熱を持っていて、布越しでもその理不尽な温度が伝わってくる。これは止まったばかりの機械じゃない。どこかの眠り続けるシステムから無理やり引き抜かれて、まだ完全には息絶えていない心臓に近い。
エリザヴェータは扉の脇で銃口を右後ろの角の小扉に死んで向け続けていた。さっきの一発で扉は撃ち抜けなかったが、中の人間がすぐに飛び出すのは短時間抑えられた。だが井口の上はもう時間を削る余裕がない。葉綺安の「両側から挟まれてる」は誇張じゃない。包囲が形になり始めている。井道の上から砕石が滑り落ちる音がした。外周でも人が動いている。廃鉄を踏み、角を押さえ、短く止まってまた動く。あの動き方をするのは二種類の人間だけだ——訓練を受けた人間か、人を殺しすぎて動作を節約することを覚えた人間か。
「先に上がれ」エリザヴェータが言った。
怒鳴っていない。だが声は鋼釘みたいに硬かった。俺とヴィクトリアはメイン動力心を斜めの井口へ向けて引きずった。傾いた瞬間、重さが全部下に落ちてきて、膝が折れそうになった。肩で押さえるしかない。ヴィクトリアは痛いとも言わなかった。一言も出なかった。ただ奥歯を噛み締めて、こめかみに青筋を一本一本浮かせながら耐えていた。今の彼女は腕力で支えているんじゃない。もっと頑固な何かで、手を離さないことだけを意地で続けている。
上で鈍い爆音が一つ、続いて短く三発。俺たちの仲間が乱射しているんじゃない。誰かが井口を圧しようとして、葉綺安とシキが外で押し返した音だ。その数発の銃声がコンクリートの井壁の中で何度も跳ね返って、耳の奥が詰まるように鈍く響いた。林雨瞳が井口から半分だけ顔を出して手を伸ばしてきた。これ以上短くならないくらい短い声で言った。「上縁を寄越せ、早く」
俺とヴィクトリアがまずメイン動力心を上へ押し上げると、林雨瞳が外殻の固定環を掴んだ。腕が一度震えて、これは一人で引き上げられる重さじゃないとすぐに分かった。次の瞬間、葉綺安も来て、二人で左右から引っ張り上げた。俺は井壁を借りて這い上がり、顔を出した瞬間、右前方の折れた輸送フレームの上に確かに二つの人影が見えた。一人は横梁に張りついて、一人は支柱の後ろに半跪きで、火力は激しくないが非常に節制されていた。井口の縁、外周の遮蔽物、そして少しでも長く頭を出した場所だけを狙っている。すぐに俺たちを仕留めようとしているんじゃない。この井口に俺たちを釘付けにして、他の連中が絞り込んでくるのを待っている。
その打ち方を見た瞬間、背筋が冷えた。
行き当たりばったりの雑兵じゃない。逃げながらの偶発的な銃撃でもない。伏せを組んで、リズムを管理して、人を一か所に縫い止める方法を知っている連中だ。
エリザヴェータが最後に上がってきた。井口を翻り出た直後、彼女は逆手で黒い小さな物体を機械室の扉前に放り込んだ。俺はあの動作を知っていたが、口を開く暇がなかった。二秒後、井の底で鈍い爆発音がした。大きくはない。だが狭い斜井全体を震わせるには十分で、下から突き上げてくる気流と一緒に土埃が降ってきた。殺すためじゃない。塞ぐためだ。エリザヴェータは俺たちが来た道を半分崩して、右後ろの小扉から飛び出してきた連中が、すぐに井から追ってこられないようにした。
「右外周を行け、南には戻るな」彼女は着地と同時に命じた。
隊形はなかった。だが自然に二手に分かれた。葉綺安とシキが右側の高所を抑え、林雨瞳が後方を守り、俺とヴィクトリアはメイン動力心を抱えてボイラー室の後ろにある廃棄冷却槽の列へ向けて走った。速くは走れない。早足で引きずるだけだ。この塊は全員の心拍を意図的に引き下げているみたいで、一歩踏み出すたびに肩が引き裂かれそうで、力みすぎた呼吸で喉が焼けるように痛い。
右側のフレームの二人が動き始めた。一人が俺たちを圧し続けながら、もう一人がさらに高い位置へ移動しようとしている。エリザヴェータが振り返って一瞬で読んだ。相手が俯角を取ろうとしていると分かった瞬間、半歩止まって半跪きになり、あの横梁の下縁に向けて短点を二発続けた。人を狙ったんじゃない。位置を狙った。弾が鉄梁の縁を削り取り、火花と錆の破片が一緒に弾けた。高所の人間が反射的に頭を引っ込めた。射線が強引に断ち切られた。俺たちはその半秒の隙間で、一番空いている地帯を抜けた。
冷却槽の側面を曲がった瞬間、左からタイヤが砕けたガラスを踏む音がした。重い車じゃない。二輪か軽い四輪が素早く近づいてくる。シキがすぐに後ろで低く叫んだ。「左の街角に車!」
エリザヴェータは振り返らず、手を前に向けて一度切った。意思は明白だ——まず開けた場所から離れろ、ここで車と正面から張り合うな。俺たちはメイン動力心を抱えたまま前へ突っ込み、半崩壊したコンクリート槽の列の間を縫い抜け、その先の狭い維修路に出た。維修路の突き当たりに歪んだ金網扉があって、その向こうは旧管道フレームと低い泵室の列だ。あの区域に潜り込めれば、追手の射線は細かく切り刻まれる。この塊を持ち出せる可能性がまだある。
俺は金網扉の下縁を一蹴りした。扉枠が耳障りな音を立てた。その音が出た瞬間、このポイントはもう完全に露呈したと分かった。今は隠れる隠れないの話じゃない。封鎖が内側へ絞り込んでくる前に、誰がこの窪地から先に抜け出せるかだ。
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東区合同封鎖指揮所で、メゼラ副総監はテーブルの区画図を見つめながら、通信員が第二工業バランス帯の接敵報告を読み上げるのを聞いていた。最初の銃声から一分も経たないうちに、南北両側に三か所の火点が次々と標識された。一か所は北側の冷凝井、一か所は高架輸送フレーム付近、三か所目はバランス・ステーション南側の維修路出口。火点の密度は高くないが、位置が非常に計算されている。全部が狭い出口、角、遮蔽物の縁に集中していて、大勢の市民が無秩序に押し込んできた形跡じゃない。複数の小組が同じポイントを奪い合っている。
「身元の判定は?」メゼラが聞いた。
「不明です。本部隊ではありません。封鎖に乗じて浸透してきた非正規武装の可能性も排除できません」通信員が言った。
軍連絡官が別の熱像印刷物をめくり、たった今赤く標識された移動熱点の一つを指差した。「この熱源が異常に大きい。通常の徒歩グループより移動速度がかなり遅く、重量物の携行か傷者の搬送が疑われます」
メゼラが目を上げた。「重量物?」
「少なくとも七十キロ以上」連絡官は言った。「単独の熱像じゃない。二人が一つのものを挟んで走っているように見えます」
部屋が一秒、静まった。
メゼラはそれが何かを聞かなかった。聞いても答えは出ないと分かっていた。彼はただ地図の上の二本の外周維修線を指で押さえた。「E-17、F-03は半層内収。バランス帯の核心に直接突入するな。南北の外溢線を先に押さえろ。巡邏車に通知、工業坑道に入るな、泵室群を追跡するな、自分から死角に入り込むな。全ノードは包囲を縮めることだけに専念し、狩りはしない」
連絡官が彼を見た。「中に高価値目標がいるとしたら、今咬み切らなければ逃げられます」
メゼラは無表情だった。「今夜、人を咬み殺せるものは一番不足していない。俺が必要なのは、ノードが先に潰れないことだ」
命令が出ると、透明なオーバーレイの上で何本かの青い線が引き直された。東区の封鎖全体は、もうあのグレーゾーンを手のひらで一気に握り潰そうとするのをやめた。代わりに、籠を閉じるように、一枚ずつ出口を狭めていく。残酷だが、有効だ。人を捕まえられなくてもいい。相手が一区間進むたびに一つの関所にぶつかるようにしておけば、どこかの一口が必ず噛みつく。
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