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103.逃避行より、さらに地獄 1

この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。

半崩壊したポンプ室の残骸を離れた時、夜はまだ明けていなかった。だが、その夜はもうとっくに切り刻まれていた。


風も霧もある、人を隠すのに向いた夜じゃない。軍警、火点、制御を失った交通、臨時封鎖路、正体不明の火力——それらが何層にも重なって、夜そのものを剥ぎ取っていくような夜だ。街の明かりはまだついている。信号もまだ変わっている。だがあの光はもう、生活のためにあるんじゃない。識別、停止、捜索、標識のためにある。交差点に立って赤信号が変わるのを見ても、最初に浮かぶのは「秩序はまだある」じゃなくて、「誰かがまだ電力を供給している、誰かがまだこの街を見えるように、切り分けられるように、収口できるように維持している」という事実だ。


エリザヴェータはもう余計なことを言わなかった。


彼女は埃の積もった地面にもう一度ルートを引き直した。指先はひどく安定していて、まるで死体の筋膜を切り分けているみたいだった。第二中継点はもっと東、大通りでも住宅区でも、本能的に身を隠そうとする人間が向かいそうな場所でもない。旧熱供給バランス・ステーションと貨物維修支線が重なり合ってできた工業ノードで、外側は廃棄されたコンクリート塀、使用停止の維修路、半分塞がれた冷凝回水溝——その奥に、ヨゼフが残した第二の荷物が隠されている。


メイン動力心。


あるいは、もっと悪い知らせ。


ヴィクトリアは封装匣を膝の上に押しつけたまま、開けずに、上に刻まれた細かいコードをただ見つめていた。彼女が見つめれば見つめるほど、俺にはそれが良い知らせじゃないと分かった。彼女の祖父が残したものは、いつも言葉を無駄にしない。希望を、希望みたいに書いたりもしない。


「今から無線封鎖」エリザヴェータが言った。「重装備が至近距離に切り込んでくるのを直接確認しない限り、誰も電源を入れるな、試信するな、送受信するな。手信号は旧規則に戻す。停止、伏せ、散開、収束、後退——前と同じだ」


葉綺安(イェ・キアン)はうなずき、肩のバッグをきつく締め直した。林雨瞳(リン・ユートン)は残っていた反射しそうな金属を全部布で巻いた。シキは銅線の切れ端を二重に折って袖の中に押し込んだ。ヴィクトリアは返事をせず、半月形の真鍮鍵と細長い調準片を別々に収めてから、顔を上げて俺を見た。


「私の後ろを歩いて。追い越さないで」彼女は言った。


「今は自分のことだけ考えろよ」


「今、自分のことを考えてるのよ」彼女は言った。


俺はそれ以上言わなかった。


こういう時に、自分の人生をバラバラに解体したばかりの人間に「気をつけろ」なんて言っても意味がない。彼女は今、脆いんじゃない。硬い。硬すぎるくらい硬い。炉から取り出したばかりで、外側はもう黒焦げになっているのに、中はまだ赤く燃えている鉄の塊みたいに。


出発する時、ポンプ室の外の空き地には、さっきの撤退で踏み荒らされた泥と砕石がまだ残っていた。エリザヴェータは一周して、一番目立つ足跡を蹴って崩し、めくれ上がったコンクリートの破片を元の位置に戻してから、ようやく手を上げて前進を示した。


隊形の号令もない。誰かが一、二、三と叫ぶわけでもない。


彼女が前に進む。俺たちが後に続く。それだけだ。


---


東区合同封鎖臨時指揮所は、営業停止になった物流仕分けセンターの二階に設置されていた。


地図は壁に貼ってあるわけじゃない。三枚並べた長テーブルの上に広げられている。テーブルの上には紙の地図、透明なオーバーレイシート、消せるマーカー、民間監視カメラのスクリーンショット、警察端末の印刷物、軍が投げてきたブロック封止図、そして誰も飲み切っていないブラックコーヒーが二杯。窓は全部塞がれていて、室内の光が外に漏れないよう、わずかに一本の隙間だけ残してある。


メゼラ副総監がテーブルの前に立っていた時、彼はもう連続十四時間、本当の意味で座っていなかった。


もう若くない。命令と命令の撤回が続く中で、肩の幅がどこか狭くなったように見えた。向かいの軍連絡官が、刷り上がったばかりの封鎖路リストを押し出してきた。声は平坦で、感情がない。


「北二環から東貨物廊道まで、新たに三つの検査ノードを追加。熱像監視車二台が配置済み。民間車両は工業支線への迂回を一切禁止」


メゼラはざっと目を通して聞いた。「理由は?」


「グレーゾーンに移動熱源あり。分散、低速、リズムがある。一般の避難民とは異なる」


「数は?」


「五から七。現時点では確定不能」


メゼラは顔を上げ、連絡官を一瞥した。「今夜この街には、五から七のグループが千はいる。その程度の説明じゃ何も言ってないのと同じだ」


連絡官は言い返さず、別の紙をめくった。熱像画像の印刷物だ。地下供熱管に沿ってほぼ直線に伸びる白い帯状の熱源、その脇に断続的に浮かぶ、背景よりわずかに高温のぼんやりした影がいくつか。その影は現れては消え、常に熱管、ボイラー室、ケーブル井、あるいはまだ稼働している設備室の近くを移動している。


「普通の逃難じゃない」連絡官は言った。「普通の人間は道路を歩く、車を奪う、明るい方向へ走る。こいつらは逆だ。熱源の背景、工業の隙間、監視の死角を専門に狙っている」


メゼラはもう何も言わなかった。


これが何を意味するか、分かっていた。


考えながら動いている。ただ逃げ惑っているんじゃない。


封鎖がどう機能するかを理解していて、封鎖と封鎖の間をどう抜けるかも理解している。


彼は手を伸ばして、テーブルの送話キーを押した。「各移動封鎖ユニットへ。東区グレーゾーン内で五から七人のグループを発見した場合、ノードを離れて追跡するな、正面を引き伸ばすな、単車で深入りするな。繰り返す、ノードを離れた追跡は禁止。発見したら標識し、方位・速度・熱源特徴を報告、上級が次の封鎖層への引き継ぎを判断する」


半拍置いて、もう一言付け加えた。


「相手が意図的に供熱管線、変電室、ボイラー、あるいは停機車庫に接近している場合、組織的移動と優先判定せよ。一般市民と誤判して見逃すな」


指揮所の中で、誰も応じなかった。


見逃した相手が誰なのか、誰も保証できない。撃った相手が誰なのかも、誰も保証できない。


これはもう、普通の街が耐えられる夜じゃなかった。

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